画像
中学受験 高校受験 受験相談 渋谷で創立30年

都立上位校(日比谷・西・国立・戸山・青山・新宿・小山台)合格のために〜V模擬の研究

2023.02.23

都立上位校合格のために〜V模擬の研究

  日比谷・西・国立・戸山・青山・新宿・小山台への道
第1 Vもぎデータの読み取り方 
 都立入試の模試では、VもぎとW合格もぎが定番である。いずれもかつては業者テストとして、都内の中学校で実施されていたものである。学校から追放されて、今は、塾経由で実施されるのがほとんどである。Vもぎを採用するか、Wもぎを採用するかは、各塾の自由である。例えば、都立文京を受ける生徒が、両方の模試を利用した場合、どうなるか。合格基準点が異なるからである。2つに分散している弊害はほかにもある。文京を志望する生徒たちが、2つの模試に分散すると、データの母数に疑義が生じるからである。

 模試には、量の問題と質の問題がある。母数が多ければ多いほど信用できる。また大手塾がWもぎを採用すれば、難関私立志望者を多数かかえることから、必然偏差値の水準も高くなる。これが質の問題である。Vもぎは、比較的個人塾が多いとされています。大手進学塾では、サピックスがV模擬を、早稲アカがW模擬を、採用していると聞いたことがあります。
 いずれにしても、VもぎとWもぎの合格基準点がかなり違うということは、事実であり、Wの方がかなり高いのです。この点は、かつてそれぞれの担当者に質問したことがあるのですが、明快な答えは持ち合わせていませんでした。早稲アカの生徒が、Wもぎで都立駒場は無理と言われて三田に下げたという話しを間接ですが、聞いたことがありましたが、その時竹の会ではVもぎ根拠で駒場OKを出したことがありました。駒場合格でした。諦めた早稲アカの人たち、つまり偏差値の高い生徒たちは、Wもぎで低い都立に決めるということが現実にあるようです。
 VもぎとWもぎの問題はそのくらいにして、Vもぎのデータの読み取りについて、お話ししてみたいと思います。
 60%合格基準点が、合格基準として利用されます。例えば、広尾高校なら、女子の合格基準点は700点です。これは、内申点300点、試験700点として、内申点と科目点の合計が1000満点中の700点ということです。
 実際の模試では、5科目各100点満点、計500点満点で、700点満点に換算します。この時、実際に取った点を1.4倍するわけではないことに注意してください。実際に取った5科目の合計点から偏差値を出します。その偏差値から本番で取れる700点満点の得点を割り出すのです。これは、500点満点の得点の合計では、同じ得点を取った生徒がたくさんいるときの偏りを反映していないから、と思われます。偏差値は全体の中の自分の位置を示していますから、より正確に合格基準点からの位置が測れることになるからです。
 V模擬の示すもう一つのデータ
 V模擬のデータの利用の仕方は、これからいろいろ検証していかなければならないと思います。
 V模擬A判定で落ちたのは何故か?
 内申点が高い場合、特に、5科目でなく、選科の内申点が高い場合は要注意❗️ です。選科の内申は、2倍されるので、数学、英語の力がない生徒の内申は実力以上に高くなる虞があります。選科の内申がオール5だと、換算点は40にもなります。数学3、英語3、国語4、理科、社会各4だと、5科の内申18ですから、合計58にもなります。これは要警戒内申点です。主要3科で高い内申を取れたかどうかはポイントです。選科で内申が高く取れたと喜んでばかりはいられないということです。
 その証拠が、V模擬に如実に現れています。独自問題では、こういう生徒は、特に、主要3科が低い傾向があり、内申のためV模擬で仮にA判定を取ったとしても、よくよく見ると、主要3科の得点が、受験者平均点より低いことが多いのです。もしそういうデータがあれば、これは本番「落ち」パターンの虞があります。
 V模擬は、独自校判定に使えるのか? 
 V模擬の出している合格基準点は、共通問題を前提としているので、これを基準に独自校の合否判定をすることはもともとありえない。しかし、独自問題出題校の志望者がそれなりに集まるので、相対的な位置は測れる。難点は、VもぎとWもぎで、二分されることである。そこで私は日比谷クラスなら駿台模試を推奨している。竹の会では、去年駿台模試の日比谷志望1400人ほどの中の第1位を全4回の模試で取っています。もっとも日比谷は結局受けなかったが。

第二 Vもぎのサイト高校入試情報イテーションには、受験生の質問にVもぎスタッフが回答するページがあります。そこでその回答を見てみましょう。

 進学研究会スタッフ回答
回答1
Vもぎで設定している合格基準は合格最低点や合格者平均点ではなく、合格可能性60%以上の位置を表すものです。つまり、過去に同じくらいの実力(偏差値と内申の組合せ)の受験生がその高校を受験したとき、60%以上(10人受験したら6人以上)の人が合格しているということです。都立高校の総合得点の数値は入試問題の難易度によって変わりますが、Vもぎでは昨年度の入試問題を基に計算しています。ですので、今年の入試本番で必ずその得点を取らなければ合格できないということはありませんし、反対にその得点を取れば必ず合格できるというものでもありません。あくまでも合格の目安を表す数値として見ていただければと思います。
 論評
 そうなのである。合格基準点は、通常は、そのまま合否ラインの基準として使えます。問題は、問題の難易度の影響を受けるということです。ただ、難しい年は、合格基準点が下がるかというとそう単純でもない。仮に、社会が難しかったとしても、理科が易しかったら差し引き変化なしということになりそうだが、差し引きゼロではなく、社会の難易度が上がり、全体を下げるということもある。かつて小山台を受験した生徒が、合格基準点を取ったけど、落ちたことがあった。そのときは、社会が易しかったという声が多かった。確かに合格基準点は何点か上がったことは間違いない。
回答2
Vもぎでは得点を都標準偏差値というものにあてはめて、「今回の偏差値だったら昨年度の入試では何点とれたか」を算出します。(成績表の「都立入試で何点とれる?」参照)そこで算出した得点を700点満点で換算して、内申点と合計することで総合得点を出しています。テストの得点をそのまま使用しているわけではない。
 論評

これは、ある意味、合理性はある。つまり、テストの得点そのままだと、同じ点を取った者が、複数いたとき、その違いを表せないからです。偏差値で得点を出すと、全体から見た自分の位置を表すことができるからです。ただ、実際には、本番では、そうはならない。試験というのは、常に力を発揮できるものではないから。竹の会の経験では、本番の方が高かったという報告の方が多いが、実際の得点は、もちろんVもぎの「都立入試で何点とれる?」の予測どおりにはならない。
回答3
(質問 Vもぎで平均点よりも低い点数だったのに偏差値が50を超えていたのですが、そんなことってあるのですか?)

 平均点よりも低い点数で偏差値が50を超えているということですので、おそらく「都立自校作成対策もぎ」を受験していただいたのだと思います。
「都立自校作成対策もぎ」の成績表に掲載している受験者平均点は、そのもぎを受験した方の平均点を表しています。一方、偏差値を算出する際はその平均点ではなく、東京都全体を想定した数値を基にしています。そのもぎを受験した方だけではなく、他の中3生も含めた東京都全体でどの位置にいるかを示すためです。そのように調整しているため、「都立自校作成対策もぎ」の偏差値は「都立そっくりもぎ」と同じ尺度になっています。 表記上わかりにくくなってしまい申し訳ありませんが、進研の偏差値はもぎの種類によって尺度が変わらないよう配慮しております。

論評 

 これは、重要である。つまり、独自校の場合、偏差値は参考にならない、ということです。共通問題校の受験者と比べる意味はないと思うのですが。平均点は、独自校模試を受けた者の平均ということですから、これは平均より低い点を取ると限りなく、落ちる方に振り子は触れる、ということを意味しています。
回答4
Vもぎの判定は、過去の倍率などのデータを元にして出しております。B判定ならば合格の可能性60%以上で合格圏内です。仮に例年に比べて倍率が一気に上昇し、しかも受験者の学力レベルも高くなったとしたら合格の可能性は下がりますが、一般的にはそのように状況が極端に変動するケースは稀です。

論評
回答4は、合格基準点は、倍率を考慮している、とするものです。例えば、去年の広尾高校は、倍率2倍でしたが、基準点は、700点でした。今年、仮に倍率が2.5倍であれば、次年度は700点は維持できない、ということですね。倍率を考慮しているというのは、なかなか意味が深い。例えば、広尾の例で、今年の女子は実質倍率1.9倍でしたが、これは、合格基準の700点を取った場合、どのように影響するか、です。1.9倍というのは、10人受けたら5人は受かるということです。これは全受験生の半分は受かるということです。とすれば上から順に、つまり高得点の者から順に合格者を決めていくとして、本番で700点取った人は、もしまだ半分に満たないのであれば、全員合格ということになります。それでも余剰があればさらにその下の670点でも合格することがあるということです。このように倍率というのは、全受検者の何分の何まで合格という判断資料として有効です。また、もうお分かりのように、Vもぎの合格基準点700点は10人受けたら6人以上合格というのは、本番での予測です。本番では700点を大きく下回る人もいるからです。だから実際に700点が取れたのであれば、後は倍率との兼ね合いで決まるということです。

〇合格基準点-30点 でも受かるという俗説

 これはネットにどこかの塾が流布していたものですが、その根拠は、
「自分の塾で昨年自己採点が、基準点の-30点以内にあった者は全員受かった」

 ということにあるようです。
 この見解を唱えている方の根拠は、実は根拠になっていない。根拠の一つは、基準点は合格最低点ではないから、とする。しかし、それが、何故基準点の-30までなのか、わからない。根拠の二つ目は、本番までにまだ伸びるから。二番目の根拠は意味不明です。自己採点、つまり本番の話しをしているのに、なぜ頑張れば、なのか、わからない。
 まず何よりも、竹の会で、小山台の基準点を取っていたのに、落ちたことがある。これだけで、先の推測は否定される。その時の合格最低点を推測しただけです。しかも、どこの都立かは問わない書き方をしていますが、どこの都立でも同じという論理がわたしにはわからない。ご存知のように都立によって、上位の都立、下位の都立で、倍率はまるで異なります。下位の都立なら倍率は低く、合格基準点を大きく下回る最低点ということはそれこそよくあることでしょう。

ページトップへ