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ニュートン算って何?

2023.01.17

ニュートン算って何?
 1669年、27歳のアイザック・ニュートンは、母校ケンブリッジ大学の数学講座の教授となった。1673年から83年まで代数を教えた。その講義録は、1707年に「普遍算術」として出版された。算術や幾何の様々な問題を方程式という普遍的な方法で解くことができる、とするものである。「旅人算」の問題(問題5)も方程式で解いている。その問題11にニュートン算が載っている。

 a頭の牛がb量の牧草地をc時間で食べ尽くし、d頭の牛がc量の牧草地を、f時間で食べ尽くした。牧草は一定の速さで成長するとすると、何頭の牛がg量の牧草地でh時間食べ尽くしたか。

 難解で、ニュートンの解説も難解。ケンブリッジ大学の学生もお手上げだったと言います。
 日本では、明治から昭和、東京帝大教授藤沢利喜太郎が、「自分のように30年間も数学をやっていた人間でもニュートン算は解けなかった。子どもが解けないのは当たり前でこんな問題を子どもにやらせるのは弊害がある」と述べています。藤沢はこの問題を、明治10年代に流行した「数学三千題」の中から見つけたそうです。
 受験算数のニュートン算は難易度も易しく、解き方も相当に違うものです。つまり、ニュートンの「普遍算術」とは似ても似つかないものです。中学入試に出るニュートン算は、連立方程式で簡単に解けるものです。ニュートンの問題は、方程式を使って解いたものですが、実に難解な解き方をしています。

 参考にした文献「算数難問4千年の歴史」
 ニュートンの作ったニュートン算(あてはめバージョン)
 もし12頭の牛が3と1/3エーカーの牧草を4週間で束尽くし、21頭の牛が10エーカーの牧草を9週間で食べ尽くすとすると、何頭の牛が24エーカーの牧草を、18週間で食べ尽くすか。
(「普遍算数」)
注意 現在のニュートン算より難しいのは、牧草地が1ヶ所ではなく3ヶ所とされているからです。なお、「普遍算数」はインターネットで公開されています。
 
 物議を醸した開成中学の問題
 2011年入試問題
 西山動物園では開門前に長い行列ができてあて、さらに、一定の割合で入園希望者が行列に加わっています。開門と同時に券売機を5台使うと20分で行列がなくなり、開門と同時に券売機を6台使うと15分で行列がなくなります。また、もし開門のときの行列の人数が50人少なかったとすると、券売機を7台使えば10分で行列がなくなります。
 (1)開門のとき、行列の人数は何人でしたか。
 (2)開門と同時に、券売機を10台使うと何分で行列ごなくなりますか。

 ほとんどすべての塾の模範解答は7.5分=7分30秒でした。2011年秋の開成の入試説明会でも正解は7.5分としていました。しかし、翌年の春の入試直後には、その正解はなぜか消えてしまいました。開成中学の先生が正解者ゼロと言った、という噂が流れたのもこの頃です。その後の市販の解答は、7.5分説、7.4分説、7.6分説とに分かれています。 
 何がおかしいのか。
 券売機の10人はいついなくなるのか。券売機1台は1分間に5人処理する。1人12秒です。7分12秒後、10人が券売機の処理を終え、後の10人が券売機の前に立ちます。やはり12秒で処理を終えます。つまり7分24秒後、10台の券売機の前から1人もいなくなります。ならば答は7分24秒のはずです。
 しかし、1台の券売機から増える人数は1分間に10人、つまり6秒間で1人です。開門7分後、20人が並んでいた。7分24秒後、10台の券売機の前から人が誰もいなくなるはずでした。しかし、7分から24秒の間に新たに4人が並んでいるのではないですか。
 こう考えていくとこの問題の入試問題としての不適切さがわかってきます。そもそも時間の限られた入試でそこまで考えなければ解けない問題なんか出していいのか、です。正解などと軽々に出せるものではない。出題した開成中学もこの問題を闇に葬ったかに見える。市販の塾解答はバラバラである。
 ちなみに、日能研のみくに出版の過去問集には、正解7.6分と例によって答のみ書いています。
 この問題に無理があり過ぎる、というか、行列の問題をニュートン算に仕立てるのは無理があり過ぎる。算数のお約束ごとを前提としても唯一の正解は出せない恐れがある。
 大手塾では、解き方を暗記させて、ニュートン算が出たらこの解き方で一瞬で解け、などと煽っているようです。思考も何もあったものではない。開成だってもちろんバカではないから手を拱いて同じパターンの問題を出すわけがない。必ず深い思考がなければわからない肝を落とし込むに違いない。定型問題の解き方を暗記してそれを当てはめようとするような凡庸な頭の小学生にはとても太刀打ちできない。
 それにしても算数は、数学の特別の呼称とされてきたなど、その歴史を紐解くと意外なことばかりである。算数の原初的な解き方は、当てはめだったということも「えっ」である。とにかく当てはめで解く小学生は多い。算数は、○○算という名前がつけられ、そのそれぞれについて、解法が用意されている。算数を学ぶというのは、○○算を学ぶことにほかならないとされてきた。ところがこの○○算は、方程式で簡単に解けてしまうのである。中学生になって方程式を習うともう算数の○○算とそのそれぞれのコツはすべて必要なくなる。
 さて算数は、○○算というだけなのか。進学塾の言うようにただの解き方のコツの暗記なのか。
 私は、算数で思考力を深めることができたし、竹の会の子どもたちも算数の問題を考えることで思考力を伸ばしている。
 ただの○○算で片付けるには、あまりにももったいない。算数の素晴らしい思考増強装置である本質を知らないままに終わるなんてありえない。竹の会では、○○算というのは、特に教えていないし、子どもたちはすべての算数の問題を図を描いたり、線分図や面積図を描いたり、ダイヤグラムを描いたりして、悪戦苦闘して解いている。少なくとも暗記の科目として片づけてはいない。
 竹の会には、竹の会独自に開発した算数世界がある。
 竹の会の算数を用いた思考力増強システム
 竹の会は、算数思考の前段階として、割合思考を位置付けている。竹の会では、割合思考をマスターするのに最低2年間を費やします。竹の会の発明した割合概念の思考枠組み化は、ミクロマクロ法と呼ばれて、竹の会の子どもたちの算数力、思考力を飛躍的に伸ばしてきました。割合思考から算数思考へ、ここでは既に割合思考の枠組みから自由に解放された思考、自由思考の世界が広がります。既にして思考そのものが主権を獲得した、この段階の子は、算数の難問にも立ち向かえる、自由なる算数戦士として自立したのです。竹の会の手を離れ羽ばたくときが来たのです。 
 算数とは何か
 方程式を使わないで解く、難しい文章問題とでも言っておきましょうか。中学入試の塾では、文章問題を○○算のように分類(※)し、○○算ごとに解き方のコツを教えるやり方をします。
 小学校で習う数学を算数と言う。そうなのである。算数は数学のことである。ただし、算数では方程式は使わない。ニュートンはニュートン算を方程式で解いたけど、それは大学生相手の話しです。別に算数として解いたわけではない。方程式を使わなければ、どうなるか、という問題は残された。ニュートンの作ったニュートン算は、中学入試で出されるニュートン算とは、かなり異なり、難解なものである。
※算数: 植木算 方陣算 日暦算 和差算 分配算 やりとり算 年齢算 相当算 損益算 つるかめ算 過不足算 差集め算 平均算 てんびん算(食塩水の濃度) 消去算 旅人算 通過算 時計算 流水算 仕事算 ニュートン算など 

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