画像
中学受験 高校受験 受験相談 渋谷で創立30年

抽象化の技術

2022.05.13

 

抽象化の技術
 上位概念に遡る
 定義は抽象化された、思考の柱
 曖昧なところは答えられない
 概念の定義
 成立要件
 成立を阻害するもの
 一見成り立つようで、実は成り立たない

 これは、覚えられない、と思ったとき、暗記の方法を考える人、たとえば、語呂合わせを考える。名作にこだわる人もいる。それはいいとしても、もはや違う道である。暗記道。
 私は、少し、違う道を考えている。もちろんまず理解することは同じである。理解すれば頭に入りやすくなるのは、無意味な知識ほど頭に入らない、残らないということであるから。
 それが今私が盛んに研究している、抽象化による非暗記法である。
 抽象化というのは、簡単に言えば、共通点の抽出である。これは、言い換えれば、より上位の包摂概念への昇華ということであろうかと思う。
 より上位の概念定義趣旨で掴む。これは暗記事項を推測して判断する、ということである、かつて中3男子に、理科社会のテキストをただ読んでいるだけなのに、悪くて80点を普通に取る生徒がいた。都立の過去問である。対照的にテキストに線をひき、もう色だらけ、テキストもボロボロ、そういう生徒がいた。彼は理科社会がどうしても60点前後。これはどうしたことか。あの当時は私もわからなくて、本人に聞いてみた。すると、「だいたいこれかなと推測したらたいてい当たっている」と言うのだ。都立の理社は80%が選択問題だからだいたいでもいけるのか。その彼は不登校時でオール1、だから都立は鷺宮クラスでも450点以上取らなければダメだった。もちろん500点満点である。彼は受かった、高校も竹の会に通って、結局、鷺宮で開校以来の、千葉大学工学部と東京理科大学に合格した。もう一人の方は、最後は理社も帳尻を合わせ、新宿高校から東京学芸大に進み、現在は、都内の小学校の教師になっている。実は、その兄も竹の会出身で新宿から学芸大、教師の道に進んでいる。その妹は、新宿高校、一番下の弟は、駒場だつたが、その後学芸大へ進んだと聞いている。竹の会では有名な四兄弟である。男は顔が皆同じで区別できない。なお在籍していたのが、同時ということはなく、一人が卒業したら、次が待っていて、すぐ来る、という具合であった。
 話は、横道にそれたが、抽象化というのは、工夫次第で、脳を大きく飛躍させる、のではないか。
 私自身が、今、抽象化の思想をレジュメに示していくことに力をいれている。とにかく、理科、特に、社会ができない生徒を多く見てきた。重要問題を押さえていけば比較的点が取れるようになる理科と違って、社会は、重要問題に絞るということが性質上できない科目である。全般にわたって多岐に渡るから。開成や筑駒になると、覚える知識も多い。社会こそ知識の抽象化が求められる。比較する共通点を探す。つまり、抽象化する。こうして、勉強の効率性は、共通点を探すことにあることがわかる。
 勉強の骨休みに、語呂合わせの名作を考えるのも楽しい。羅列知識は、頭文字をつないで意味ある文にする、のがうまいやり方である。似たものは、比較して、語呂にする。面白い語呂ほど覚えやすい。

国語の解き方第5回講義 段落について(1)

 論説文における「題名」は、本文の凝縮された要約である。だから本文を読む前に、本仏の末尾にそれとなく書かれている題名には注意を払いましょう。そして本文を読むときは、特に、疑問のところが出てきたら、題名と結びつけて、想像することが読取りを助けることになります。

 ただし、小説や随筆の題名は、恣意的につけられているので、本文の核心とは関係はありません。

 ◎段落の重要性

  段落には形式的な段落と意味段落があります。連続する形式段落をまとめて意味段落と呼びます。形式段落とは、書き出しが一マス下がっているところから見つけられます。

  まず、①一段落は、一つの意見ないし話題のかたまりのことです。

  段落をなんとなく分けられていると勘違いしている人がいますが、筆者が「話しが変わったかな」と思ったところで段落が変わります。筆者は、「また」で連続する、二つの具体例を一つの段落に収めたり、段落を変えて別々に書いたりしますから、筆者の気分で変わります。だから問題はそういうところではなく、どうしたら各段落から「意見・話題」を見つけられるか、です。これは段落の要旨を見つける、ということですが、つまり、「意見や話題が書かれた一番大事な文」を探すことです。それは、言いかえれば、もっとも抽象度の高い文ということになります。この抽象文を見つけるにはどうすればいいのか。それには段落の構造を知っていることです。段落というのは、話題提示(抽象)→説明(具体)→話題のまとめ(抽象) という構造になっています。実は。英語がまるでこの構造なのです。一つ一つの段落には、そのような決まった構造があるということです。ただし、これは原則です。いつも、抽象→具体→抽象 となるのではなくて、変化があります。「抽象→具体」となるものもあれば、「具体→抽象」もあるということです。もうおわかりかと思いますが、「意見や話題が書かれた一番大事な文」は、各段落の初めか終わりにあるということです。

 

ページトップへ