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数学と総合診断医

2015.12.15

 数学は苦手ですか、得意ですか。数学で述べられている内容が理解できますか。まず、数学というのは、仮説の学問です。すべて仮定です。仮定を前提にして理論を組み立てていきます。だからその論理は理解できなければならない。ここでわからないと言われると、これはダメだということになる。数学が特殊というか、算数と違うのは、数学には特別な言語ある、数学はその言語を使って論理を組み立てる、ということだ。数学の言語は、記号言語と言われる。とにかく様々な仮説に名前をつける。名前はすべて記号でつける。数学を解くというのは、この記号言語を論理的に組み合わせて解に至るということだ。

 竹の会では、中学数学の体系をレジュメ化して、数学の仮説を効率よく学べるシステムを作り上げた。平成17年に着手したレジュメ化事業は平成20年にこのレジュメで育ててきた女子が、豊島岡女子、都立西高校に合格することで完成した。高校入試の数学は、大学受験の数学、つまりは高等数学とは似て非なるものである。高校数学というのは、純粋に数学である。三角関数といい、微分といい、数列といい、すべて仮説理論である。だが、高校入試の数学は、限定された範囲での職人芸が求められている。

 入試問題を解くとき、まず問題を読んで、状況を理解する。もちろんこのとき自分の中にある数学の理解から眺める。たいていは定義だ。二次関数と言えば、二次関数の定義から正確にイメージしなければならない。数学の苦手という生徒の大半がこのレベルでこけている。定義と性質を理解することが高校入試の数学で求められていることである。

 入試数学、高校入試であるが、をマスターするのは、いい問題を解くことである。竹の会では、そのためのレジュメとして「高校入試問題撰」がある。問題数は70問ほどであろうか。この解説には高校受験の数学に必要とされる、十分な受験テクニックが網羅されている。このレジュメをマスターした生徒は例外なく数学で高得点をとれるようになる。余談だが、竹の会には英語にもすごいのがある。「入試英語指導案」である。都立なら満点がねらえる。もっとも独自問題ではない。

 今日のテーマは総合診断医と数学であった。総合診断医というのは、原因のわからない病気の原因を探る専門医のことである。患者の訴える症状を積み上げて、総合的な観点から、予想される病名をあげていき、ひとつひとつ検証していき、候補を潰していき、最後に残ったものを疑うという手法である。だから、横断的な知識が要求される。専門バカではだめである。

 数学を解く場面というのが、実は、この総合診断医の判断過程に似ている。数学でも、いろいろと解の道筋をあげる。たいてい、2、3の方法がある。もしかしたら、意に介しなかった方法が実は正解への道筋だったということもよくある。代数的アプローチか、幾何的アプローチか、という選択はよくある。幾何的な方法でもいろいろ選択肢はある。三平方の定理でいくのか、相似でいくのか、もっとほかの何かあるのか、である。代数的方法は計算が難解になりすぎてとれないことが多い。できればすんなりとシンプルに解きたい、という野心もある。

 角度が出てくると、よく騙されるのが、実は、円周角だったということである。だから数学を解くというのは、いろいろな可能性をまずあげてみる、それでその中から選ぶ。これは無理だろう、と思っていた方法が実は正解ということもよくある。

 誤った道筋、迷路に入り込まないようにするには、研ぎ澄まされた感覚が必要である。感覚は問題を解くことで磨く。不可能な見通し、通常ありえない計算が予想される場合、経験上「この方法はない」という場合、その方法はとらないことであるとわたしの経験は教えている。

 数学を解くというのは、総合診断医になりきることかな。

 

 

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