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小石川中等など応募数発表

2016.01.22

 おはようございます。週末には西日本を中心に厳しい寒波が襲来するとの予報です。シベリアの寒気団が日本列島の上空を覆うということでしょうか。雪に慣れた北国の人たちには耐える、生き抜く術は心得ていても、普段雪とは馴れそめのない私たちには雪は脅威です。雪を想定していない、東京の電車はさしたる雪ともおもえないのに当然のように停止してしまいます。

 東京都教育委員会は、平成28年度東京都立中等教育学校及び東京都立中学校の入学者決定応募状況を発表しました。区立である九段中等については、九段のホームページに載っています。

 一般枠募集に限ってみれば、募集定員1389人、応募人員8805人、応募倍率6.34倍となっております。

 最高倍率は、九段のB枠の女子で、9.43倍、男子は6.35倍です。A枠は、男子40人の定員に対して80人の応募、女子の40人に対して95人の応募です。ほぼ2倍、2人に1人合格です。

 桜修館 各定員80 男子476÷80=5.95 ほぼ6倍   女子598÷80=7.475 7倍強

 小石川 女子 468÷77=6.07 ほぼ6倍  77は推定数   男子 550÷78=7.05 ほぼ7倍

 白鷗  女子 589÷72=8.18 ほぼ8倍   男子 382÷72=5.30  5倍強

 富士  女子 300÷60=5 倍   男子 293÷60=4.88  5倍弱

 両国 男子 8倍強 女子 8倍強

 多摩地区の都立中等及び都立中学でも、ほぼ6倍平均の倍率です。さしたる進学実績をまだ出していない多摩地区でもその人気は衰えていないようです。少なくとも競争のない区立中よりは質のいい子たちが集まることは予想できますが、それでも大学進学実績に結びつかないというのはどう分析したらいいのか。おそらく多摩地区の秀才はこぞって23区の都立中等および都立中を受験しているのではない、ということが推測できそうです。多摩地区には、都立国立高校や八王子東といったトップ都立高校がありますが、進学実績にもすぐれたこれらの高校を受験するのはいったいどのような人たちなのであろうか。少なくとも多摩地区の都立中等などに合格した人たちは除かれるわけであるが、それでは落ちた人たちなのか、それとももともと受検なとしなかった人たちなのであろうか、いや多摩地区に住みながら23区の小石川などをめざして惜しくも落ちた人たちなのかも知れない。最初から都立国立高校をめざしている、秀才たちもいるかもしれない。さしたる進学実績も出せない都立中等や都立中をめざす小学生が多摩地区には多いということしかわからない。そしてその多摩地区には公立中高一貫校を飯の種とする大手のエナがある。そこで大量の合格者を出していると鼻息が荒いけれど、国立高校や八王子東高校が君臨する多摩地区では、その鼻息も吐息に近い。多摩地区の受検者全員がエナに所属しているのなら、合格数も何もあったものではない。

 東京の公立中高一貫校、小石川、両国、桜修館、九段を受けるということの意味を真摯に受け止めてほしいと思います。あなたたちはこれだけの倍率、小石川ならかなりの秀才が集まってのこの倍率です、そういう倍率を突破して、合格するには、どう処すればいいのか、自ずと答えは出ていたはずです。受検指導が始まった小5の2月から小6の8月までがひとつの勝負所でした。そいう時期にわたしにはどうしても真剣に「勉強している」という人たちがほとんど見当たらなかったのです。どう見ても「勉強しているようには見えない」子たちが目につきました。少なくとも勉強だけに専念してどれくらいの時間を割いてきたのか、というそういう根本の所から疑っていました。23年小石川受検者は母親に命じられて朝5時に起きて1時間勉強を続けたと聞いています。この朝勉だけで何冊もの「四角い頭を丸くする」などの小冊子を終わらせたと聞いております。彼は全国の過去問3年分を7回解き直したのです。作文も何度も書き直し、難関私立中の国語の問題も何十年分も解きました。勉強するとはどういうことか、その意味がわたしはわかっていない子たちが大勢いて受検するのだとしか見えないのです。試験のリアルを理解しない人たちには試験は永久に受かることのない行事のひとつでしかいない。

 わたしが掲示板の前に立つ、その心境は、そういう試験のリアルを全身に受け止めて、今度こそは子どもたちにこの過酷な試験に勝つにはどうしなければならないか、わからせなければ、と覚悟する時なのです。しかし、子どもたちにはわたしがいくらこの「草枕」で訴えかけてもほとんどその心の深奥には届かない。親御さんの、「そこまで勉強することはない」、「たまには息抜きも必要でしょ」、「ピアノの発表会だけは」、「○○だけは」と、いくらでも差し引かれてきた勘定で、その結果、掛け値なしの力がどのくらいなのか、そんなことはわたしにはわかっているけれど、差引勘定しても、合格と帳簿に出せる人たちにはただ黙るしかない。

 去年桜修館に合格した女子をずっと見てきた目からは、どうしても勉強が生ぬるく思えてしょうがないのです。あなたたちの心を覆う不安というのはあなたたちが自分で作り出してきたモンスター、育ててきたモンスターです。モンスターが大きければ大きいほど、それだけ勉強してこなかった、悔いを遺してきた、ということです。自信とは努力に裏付けされた、偽りのない、実力から生まれるものです。普段の勉強でできてもいないのにできたとする偽りを重ねてくれば自信など生まれるはずもないし、モンスターどころではない、不安を通り越してモンスターもいないでしょ。

 わたしには、勉強を差し置いて、なにかと勉強以外のことに時間を使う人の気が知れないのです。試験というのは、選抜試験です。8倍なら8人から1人を選ぶ、過酷な試験のはずです。そういう試験を受けると言いながら、普段に息抜くばかりの勉強しかしない、これは試験をなめているとしか言いようがない。 合格するという喜びは、さまざまなやらなければやらなくてもいいことを犠牲にしてきた者のみが手にすることのできる代償です。もっとも合格した人たちは、犠牲にした、代償などという思いはないくらいに勉強したことに満足していることでしょうが。

 あなたたちが描く試験に合格するという甘い幻想は、この倍率の前に、そして現実の試験の中で微塵に打ち砕かれるのが常である。だからわたしは受験生の甘い見通しも、それをよしとする親の判断もすべていずれは砕かれるであろうとは思いつつも、そういう判断をする親子に異を唱えることはしない。現実が教える以外に決して納得しないのが受験の頑迷な親子なのであるから。

 ここで勉強というものについてひとつ忠告しておかなければならない。勉強というのは、タイミングを逸したらもはや取り返しはつかない、ということです。これから多くの人たち、なにしろ8859人が受検して、合格するのは1410人ですから、7449人は落ちる、つまり、区立中へほとんど行く、ということです。もちろん中には私立中へ行く人もいるでしょうが、大半は区立へ進む。都立中等および都立中を受けるということは、大半が区立へ進む前提です。ですから、その大半は、高校入試をすることになる。この高校入試で最終的に選別される。進学重点指導校に指定されている都立高校へ入るのは至難です。日比谷、西、国立、戸山、八王子東、青山などに入るのは大変なことです。内申点が1000点満点の300点もある。そういう都立に行くには、悪くて4、5が先行するくらいの成績をとらなければならない。中学に入れば、学期毎に中間試験、期末試験があり、学年末には学年末試験がある、ほぼ2か月に1度のペースで学力が試される。テストの結果はグラフや表にされて自分がどの序列にいるかもいつも晒される。小学の時のように隠れたままでごまかすなどということはできない。親は定期テストのたびに飛び上がる。ほとんどの人たちがそういう環境に身を置くことになる。勉強というものをしらない者から脱落していくことになる。

 願わくば、勉強するということの真の意味を悟って真摯に勉強のみに専念する小学高学年を過ごして欲しい、そう思わずにはいられない。

 最後に、そうは言っても、竹の会の子どもたちが、健闘し、無事合格することを心から祈っております。  

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