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千代田区立九段中等教育学校合格に寄せて

2016.02.07

 おはようございます。2月7日(日曜日)になりました。微妙な日ですね。本日は、もちろん渋谷Aの指導日です。小6のいなくなった教室は閑散として飽くまでも静かです。そういえば2月という月はもともとそういう月であったことを思い出しました。平成23年に小石川に合格したK君が継続して発表前からそのまま通った、あのときの2月も閑散としてほとんどだれもいなかった。K君と「2月、3月はこんなものです。ゆっくりと疲れた体を休めなさい、ということです」と話しあったものでした。去年は募集はしていたのですが、受検の小4が集まりませんでした。小4の2月に集まれば、1年間鍛えて、小5の2月からは本格的な受検対策に入れるという手はずになっていましたが、今年は農閑期なのかと思っています。そういえば平成21年には受検生「なし」を経験し、22年は受検生4人、23年は3人と寂しいほど少なかったのです。22年は両国と桜修館に2人が合格し、4人中の2人合格という、快挙でした。その勢いは止まらず、翌23年には、3人受検して2人合格を果たします。小石川と桜修館です。小石川には初の合格でした。

 竹の会のような小塾ですと、大手のように派手な広告もできませんし、せめて毎年催される九段の合同説明会でチラシを配る程度でした。ところが、あの説明会でも1000人にはチラシを配付したのですが、誰一人として竹の会に注目してくれる人はいませんでした。みな大手、大手とすごかったですね。

 実は、昨日九段の発表がありまして、夕方5時でした、ネットで発表なんです、掲示板には明日9時に掲示されるようです、無事合格を確かめました。合格者は千代田区在住、確か、九段中学のすぐそばに住んでいるはずです。小3の12月に入会試験合格、2月から通い始めましたが、通う前にひとりで通えるように何度か練習をしたように覚えております。帰りはもちろんご両親のどちらかがお迎えにきておりましたが、最初は、慣れるまで3時間で終わらせるなどやったのだと思います。区内枠で九段受検ですから、区外とは一線を画するものがありますが、九段は区内生と区外生の学力較差という問題を内包した学校であり、それが原因で様々な障害を生じていると聞き及んでいます。合格しても区外生に負けない学力をつけておく、そういうことで訓練してまいりました。だから九段でなくても他の公立中高一貫校に合格しうる学力をつけておくという、そういう指導方針で鍛えてまいった次第です。

 ここで付言しておかなければならないのは、小3、小4、小5などに「教える」という指導は成り立たない、ということです。「教えて」、彼らが「学ぶ」ということはありえないのです。彼らには、訓練する、そして鍛える、そういう概念がもっとも適切に妥当します。計算も「学ぶ」、学んで終わりということではない。やり方を知っているだけではダメです。実際にできることを何度も何度も確かめる、指導者が確認をしながら、先へ進めるのでなければ彼らは決して成長しない。それが証拠に、大手からきたという子は、すぐに「計算はできます」と言うけれど、実際計算をやらせてみると全くといっていいほど間違う、計算全滅です。こんな計算力で億単位の小数の割り算を正確無比に出すことが要求される適性問題なんかで正解を出せるわけがないのです。千代田区にもあのエナが進出して、九段受検の区内の子が大挙通い始めたという話しを聞きました。周りはみなエナなんだそうです。エナ包囲網とでも言いたいくらいエナ一色なんだそうです。しかし、小6あたりにスワ、エナと、通い始めても恐くも何ともないですね。エナに通う子たちがエナで方法を学び、それを覚えていっても、全く虚しい徒労に終わるでしょうから。小学生というのは、学んだだけではだめなんです。ひとつひとつを本当にできたかどうか、確かめながら質をとっていく、担保をとりながら、進めていく、これしかないのです。だからそのために「鍛える」、徹底して鍛えるのです。それから思考の力ですよね。割合ならもう一年間は割合にまつわる諸々のことを考えさせる、その過程を積み重ねて、強靱な思考力として仕上げる、これが一番の適性対策なんです。割合も満足に理解しない、アホ小学生が、用意されたテキスト、たぶん適性問題満載のテキストなのでしょうが、そんなものを思考未熟のままに解く、そういう愚を続けていれば真のバカができあがる、ただそれだけのことです。だからいくらでもエナに集まり、わいわいやっていればいいと思うのです。竹の会の子たちには好都合なだけです。エナも栄光も全く恐くないですね。

 そういうわけで、わたしはその女子を、都立中を受ける子たちと同様に鍛えてきました。正確無比な計算力はまさに芸術でした。億単位の割り算、四捨五入すべて完璧な子でした。そして課題提出率もほぼ完璧にこなしてきた子でした。解き直しだってきちんとやる子です。小石川受検組の算数力にはさすがに及びませんでしたが、それでもかなりの難易度の高い算数の問題を解くまでには思考力を作り上げていました。今は、やたらエナや栄光など、生徒集めではとても竹の会はかなわないけれど、なにしろ、親という親が大手志向で一色ですから、それでも、去年の10月に竹の会の小6がたまたまエナに通う人に勧められてエナの模試を受けてみたら、問題が易しすぎてまず驚いたのだそうですが、結果を見てみると、1500人中の12番、2500人の48番だというのです。これは、エナの経営陣、塾生や親たちの間でかなり評判になったらしいのですけれど、竹の会の指で数えるほどしかいない小6たちが、他流試合で道場破りをやっている感じですね。早稲田進学会でも小石川受検組はしばしば名前をのせていますが、早稲進から「早稲進生」と呼ばれたのは、苦笑するしかありません。それから「あなたたちはこの模試で力をつけた」などと言われてもいましたが、これも苦笑です。

 28年度千代田区立九段中等の倍率ですが、

 区内枠、つまり区分Aの女子は、89人が受検しています。合格定員の40人でした。2.23倍です。49人が落ちました。区内枠女子は男子に比べて激戦でした。まあ区外枠の倍率とは比較になりませんが、それでも落ちた人数49人というのはリアルです。逆に、「この倍率で落ちたのか」などと言われかねないのが世間でもあります。

 竹の会は、実は、平成19年2月に初の公立中高一貫校の挑戦をしまして、このとき11倍の倍率を勝ち抜いて、渋谷区幡代小の子を合格に導いています。この子はすでに卒業し、現役で東京工大に進学しております。記念すべき平成19年の合格から、十年を経て、平成28年2月6日、竹の会から九段中等の合格者を出すことができました、ことは何かの縁なのかもしれません。

 今は、ただ合格者に、三年間お疲れ様でした、あなたの培ってきた思考力、基礎学力がこれからの九段の生活に必ず大きな力となることでしょう、そのような主旨のことをお伝えして、結びとします。

 ありがとうこざいました。

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