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中学受験 高校受験 受験相談 渋谷で創立30年

竹の会渋谷Aクラス募集中/子をダメにする母親たち/都立高校から旧帝大一直線/結局3年型都立高校の優位は変わらず

2017.04.10

 おはようございます。連日はっきりとしないぐずついた天気が続いております。桜は一瞬にして終わり心は5月、そして夏へと飛んでおります。小6を如何にして合格レベルにもっていくか、そのことばかりに心を砕いております。なお、5月の最初の第1週(1日~6日)はお休みとなっています。また、夏休みの予定につきましては、ほぼ案ができあがっており、希望者には順次配布中です。ただし、これから若干の手直しはあるかと思います。夏は、AからB、BからAの振り替えができません。また、お盆もしっかりと予定が入っています。夏は基本回数10回にサービス回数2回という構成になっておりますが、もともと基本とされてきた10回も本来の基本回数8回にプラス2回としてきたものです。ですから、実質4回のサービス回があり、4回までは休んでももとがとれるという想定です。お盆にまとめてお休みされるのはもちろんかまいません。ただその振り替えというものはありませんのでご承知ください。

 中2も夏からはいよいよ本格的に高校受験指導に入ることになります。今はその準備段階として、英語では関係代名詞、数学では、中2数学全般を少なくとも7月を目処に終わらせるべく、指示しております。時間のある夏に所定の英文解釈を終わらせることがなによりも優先課題です。また高校受験に向けた理科社会もスタートです。

 高校受験の中3については、正直数学も英語も遅れがちです。本来中2に終わらせておくべき英解テキスト、入試数学の基本を今やっている段階です。遅れれば遅れるほど受験には厳しい局面がいずれ目の前に突きつけられるでしょう。中3のみなさんは一日5時間では足りず、希望は7時間です。

 作家の佐藤優は、「結局のところ、勉強時間の総量が多いほど、初級から中級段階の学力や知識を身につけることができる」と言っておりますが、この人の意見は不思議とわたしの考えと一致しております。同志社大学の神学部出身の元外交官ですが、耳慣れぬ神学部というのが実は秀才の集まりだということも佐藤優の本から知ることができました。ロシア語ペラペラの氏の語学学習の体験談も興味深く読ませていただきました。氏が実は勉強の達人であったのだということも氏の著書を通して知ることができました。

 なぜ試験に落ちるのか。これはまず勉強の絶対量というか、総量というものが絶対的に不足している、足りないからです。小学生であれば、習い事、稽古事、家族旅行その他でどんどん時間を喰っているということです。中学生も似たようなものですが、公然と罷り通っているのが部活です。もっとも桜修館から京大に合格した杉山太一君は吹奏楽部を高3の秋まで副部長として続けたということですから、稀に見る逸材ということです。普通の能力の人は結局勉強時間の総量が足りないから落ちる、そういうことです。

 なぜ落ちるのか、これは母親がほとんど原因といっていい。たまに父親ということもあるが、子どもと常に密着している母親のもたらす害がそうさせるということはわたしにはわかりきったことです。合格する子の母親というのは、寡黙です。ほとんど口を出さない。ただ子どもを後ろからじっと見守っている、そういう母親像というのが成功する子の母親です。子どもが落ち込んだときは一緒に泣く、そういう母親です。もう100%失敗する母親、たまには父親というのは、要するにクレーマー型、モンスター型なんです。なんやかやと文句ばっかり言ってくる。これで子どもが過保護だともう終わっています。がまんの利かない子の言うことを何の疑いもなく額面通りに受け取りクレーマー活動するわけです。

 そもそも成功するには、素直にしたがうということが絶対前提なのです。鰯の頭も信心からと言いますが、信じる者こそ救われるということです。宮大工の職人なんかは、師匠は何も教えない、弟子はただ師匠の姿を見て技を「盗む」、それでも師匠を信じて十年、二十年とがんばっていく、気がついたら自分も名人と言われるまでになっていた、そういうことです。この先生と決めたなら、もう先生の言うことは100%素直にしたがって実行する、母親はそれをじっと見守るだけ、そういう子が奇跡を起こすのです。竹の会でも平成10年に早稲田実業高校に合格した鈴木君のお母さんの体験談が掲載されていますが、まさにそのとおりの母親像でした。わたしの記憶に残る母親象は、平成27年に桜修館に合格した女子のお母さまでした。「わたしはなにもわからないから」と決して表に出ない。ただひたすら娘の勉強する姿を遠くから見つめているだけ、生活面で細かく気を配るだけ。娘がインフルで竹の会を休むことになり、涙を流せばいっしょに泣いた。それで娘のために竹の会にその日のレジュメだけでもともらいにくる。

 総じて多弁な母親、父親の子は失敗する、ことになっています。わたしはそのような母親ならいくらでも見てきました。自分の子どもに特別な子意識を吹き込んだ母親というのは、これはいけない。子どもを破滅させるリスクが高い。傷つけられることに極端に敏感で自分が試される局面に立たされることを常に回避するように行動し「逃げる」習性から逃れられなくなる。

 佐藤優は、勉強報告に関連して、「学習報告ではウソをつくな」ということを言っている。竹の会では、問題をなんらかの方法で答えを手に入れて出すということがよくありまして、こういう子が伸びるはずもないのですが、子どもにはそれがわからない。とにかくマルをもらって先へ進むとか、誉められるということが価値になっている。ウソをつくと何がいけないか、と言えば、ウソの勉強報告では、成績や成果が、正の相関関係として表れないからです。つまり正確に力がつかめない。虚像です。勉強しているのにできないという場合、勉強しているというところがたいていはウソのはずです。親はバカだからすぐ子の言うことを真に受ける。子は真の理由は隠してもっともらしい理由を言う天才です。

 佐藤優は「間違えた勉強の仕方は絶対にしてはダメです」と言っていますが、初心者なのにいきなり金融工学の本を読むという例をあげていますが、英語を始めたばかりなのに、Z会の受験参考書をやる、というのも同じです。それよりも単語をひとつでも覚えろということです。

 この「覚える」ということでも佐藤の主張はわたしの意見と全く同じです。

 佐藤は「ベタな暗記」というのが勉強の本質と言っています。「文脈とか、脈絡で覚えて行くんじゃなくて、ベタに記憶して行く。短時間で覚えて、それをすぐに復元してみる。それを何回かやると、記憶は完全に定着する。ただ見るだけでもいいし、手を使って鉛筆で書いてみてもいい。とにかく、いろんなやり方を試して、自分にあった方法を身につける」ことだ、と。

 竹の会では新中1には、ベタな暗記を指示しています。500語一気に覚えてしまえ、というわけです。これはこれまでの眠っていた頭を暗記脳を目覚めさせる訓練という意味がある。覚えるということを自分で確立させる過程をまず作り上げろということである。佐藤の言うようにまず暗記する、そしたらすぐに思い出してみる。かつて平成2年に獨協中学に合格した男子が、竹の会で最初にこの単語暗記を指示されたときは、わら半紙に日本語と英語を対比させたリストを書き、わら半紙を折り曲げて、英語を隠し、日本語を見て想い出す練習をしていたのを見て、おもわず微笑んだことがありました。

 年表の暗記なんか、今では、語呂合わせで覚えるのが楽であるが、なんでこんなもの覚えるのか、というバカが必ずいる。これには佐藤優はまたいいことを言っている。「事が起きる前と後では質が変わってしまう」からだ、と述べている。年表というのは時系列表であり、流れていく時間というものがあり、それをある時点で輪切りにしたのが、年表ということである。その前と後では「質が変わる」からその年は覚えておかねばならない、というのである。そうすると「どう質が変わったのか」と考える。そこから考える契機も生まれてくるわけで、暗記科目というのは、単なる知識が「質の転換」をさえ生ずるものであるという驚きから疑問を持つにいたる、つまり意味を考えるという面白さがある。これには、時間のとらえかたというのも関係する。西洋というのは、時間を直線でとらえるけれど、日本人は円環でとらえる。特に、農耕民というのはこの円環的な見方をする。ところがキリスト教は直線的なとらえかたをするというのである。このへんはこれから思考を煮詰めていかねばなるまい。

 話しは変わるが、わたしは大学受験のときに、単語1万語以上を3か月で完全に暗記した。そのときに使った方法が語呂合わせだった。わたしは自分で語呂合わせを考えて赤尾の豆単に書きこんでいったが、最近わたしのとった方法を絵と語呂で書籍化した本を見つけた。約1900語すべてに語呂をつけている。これはいい。中学生の諸君なら夏休みまでにこれを使えばあっという間に覚えてしまうだろう。関心がある竹の会の親御さんにはこっそりと書名を教えますので、是非買って試してみてください。独自校英語ならこれで完璧でしょ。なにしろこの本は大学受験やTOEICの高得点をねらった本なのですから、高校受験のずっと先も視野に入れています。1500円ほどですが、きっと安くて感謝の買い物になります。

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