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公立中高一貫校受検の意義

2016.01.07

 おはようございます。気温7℃。晴れ。冬期指導最終日(後半5日目)となりました。後半は、制限時間付きのレジュメ・テストによる訓練を重ねてきました。作文を冬期に、これだけ書かせたのは初めての試みです。1月の指導8回についても、作文重視の姿勢は変わらないと思います。

 竹の会には、実は、杉並区の子どもが、いません。元代々木教室時代には、杉並区からバスで通ってきた中学生がいたことがあります。杉並区から渋谷というのは、交通の便が悪いのか、とも思いますけど、竹の会には、江戸川区や江東区、品川区、練馬区、板橋区、文京区など小一時間ほどかかるところから、来る子たちがたくさんいましたし、今もいます。

 先日、杉並区の方から、メールをいただきました。 その内容について、やや驚いたのは、世間では、「なんでも塾」が、公立中高一貫校対策をやる、というのを商売にしている、ということを知らされたことです。個人塾で、私立中学入試もやれば、公立中高一貫校もやります、というわけです。そこで、わたしは、すぐ直感しました。せいぜい公立中高一貫校対策の問題集を使って授業をやるのが関の山ではないか、と。もちろんそのことを飾ることなく、つまり単刀直入に返信しましたところ。そのお母さんから、「その通りです」というお返事がありました。

 塾を商売にするところは、市販のテキストを使って授業をするのがいちばん手っ取り早くて楽なんです。なにしろ自分は何もしなくていい、他人の作った教材を授業するだけでいい、しかも、塾は予め「答えを知っている」、答え、解き方を知っていて、教える、つまり、後知恵の知識で教える、これがいちばん楽なやりかたです。実は、塾には、塾だけでしか手に入らない塾専用教材というものがあるのです。今では、公立中高一貫校も10年経ちましたから、もうそれはいろんな対策問題集が出回っている。だからどこの塾でも平気で「公立中高一貫校対策に即した授業」をやるなどと言うわけです。

 それはともかく、大手も実はかなり適当なことをやっている、ということは知っておいたほうがいい。特に、学生講師を大量に時間給で雇ってやっている大手は要注意です。一つの教室で年度が変わる度に40人ほど雇うと聞いています。採用試験はあるようです。大学生なのは当然と思っていたら、小規模の塾では、都立駒場などの高校生を雇っているところもありました。大学もピンキリで早慶に限らない。文系の学生に数学や算数をやらせているところなんかもたくさんあるようです。学生どうしで都合が合わないときは代替もやります。算数を初めてやるので「どうしょうか」ということもよくあるようです。「虎の巻」を渡して予習させてから授業をやらせていました。日大文系の学生に数学をやらせるというのもありました。数学をほとんどやったことのない文系学生が個人指導を受け持つなどということも頻繁です。

 大手もそうですが、塾を過信しないことです。勝手に期待もしないことです。ニコニコして優しい先生を「いい先生」などと言っているバカ親にはちょうどいいかもしれませんが。

 大手だって、後知恵です。学生は既製テキストの解答の受け売りを授業しているだけです。これをありがたがって聞いてくれる親子がたくさんいるわけです。九段の説明会でビラを配りましたが、今行っている塾に迷いはないという顔をして素通りしていく母親、父親がたくさんいました。 信仰宗教にはまった人を説得する虚しさと似た絶望的な心の風景を見たものです。わたしには、自爆していく、哀れな人たちにしか見えませんでした。

 後知恵で最初から「わかったような」顔をして「教える」人間なんか信用できますか。すべてをわかったような顔をして子どもたちに授業をする学生講師を信用する親や子たち、とにかくわたしには後知恵の知識で、教える人たちが信用ならない、のです。

 まず、自分で、私立中の難問でも、公立中高一貫校の適性問題でも、解いてから、何かを言え、作文を自ら書いてから何かを語れ、こう言いたいのです。後知恵で知ったかしてほしくない、と言っているのです。 それで「公立中高一貫校対策もやります」などと言ってほしくない。

 竹の会に関しては、先ほどメールをいただきましたお母さんから、「テキストといいますか、レジュメの内容ですが 子供の能力にあった問題をいただけるのでしょうか? それが とても気になるところではあります。」と言ったようなご質問を受けております。「草枕」を過去にさかのぼって読まれると、おのずと答えが見つかるか、と思います。竹の会の指導レジュメが、低いステージから次第に高いステージへと導いていくように構成されている、ということだけ申し上げておきたいと思います。それから最低ラインは、入会試験で予め切ってある、ということも前提です。

 よく、竹の会の小6が、新しい子が入ってくると、昔のレジュメを見て、「あのときは難しかったのに、今は簡単過ぎて」と言ったようなことを言っています。

 くれぐれも後知恵でしか語らない、質の悪い塾、先生にひっかからないことです。予め準備された解答を知っていて、それを語るだけの、質の悪い先生にひっかからないことを祈っています。

 公立中高一貫校制度ができて10年が経ち、今は公立中高一貫校という選択の意義が問われている、いや公立中高一貫校の存在意義そのものも問われている。この問題については、この草枕でも何度か書いたことがあります。わたしは、その受検を通して、勉強をするという過程が、これまで受験とは関係ない、したがって、学校の勉強以外は何もしてこなかった層の子たちが、これをきっかけに勉強するという道に入ること、そこで中学の礎になる基本をしつかりと身につけるいい機会であること、そういうところに意義を見つけたい、と思っています。

 脱線して、時間がなくなりました。今日はここまでにします。

  

 

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