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中学受験の誤解

2022.10.03

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中学受験の誤解
 大手塾に行って力をつけて志望の高偏差値の学校に合格できると信じている、親子が大多数いるから大手塾は儲かる。
 誤解の最たるものが、国語なのかもしれない。算数については、さすがの親たちも持って生まれた能力が結局は決めるのだろうということを渋々認めるしかない。いずれ認めるしかない。直前まで認めない親もいるかもしれない。しかし、不合格が現実を突きつける。
 さて親というのは「うちの子を開成に入れよう」と自分のDNAと関係なく決める。子も子で学校見学ショックで頭がお花畑となり「開成に行きたい」などと宣う。小3あるいは小4から塾に通わせれば「受かる」と信じているところが、新興宗教の信者なみなのだが、物事の現実を直視できないというのが致命的である。物事の現実とは自分の子の正味の才能である。塾のカリキュラム通りに頑張れば、今悪くてもいずれは努力が報われて偏差値が上がり、志望校に入れる、と信じて疑わない。塾のパンフレットを読んで、美味しそうな話しばかりを聞かされて、洗脳されたとは言え、大手をそこまで信頼できるのかと、あるいは親が凡人なのに自分の子は特別だとなぜに簡単に短絡できるのか、正直わたしの理解を超える。
 筑駒にしても開成にしても、小6にして、進学トップの公立高校の高3が解く国語の問題を解けるほどの才のある者の中から選抜するのである。頑張って努力してそうなると考えているとしたらあまりにも無知か、牧歌的な頭だ。そう考える程度の頭が実は証明していることなのだが。
 まあ、現実は甘くないから、中学受験の大多数は、志望の中学に入れることはない。よくて第二志望、そのほとんどが第三志望以下の中学に甘んじることになる。嘘だと思うなら聞いてみたらいい。「第一志望でしたか」と。「実は、・・・」というのが、ほとんどであろう。中学受験の現実は、そのほとんどが第一志望を失敗した子たちで溢れかえることであろう。

 大手の現実がそうであってもだれも失敗したからといって大手にクレームを持ち込む、非常識な人間はいない。不満はあったとしてもせいぜいママ友内の批判で終わる。失敗する親というのは、子の本当の能力を過大評価していることもそうだが、自分の子のことを実は何も知らないのだ。親の想い描いた虚構の世界に自分の子を置くのだ。

 中学受験難関私立の合否を決めているのは、大手の力でもなんでもない。持って生まれた算数の才であり、その才能ゆえに幼き頃より培われてきた文章を読み解く才である。もとが並みなのに訓練すればなんとかなる、と考える思考が、ご都合よろし過ぎる。そこには、自分の子だけは特別だ! 大手塾でできる子たちの中に入って努力すれば自分の子も成功すると確信する、不思議な根拠がある。なんとも虫のいい、そしてあまりにも一方的で、偏った思考をする。
 こういう曖昧な見通しを持った親ばかりだから、天才が出したに過ぎない実績を見せられて、「うちの子も」ともう受かったような気分になり、親子でのりのりに通うのだろう。本質が見えていないから、確実にやってくる不合格をなかなか受け入れられない。心はボロボロで公立中に進み抜け殻のような十代を送るのか、第二志望、第三志望に進んで失意の学園生活を送るのか、もしかしたらそこでも落ちこぼれて(才能がもともとなければ落ちこぼれることもある)、人生に絶望するのか。

 もちろんすべてが絶望の中に埋没するのではない。竹の会には、都立高校に失敗して、3年後早稲田大学に合格したという不屈の精神を持った努力家もいた。都立中受検に失敗して、都立日比谷、都立戸山などに進み、一橋大、東北大、早稲田大、慶應大などに進んだ卒業生もたくさんいる。ただこれは竹の会のことで、大手の子たちの情報は一切ない。

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