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中学受験 高校受験 受験相談 渋谷で創立30年

時間の節約と迂路の回避

2022.05.10

竹の会通信2022.05.17

 今日は1年ぶりに武蔵村山にある病院まで2年前に手術したところの検査に行ってまいりました。おかげで朝からいつもやる課題の添削はできませんでした。午前中と土曜に頑張ります。朝5時起きで8時過ぎには着くように行きました。自分の体と相談しながら塾をやっているのだといつも思っています。あるお母さまにいただいたメールには。「こうやって、毎年先生とお祝いできて、ありがたい限りです。立派な紅白饅頭も今年も頂戴いたしましてありがとうございました。家族みんなで、竹の会に感謝しつついただきたいと思っております」とありました。ほんとうに私もまた紅白饅頭の季節がやってきて、また1年頑張れたと思うことしきりです。できれば竹の会をいつまでも続けたい。神様にそう願うばかりです。今年は、東北大に進んだ女子から、仙台のお菓子が送られてきました。「竹の会渋谷教室十周年」とありました。あの子は小2の頃に竹の会にお母さんに連れられてトコトコと歩いてきた、かわいらしい子でした。小3から来て、小6の頃には「わからない」と目に涙をためて持ってきました。白鷗は補欠10番でダメでした。それから宝仙に行って6年後に東北大に受かったとうれしそうに私に報告にきました。あの子が竹の会の十周年を覚えていてくれて、おどろきましたが、あの子にはあの頃の思いがずっとあったのかもしれません。

 竹の会の10年を喜んでお祝いしてくださるお母さまたちにも感謝感謝です。わたしもなんとか体を大切にして指導を続けられるように頑張らなければと思います。

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 竹の会を信頼して子どもさんを預けてくださる親御様たちに心より感謝申し上げます。

 

◎時間の節約と迂路の回避
 試験というのは、目的とする試験が難関になればなるほど、そのためにやらなければならない量が、多くなるから、畢竟(ひっきょう)如何(いか)にして時間の節約をするか、迂路を避けるか、にその成否がかかる。今は昔と違い、司法試験も法科大学院に行くことが、もっとも確実な方法となった。かつての合格率4%時代から、今は80%時代になった。医師は、大学の医学部に入ることがすなわち医師のほぼ確定になる。医師国家試験は、90%前後の合格率だからである。こうなると残された難関試験は、公認会計士試験ということか。これにも実は抜け道があって、通称アカスク、会計大学院に行くと、少なくとも一次試験の科目に免除がある。
 難関試験が、予備校を進化させた。かつてのように学者の著した分厚い基本書を読む者は今ではほとんどいなくなった。予備校が要領よくまとめたテキストを使ってやる。しかし、それでも分厚いテキストを二十冊はやらなければならない。
 ほとんどが予備校を利用するだろうから、その費用は膨大だ。
 時間の節約と迂路の回避とは、難関試験を志せばどうしても考えなければならない問題である。
 そもそも予備校の言われるままに、買わされたテキストを信じてやっていいのか、予備校もLEC、Wセミナー、辰巳、伊藤塾などの大手のほか、十指に余るほどが鎬を削っているのが実際である。テキストもみなそれぞれの予備校が付加価値をつけることに暇ない。さて、どうするか。
 私は高校受験が、専門だが、指導家としての立場から、大手のテキストの分析をしてきたから、よくわかる。大学受験と違い、難関高校は、決して大手塾の専売ではない。いやわたしは早くから大手に内在する限界を見抜いていた。私なら大手に通う天才たちを、牛蒡抜きにできる、そういう子を育てられる、ずっと胸に秘めていたことであった。
 これと資格試験を比較するのは、無理がある。資格試験は、過去問から何度も出ているからである。予備校のテキストも試験に特化して横並びに凌ぎを削っている。基本六法については、学者の体系書も多い。不思議なのは、不動産登記法と商業登記法に、学者の本がほとんどないことである。まともな本がない、ことである。学者が手をつけない分野とも言える。ただ法務省民事局第四課の出す実務書には優れた名著が多い。
 だから予備校の独壇場である。しかし、研究者でもない合格者が資格者となった途端に、平気で民法やら刑法などなんでも本として書いているのは奇異なことである。研究者ではないから深みがない。テレビに出てくる弁護士が前の晩に調べてきたことを披露するのに似た、なにか信じ切れない、底の浅さが隠しきれない。ただ試験には便利なのだろう、が使えない、わたしには無理である。
 あの天才山口真由さんの本には、自分の勉強法について書いたものが少なくとも三冊はある。
 わたしもすべて読んだ。共感したことが、一つあった。基本書は一冊だけにする、7回繰り返して読むためには、一冊が限界という理由だ。さらに彼女は、学者の本は読まない。予備校の本を選ぶ。特筆すべきは、本に線を引かない、印もつけない。ただひたすら読むだけということだ。確かに、司法試験なら予備校の本もいいものがある。線を引くか引かないか、これは司法試験1番合格者が、「私は線を引く、しかもマーカーで」と書いていたが、好みの問題になる。今の私はどちらかというと山口真由さん派なのかもしれない。この人は、兎に角一冊に絞る、それをひたすら7回読む、という実にシンプルな方法である。一冊に絞る理由が7回読むという鉄則からの必然となる。この思考は重要である。いやこの揺るぎない鉄則が、様々な邪念を振り払い、迷いを吹き飛ばす。それに線を引くことに気をとられているとその間は「読んでいない」わけである。
 山口真由さんに学ぶのはただ一つここかもしれない。
 迷わないことが、試験に成功する秘訣なのである。 
 ここで出てくるのが、時間の節約と迂路の回避という、鉄則である。難関試験では、「やらなくて済ます」ところ、簡単に済ますところ、で時間の節約をするのが、こつである。
 価値の低い知識はカットする。
 満遍なく網羅的にやることだけは、避けなければならない。
 すべては、一冊主義から、一冊主義を基準にして、判断しなければならない。一冊しかやれないのであるから。

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