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都立中高一貫校受検の功罪

2023.02.06

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都立中高一貫校受検の功罪

それ以上でもそれ以下でもない、なのに人は「それ以上であるべきだったと言って責める」
 しかし、その人にとっては、精一杯、正味だったのである。
 塾を誤解する人たちは、塾に行けば成績はよくならなければならない、と信じて、塾を批判する。自分の子の能力がどうなのかはスルーしてである。大手塾の平易なカリキュラムの小5までは自分の子の学力がひどいことになっているのは一向に気づくこともない。内容的に落ちこぼれの生じないように仕組まれた、大手の巧妙な仕掛けに見事にはまる。しかし、大手塾に2、3年通って、小6になって成績が振るわない、伸び悩んでいる、そういう親子は実は夥しい数に上るのではないだろうか。このとき、そういう人たちは、その自らが選んだ大手塾について、如何なる感想を持っているのだろうか。大手では、上位とその他多勢が二極化する。その他多勢組になった人たちが、この塾はダメだ!と批判するのだろうか。その他大勢は落ちることを予定された人たちである。落ちてもなんの文句を言うこともなく、ゾロゾロと区立中に流れ込むのであろう。今、この時、大手を選んだ人たちには、その選択の結果が、どんなものだったのか、示されたことであろう。いや、そうではない。落ちたことではない。落ちて区立中に入ったとき、中学の授業が始まったときである。割合を理解しない子たちが中学でどのような末路をたどるのか、これから思い知ることになる。落ちこぼれを予定された大量の都立中落ち組の最大の難点は、まともに基礎を教え込まれてこなかったことである。適性検査対策という名の下に、計算、割合などの基礎はスキップされ、ひたすら適性問題ばかり解かされてきた子たちは、その大きな失敗にようやく気づくのである。割合など全くできないということをまるで知らない親こそおめでたい。
 私の経験は、そういう人たちが、計算力未熟で、割合を思考の軸とすることもなく、したがって思考するということも知らないで、したがって、勉強のスタンスもない、ことを教えている。とにかく区立中学に入り、なぜか当然のように部活に入り、部活に明け暮れる中学生活を選択する。高校入試という目的意識はなぜか希薄で、漠然とそれなりの都立に受かると信じているのが、楽観的というか、お花畑というか、要は、何も考えていないのである。親が子の部活生活を公然と黙認するあたり、高校受験は「ルートの見えている登山」のように簡単にあしらわれる。受検失敗は単なる「喉元」の熱さ程度でしかなかったのか。トコロテンのように、区立中学から底辺高校へと押し出されていく、それが結末だということ、それこそが「ルート」だったのだということを後から知るお粗末である。
 都立中を受けるとは、8倍だから、7人落ちて1人受かる勘定である。つまり、ほとんどが落ちる。それなら将来区立中に入ることも想定して、シフトを敷かなければならない。計算に習熟し、割合に熟達し、高度の算数を解けるほどに思考力をつけ、日々の思考スタイルから、勉強スタンスを確立し、勉強を生活の軸とする態勢が整っていなければなるまい。
 受検といい、どういう取り組みをしなければならないのか、ここは考えておかなければならないことであった。どんなに頑張ったとしても区立中学に行く蓋然性が高いのが都立中受検であり、そうであってみれば、区立中学で都立上位校を狙えるような手立てを何もしないで、適性対策99%では、あまりにも無知、愚かではないか、と思うのです。主観的に受かるつもりが、実は客観的に落ちるなのに、区立中学に行ったときの対策ゼロなのはどうなのか、ということです。 
 ほとんどの人が落ちる試験です。落ちたらどうするのか、考えない受検ですか。
 受検を志すことが、将来の区立中学の勉強を棒に振る選択になっている自覚がない、親ばかりです。
 大切なものは何か、あなたたちは、何も見えていないのですね。
 竹の会は、小2の一年間で、早い子なら難関中学入試計算を解けるまでに仕上がります。これは実績を根拠としています。小3から2〜3年間を「割合」の指導に費やします。小5で中堅私立(芝中・巣鴨基準)の算数なら解けるようになっています。算数を通して思考するとはどういうことかを体得してきましたから、適性検査対策にもスムーズに移行できるのです。竹の会は、区立中学に行くことになってもびくともしない、力を基底に溜めての試験対策をやってきたのです。そのことは、残念な結果になった、過去の卒業生が今一番実感していることではないでしょうか。

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