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日比谷を誤解するオール5の優等生

2023.04.17

 

日比谷を誤解するオール5の優等生
 日比谷に行ったから、東大に受かるのではない。もともと頭がいいから日比谷に行った生徒が東大に受かっているだけだ❗️
 日比谷に入りさえすれば、東大に受かる授業をしてもらえる、ノウハウを教えてもらえる、そんな風に信じている親や子が本当にいるのだとしたら、なんともおめでたい親子である。
 日比谷の実績を作っているのは、難関私立、すなわち慶應系、早稲田系、慶應女子に受かった受験生、開成に受かったのに日比谷を選んだ受験生、そしてこれらの学校に惜しくも落ちた受験生、そういった人たちです。かなりの数の、東大狙いの生徒が、集合する、と見ていいでしょう。そういう中に、難関校を受けるために進学塾に通うでもなく、ただ学校の成績だけを取って内申を5でそろえただけの優等生が突然覇を競うとどうなるか、想像に難くないでしょう。
 ただ高校というのは、それほど単純ではない。上は一応のモデルです。わたしは進学校でしたが、そういう難関受験という環境はなかったのですが、すると中学のとき、学年トップの人は相変わらず高校でも上位にある。また、頭のいい奴でも高校という、いや進学校という、中学のように親切な授業をするのではなくどんどん先へ進めていく形式には馴染まない生徒もいて、中学のように授業についていってさえいればよかったという牧歌的な勉強では当然落ちこぼれていきます。また、逆に、中学時代目立たなかったがコツコツ努力を続けていく生徒が気がついたら上位にいた、ということも普通にあったのです。これは、昭和の頃の中学の内申制度が関係している。当時は今のような内申のつけ方はしていなかった。徹底して科目の得点のみで評価していた。提出物とか、生徒会活動とか、部活動を内申の加点材料にはしなかった。だから定期テストで点がよければ5が取れたし、入試に内申点が考慮されることもなかったのだ。つまり、内申と実力がほぼ一致していた。「ほぼ」というのは、贔屓その他の事情がやはりあったからだ。わたしの中3のときの担任は英語の教師でしたが、わたしに5をくれたことがなかった。中2までは5でした。なぜか。その先生は自宅のアパートで内職として英語塾をやっていた。わたしのクラスにも数人が通っていた。いつか級友の一人が試験前に読んでいた英語プリントを見て驚いた。定期試験の問題とほぼ同じだったのだ。それで級友たちは実力テストではわたしよりずっと悪いのに、定期テストだけはいい点を取っていたのだ。わたしは5科中英語だけが4で、他はすべて5、なんとも理不尽な話しだと思った。
 日比谷の場合、その環境は、難関私立に合格した生徒が大量に、つまり定員320人の中に雪崩れ込んで来る、といった事情が加わります。さらに、首都圏ということで東大を狙う意識が高く、鮮明です。
 学校の優等生、それは中学程度の授業ならきちんとこなせる生徒、先生の言うことをきちんと守り従う生徒、提出物を決していい加減にしない生徒、学校行事に協力的であり積極的に参加する生徒、生徒会活動に積極的に関与する生徒、そういう生徒は当然内申もいいわけです。オール5なんて生徒もいます。そうなると親は「日比谷でも受けたら」なんて言うわけです。子も満更でもない。それで日比谷の推薦を受けるということになる。受かれば地獄が待っているとも知らず。また日比谷推薦落ちたら、日比谷の一般かというとそうはならないのが、現実です。なにしろ実力なんてないのですから。それはVもぎなんかでわかっている。それでたいてい格を下げる。それなら格下の戸山、青山あたりになるのかというとそれが違う。もっと下です。三田でもない。安心するには目黒、広尾あたり。それくらい内申オール5というのは実力がない。経済的都合から私立は絶対ないという前提ですから、確実なところを探すとそのあたりに落ち着く。

 今の内申制度は、生徒の実力を現していないのです。つまり、実力のない生徒を過大に評価して、進学重点校にも入れるようにする制度です。高校が実力世界、いや大学入試が実力世界だとしたら、そういう人が潰されるのは最初からわかっていたことです。もっとも早慶を始めとする私大の定員の半数は推薦・AO入試などで占められています。つまり、実力がない者でもチャンスはあると言えばある。しかし、推薦でも指定校推薦は、実力で取った内申で決まるが、それにしても一般入試の生徒に実力では勝たないでしょう。

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