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慶應女子の国語、桜修館の国語、国語の苦手な人のための耳よりな情報

2023.05.04

⭕️「要約する力」こそすべての学力の正体
 石原千秋著「秘伝 大学入試の国語」から〜
 現代文は、評論と小説に分けられる。石原によると、実は小説の方が出しやすいのだと言う。

 「小説問題においては,具体性を保持しながらも適度に抽象化された「物語文」を作り,それを参照することが最良の「読解」方法となる。また,自由に読むことができる小説問題では,消去法はあまり有効ではない。したがって,受験技術で得点が飛躍的に伸びることが期待できないので,「読解力を試す入試国語としては評論文よりも有効であると判断できる。」

 「学校空間への適応力を計る入試国語としも評論問題よりもすぐれている」

 技術的なことを言うと、評論の場合は、消去法が使えるが、小説ではほとんど使えないのだと説いている。
 それでは、小説の場合、評論における二項対立のように使えるものがないのか、ですが、石原は、小説では、「物語」が基準となる、といいます。「物語」とは、何か、と言いますと、石原の言葉を「要は…」で言いかえますと、「小説の要約」と言うことなのではないか、と思います。要約と言っても、小説のあらすじ、しかも一文で言い表せる程度です。要約というのは、いくらでも短くできます。具体的にどうやるか、という話しなのですが、「要は、どこまで抽象化するか」ということなのです。例えば、「主人公が、最初は挫折するが、苦難の末、周りの人の力もあって、成功する物語だ」、でいいのです。石原はこれを「物語文」と呼んでいるのだ。石原は、物語の内容は古い道徳感でなければならない、と言います。それが学校空間の規範だからです。郷に入っては郷に従え❗️ つまり、学校空間の中では学校空間が正しいとする世界に従いなさい、ということです。つまり、例えば,制服反対とか、やってはいけないのです。

 わかりやすく言えば,小説問題のこつは,世間の平均値が正解となる。ということです。

 受験国語では,石原によると,必要なのは,「前後の文脈を正確に二項対立に図式化する二項対立整理能力であり,もうひとつは,本文の言葉を別のレベルの言葉に置き換える翻訳能力である」と言うことになる。

 「後者は「抽象化能力」とでもよばれるべき能力に近似している。ここで言う「抽象化能力」とは,複数の具体的な事例から共通する性質を読み取り,それらを抽象化して一つの言葉にまとめあげる能力のことである。」

 しかし,石原は,選択肢問題の宿命として,「消去法」を正しく使えることが,選択肢問題の国語力なのである、と言い切る。

 具体的には,消去法は,本文と選択肢との対応関係を正確に把握するだけで,正解にたどりつける、とする。それを助けるのが,二項対立の図式を使った情報処理なのだ、と言う。

 さて,具体的に,わたしが早稲田大学の問題を解いてみて,そのときに用いた方法を開示してみる。

 二項対立で問題を読み解く。この時、対立する概念をAとBで分ける。対立する概念を〈 〉で囲み、AならA、BならBと振る。要するに、一目瞭然としておく。後で読み返さなくていいようにしておくということです。これは、わたしの思いつきです。
 二項対立による判断においては、消去法が、有効とされていますが、実際に、わたしが、早稲田大学や上智大学の現代文を解いてみた感想を言えば、記号を振って、分けていきながら、読むだけで、内容の大意はとれたように思います。また選択肢問題も一問も落とすことなく取れました。
 国語というのは、要約力だと言われます。国語の勉強とは、要するに、要約する力をつけることだ、ということです。漢字を覚え、語彙力をつけるのも、文章の内容、意味を正確に把握するためです。要約力というと,何か話しは難しくなりますが,二項対立を図式化し,つまり対比をすることで論点を浮き上がらせ,抽象的な記述を翻訳し,「要は,こういうことだ」「要するにこういうことなのだろう」と一言で言い切ってしまえばいいのです。

 要約とは何か。これはこれから草枕でさらに追究していかなければと思います。実は,理科の教科書,社会の教科書を読むときも,要約力がすなわち理解力だということなのです。勉強するときに、「ここは要約すると,こうなる」などと勉強していくのがいいのです。あなたたちが要約の達人となったとき,あなたたちは,勉強に新境地を見つけたことになるはずです。
 

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