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小石川中等合格の研究

2015.11.22

 おはようございます。本日は渋谷Aの指導日です。気温は14℃、曇り、いよいよ11月も下旬、駆け足で師走へと進んでおります。試験直前2か月のあの特有な、押しつぶされそうな重い空気の支配する12月、1月ももうすぐです。毎年掲示板の前に立ってくると、この12月、1月を心穏やかに過ごせるにはどうしたらいいのか、ざわめく心を鎮める妙法はと考えてきたのですが、それには夏までに思い残すことのないほどに勉強するのがいちばんの妙薬と学び知りました。去年の同じ時期充実した日々を過ごしたのはただひとりの子であったやもしれません。桜修館に高得点で合格した女子です。勉強するということに迷いのない子でした。世の中の通俗的な行事に全くブレることもなく、ひたすら勉強のみを追究してきた子でした。彼女をして「合格の秘訣とは、先生からもらえるレジュメをやりきること」と言わしめた、やりきった者のみが発し得る、心の言葉を残して竹の会を去りました。彼女を支えてきたお母さんの存在も大きかった。彼女がインフルエンザにかかり、竹の会を休むことになったとき、竹の会に行けないことを嘆いて泣いたら、お母さんも悲しくなっていっしょに泣いたそうです。彼女のひたすら勉強したいという心をひたすら、その思いを叶えられるようにとばかり気を遣い、ひっそりと自分たちの生活をそれに合わせてきたことが忍ばれるほどの一歩引いた慎ましやかな生活姿勢でした。合格発表の日、掲示板にやや遅く着いたときには、周りには人はほとんどいなかった、その前で母子は抱き合って泣いたそうです。

 今年は竹の会には小5のときから小石川受検を口にしてきた子たちが4人もいます。うち3名は入会試験のA合格者です。残り一人はほかの3人より1年早く入会した男子ですが、竹の会最初の入会試験に合格した子です。最初の入会試験は3問出題の2問正解で合格でした。実はそのときにやはり合格した女子がいまして、こちらは九段志望です。二人とも小3の2月の入会でした。早いものでいよいよその子たちが受検する時がやってきました。

 竹の会には過去2名が小石川中等を受検し合格しております。平成23年と25年です。特に、23年の合格者は早稲田進学会の模試で連続してトップテン、最後の1月の模試では、480人中の5番でした。この23年、つまりは22年までの指導はいわゆる過去問合格法といわれるものでした。ところが、25年はこれはもう純粋にレジュメ指導による合格でした。竹の会が小学を完全なレジュメ指導に切り替えたのが、24年の指導からでした。それはひとつには過去問合格法でいきなり過去問を解かせたところ全く手も足も出ないというところから、レジュメで導くしかないか、と決断したところからでした。平成19年に指導した子たちが、ひとりとして過去問にまともに答えられなかったことを思い合わせました。24年の指導では、その中から5人中3人の合格者が出ました。うちひとりは小5の9月から小6の10月まで指導した子でしたが、能力の高い子でしたが、過去問合格法が無理と判断したきっかけになった子でした。24年の指導で竹の会のレジュメ指導は完成したと思います。25年の指導では、それまで執筆してきた大量のワード版のレジュメをどうするか、迷いがあり、そのことが26年の失敗につながったのではないかと今は反省するばかりです。

 今日は小石川中等合格の研究と題しました。多くの小石川中等をめざすみなさんにまず言いたいのは、基本をしっかりと固めることです。この時期になると、予備校が「小石川対策」「九段対策」と騒ぎ立てます。過去問類似の問題を作り、受けなければ損みたいな雰囲気を作り上げて親たちを煽るわけです。こういうまやかしに乗って心ここにあらずと追いかけてはいけません。それまでに自分がやってきた勉強をそんなことで無にしてしまってはならない。

 小石川中等対策、いやこれはすべての都立中に言えることですが、要は、徹底して思考力を鍛える、これに尽きます。

 その前にひとつ。計算は完璧にしてください。正確さと速さを信条にしてください。特に、億単位の数の処理、割り算は正確を極めることです。その上でまず「割合」を極めることです。さらには、「単位あたり量」の思考を完璧にしておくことです。そのために十分に時間を費やしてください。できれば小5までにこれらのことを習得してほしいと思います。

 その上で、過去問をやってください。みくにの過去問集で十分です。2007年版から2016年版まで出ていますが、手に入るのは2014、15以降でしょうか。過去問については、玉石混淆ですから、プロの選んだ問題集でもあればベストなのですが、そういうものはありません。少なくとも竹の会で学ぶ子たちについては、その心配はないのですが。竹の会には、都立中高一貫校スタートから現在までの重要な過去問についてはすべて詳しい分析とオリジナルの解答を制作したものが蓄積されていますから。

 小石川中等の合格を可能にするのは、推論を鍛えることです。これが一番の近道です。予備校のまやかし問題をやることではありません。推論能力を鍛えることが一番の近道なのです。そのために役立つのは私立中学の過去問です。そこには無尽蔵の宝ものが埋もれています。発掘して、それに推論による解の道筋をつける、そういう訓練を積むことがいちばんいいのです。

 それから作文を鍛えてください。主張には根拠を必ず示してください。根拠の最たるものは、あなたの具体的体験談です。あなたのです。あなたの級友の体験談ではありません。伝聞は御法度です。

 それから正確な読み取り能力が求められています。国語の読解を鍛えてください。何を云っているのか、わからない、これでは困るのです。わたしは素直さだと思います。世の中を素直に受け止められることが正確な読み取りを可能にします。ひねた子、世の中を斜に見てしまう子、そういう、これまでに不幸な思いを経験してきた子というのはどうも読解ができない傾向があります。特異なこと、突飛なこと、特別なこと、例外的なこと、そういうことに異常に反応する子というのは文章を正確に書かれたとおりに読み取ることができないようです。曇ったメガネ、乱反射するメガネをまとい、自ら曲解する世界に身を置いているような気がします。

 どこまで虚心坦懐に、なんの先入観念もなく、思い込みもなく、素直に、普通の理解ができるかが問われているだけなのです。原則論でいいのです。普通でいいのです。あたりまえのことの理解を求められているのです。定義を訊かれているのです。奇をてらう子は排除される、それがこの試験です。

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