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中学受験 高校受験 受験相談 渋谷で創立30年

この時期何をやっても伸びないのはなぜ

2015.11.03

 いえ、これは竹の会の話ではありません。大手塾に通っている子たちが、いやその親たちが一番感じていることではないか、と思うのです。伸びない理由ははっきりしている。夏までに思い切り勉強してこなかったからです。今頃になって、つまり試験まであと3か月というこの時期になって急に気がついたように勉強始めてももう遅いでしょ。 勉強してこなかったなら伸びないのはあたりまえです。が、勉強したのに伸びないという子が大手には多いでしょ。これはなぜか。これもはっきりしている。考える勉強、つまりは思考力を培ってこなかったからです。適性類似問題ばかりを解いてすぐに解説を読んでカリキュラムだけ追うというようなことをしてきたからでしょ。 授業を受けるというのが一番よくない。解説、説明ばかり聞いている。能動的に考えるという脳の働かせ方をしてこなかったというのはもはや取り返しのつかない、ことです。

 もっと言えば、この時期に伸びない子というのは、まず基本的なものをほとんどおざなりにしてきたつけを今払わされているということです。わたしの見立てでは、大手に通う小学生の大半は「割合」をまともに理解していないと思います。いや、受験はしないから塾には行かないという小学生は、たとえ学校で「よくできる」と分類されていても、まず使いものにならないでしょ。 億単位の小数の計算、例えば、割り算を正確にできる子は少ないと思います。これは塾に行っていてもです。

 私立受験の子がこの時期に陥る症状があります。たとえば、志望校の過去問を年度単位で解くということをやるでしょ。それで26年の問題で算数50点取ったとする。それで解けなかった問題の解説を読んで理解する。それから次に25年の問題を解く。すると50点前後だ。解けなかった問題の解説を読んで理解して24年をやってもやはり50点、これは絶対に変わらない。そういう経験を今している受験生が多数いるはずである。なんと本番で取れるであろう点数がすでにして確定しているのである。しかも、そういう受験生は、過去問を解いた呪いにかかっている。つまり、過去問で出る問題を先入観念というか、思い込みでイメージしているから、本番では必ず「新傾向の問題が出た」と言う。つまり、それで「できなかった」と言いたいわけである。 試験とはもともと未知の問題が出るのが前提なのに、過去問を解きすぎて頭がガチガチになってしまうのだ。どんな問題が出されても、自らの「考える」力で解きほぐしていく、対処していく、というスタンスが「ない」のだ。

 大手塾というのは、過去問をやる段になると、個人責任、丸投げだ。かつてサピックスに通っていた中3が、声の教育社の過去問をコピーしたものをどっさり渡されて、自分でやる、というのを見てびっくりしたことがある。解説はすべて声の教育社に丸投げである。大手というのは、カリキュラムにしたがって授業をどんどん進めていくくせに、志望校の過去問になると、個人任せである。それも11月あたりから志望校の問題を解く程度にしか考えていない節がある。 おそらく今頃は大手に子どもを通わせる親たちは、本屋に行って志望校の過去問を買ってきて子どもにやらせる、ということをやっているわけでしょ。過去問は都立中高一貫校10校、区立1校の11校あり、しかも10年分はある。もっとも「声の」に載っているのは。5年分くらいか。 とにかく丸投げだ。

 都立中の受検対策というのは、やってこなければならなかったのは、思考を鍛える、それだけである。 そこをはきちがえているからこうなる。大手信仰一辺倒できた親たちにはそれがどういうことなのかということを思い知る時期となる。

 この時期を充実して過ごせるのは、思考を鍛え上げてきた者、8月までにもう夢中で勉強してきた者のみである。

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