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最低でも都立戸山/エートスという子の縛り/合格する子には何かがある/子をダメにするバカ親の増殖

2016.05.25

 おはようございます。今朝は熱は下がったような、下がらないような、中途半端な状態です。今日は指導日です。準備はすでに終わっています。気温は21℃ですが、今日は厚着をしていきます。少し汗ばむ程度がいいのかと判断しました。

 子どもたちの次の指導レジュメに見落としがないか、中学生を含めて様々なレジュメチェック、夏のレジュメの準備、夏用意する特別テキスト探し、新作レジュメのために読む予定で買い入れた書籍数冊の読破、導入過程にある子たちの状況把握、小数研究、新割合研究、英文読解のための対策、などなど尽きることはありません。

 ethos、エートスという言葉はよく哲学書などを読んでいると多用されています。古代ギリシア語で、アリストテレス倫理学の用法とは離れて、一般には、「同じ行為を何度も繰り返すことによって獲得された、一定の習慣、性格」(三省堂明解国語辞典)のように説明されています。

 「同じ行為を何度も繰り返す」ことが、習慣どころか、性格にまでなる、これは小学生には、特に、母親の行動によって性格が作られるということで、かなり深刻な問題ではないかと思います。

 わたしは塾の先生ですから、子どもが、思考する、そういうことができるようになるか、そういう視点からとらえる、それで、事実、なかなか本物の思考というものを得られないままに、受検に失敗したというような子もいる。そういう子が将来勉強で成功する見通しというのはとてももてないという意味では、子どもが思考力を獲得するかしないかに、母親が大きくかかわり、その母親が子どもをダメにしてしまう、という意味では、ある種の母親というのは子にとって害悪でしかない、そう思っています。

 子に「同じ行為を何度も繰り返」すことを強制し、この強制とは、母親の場合は、精神的強制、つまり無言もしくは有言の威嚇ということなのではないかと思いますが、子を自分の想い描く子に仕上げようとする、その行為が、次第に子どもの性格まで規定する、つまり、母親は自分の偏見で自分の子の性格まで作り上げてしまうのだということです。稽古事、習い事というのは、母親は、「子が好きだから」やっていると言いたいのでしょうけれど、子が上達すれば誉める、喜ぶ、落ち込めば、励ますなどのことをやっていれば、子だって母親が喜ぶ顔を見たいから一生懸命にやっているということだってありうるわけです。母親は自分は子の好きなことをやらせているだけという言うかもしれませんが、それは通りません。すべて母親の望むことを子がやっている、そういうことです。

 さてです。それとして、こうして獲得されたエートスが、思考というものに馴化することの障害となる、そういう事例が多々ある、それが問題なわけです。

 運動部好きな母親は、いったん始めたら放り出してはいけない、という強い教育理念を信条とし、低学年からバスケなどをやらせるわけです。子は子でそういうことが嫌いでもなく母親の信条に見合う行動をとる、母親の自分の子はなんでも身につけておかなければという教育観は、子になんだって習わせる。習字、珠算、水泳などなど。こうなってくると「同じ行為を何度も繰り返す」として、パターンが多岐にわたる。

 さてである。こういう子がさまざまな習い事でそれなりの結果を出していく、そういう優秀な子だと、どうなるか、である。この子は、同じ行為を繰り返すことによって獲得された習慣以外のものはもはや受けつけない、受け入れられない性格になってしまうのではないか、たとえば、それが勉強である。勉強をやらせても、同じ行為を形式的に繰り返すという、リスの回転と同じことしかできない。思考というのは、同じ行為を繰り返すということでは得られない、だからこういう子どもは空回りして、なかなか力がついていかないのである。

 こういう子はまた勉強のスタンスも優等生ならこうやる、できる子ならこうやる、という行為のスタイルばかりを気にして行動する性格を獲得しているから、まともに勉強と向かい合うことはない。傍から見ると、真剣に、真摯に勉強と向かい合っているようにはとても見れない。こういう子は形式的に時間ばかりを勉強の尺度とする。それでも7時間などの実質がなければできない長時間は形式的性格の子には物理的に無理である。

 わたしは常々「合格する子」というのは、何かある、他の子にはない何かがある、と感じてきた。27年桜修館合格の女子はどうであったろうか。まず彼女を見ていると、勉強するという生活習慣に一切のブレがない、ことであった。それは、心のバランスの優れていたこと、情緒の安定の秀逸であったことを思い合わせて、大人の人間というものを感じさせた。 落ちる子というのは、考えが狭い、構えている、マイナーなところにこだわる、幼児性が強い、などまだ完成されていない、どこかで心がねじれている、バランスとか、安定というものに欠けるということではないか、と思う。もちろんこれは一般論であって、そういう人が必ず受かり、そうでない人が必ず落ちるなどということではない。確率論である。勉強ができないこと、思うように進められないことに悩みながらも、粘り強く解き直しなどの努力を人の何倍も重ねて、合格したいという強い信念を貫き通す、という人もいる。ただこういう人も結局は情緒は安定し、いいバランスをもつにいたる、ということはいえそうである。

 受かる子というのは、やはり大人なのかな、と思う。大人を感じさせる、そういう子なのかな、と思う。子どもぽっいというのは負の要因なのかなと思う。こちらがうなるほどの大人を感じさせる子というのが結局受検では成功する、そういうことになりそうだ。そうなると一般に、いつまでも幼い、大人になりきれない男子というのは、その中で大人を感じさせるほどの子が抜けていく、ということになりそうである。

 ◎最低でも都立戸山

 中学に入学してもう2か月になります。早いものです。中1のみなさんは、これからできる限りの早く中学2年までに履修する事項を、いや数学と英語でいいのですが、終わらせることに全力を集中しなければなりません。都立戸山を想定すれば、中2の7月まで、都立西を想定すれば、中2の4月あたりでしょうか。これはできる限り効率よく進めなければならない。無駄な努力を一切排除し必要なことだけを学んでいかなければならない。これは、中3の履修事項を基本的な入試問題をこなしながら習得していく過程として、中2の期間を規定するからです。中3になったら何をするのか、ということがあります。もちろん入試問題の上級レベルをこなすことです。ただそうとしても中3の時にそのための時間が十分にあるわけではありません。中3の、5月は中間テスト、6月は期末テスト、二期制なら9月、11月でしょうか。3学期制なら、10月、11月でしょうか。定期試験は内申を左右しますから、軽視できません。だからといってそのために3週間も前から準備をすれば受験勉強する時間はそれだけ減るから、志望校に合格する可能性は確実に減っていく。VもぎやW合格もぎが本格化かるのは、8月末あたりから、月に最低1回は受けることになるから、これも日程として計算しておかなければならない。純粋に受験勉強できるのは、7月後半から8月、12月、1月と2月の前半のみということになる。つまり、中3でやれる時間は少ないかに見える。ただ定期試験のために3週間も費やすなどのことをしなければ受験勉強の時間も大幅に増やすこともできる。要は戦略である。

 中3という貴重な期間、時間をどう使うか、これは考えどころである。定期試験の準備に使うのは、1週間が理想、もちろん受験を基準にした理想であはあるけれど譲歩しても2週間か、3週間はまずい。

 さてそれとして、ますます中2の時期というものが、どれほど大切な時間なのかということがわかってくると思います。そして当然に中1の時間の過ごし方も規定されてくる。中1のみなさんは、今年の年末を越せば、もう中2,そしてその年の年末を越せば中3です。あなたたちがずっと先のことと考えているとしたら、それは大きな間違いです。錯覚です。中3になったらもう遅いのです。いやそれまでにやるべきことをやっていなかったらということです。中1だと、「正負の数」、「文字式」、「1次方程式」「関数」「平面図形」「空間図形」「立体」です。竹の会のもっとも進んだ中1はすでにこのすべてを終わらせています。中2だと、「文字式」「不等式」「連立方程式」「1次関数」「角度」「図形の証明」などです。一気に終わらせることです。目標は、入試問題を解けるほどのステージに持っていくことです。そこから訓練がようやく始まるのです。この時期を早くする、そういうことです。数学だけ例に出しましたが、英語は英語で道のりは険しい。いずれ入試長文を20分以内で読み下し問いに答えるまでにならなければならない。そういう域に達するために今この時期にいろいろとやってもらっている。単語の暗記然り、文法の訓練然り、です。竹の会には英語を完成域まで持っていく手順というものがある。早くに、竹の会の定番テキスト「新英語指導案」にたどりつくことを祈っている。今年の冬にはそういう段階、つまり「新英語指導案」にまで到達して欲しい。

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 「新英語指導案」は、かつてこの1冊だけで都立富士高校に合格した部活女子がいたほどすぐれた珠玉の1冊です。もちろん竹の会のみなさんはさらに上をめざしてもらいます。

 英文解釈をどこまでやりきれるか、これが入試英語突破の鍵です。そう考えると、英語だってうかうかしておれないでしょ。今、中1のみなさんは、英語については、かなりのんびりしているのではないか。進められれば前へ前へと進める、これが受験に向けて、都立戸山、最低でも都立戸山に向けての、道です。

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