2022.04.27
「国語問題の読み方、解き方」第2回講義
文章は、「文法的に読む」
文法的にとは、本文で強調されている部分に重点をおいて読む、という意味です。強調されている部分には必ず筆者流の「目印」があります。筆者は、読者に「どういう目的で書いたのか」を考えてください。その想定されている読者に理解してもらうために、「わかりやすく書く工夫」をするはずです。その工夫こそが目印です。読解文特有の言い回し、つまり工夫を覚えてください。あなたたちのこれからの国語の勉強は、この目印となる、著者の工夫を覚えていくことです。これからの国語の勉強はこれになります。
前提となる知識
◎説明的文章 ①説明文 事実を説明した文章 ②論説文(評論) 筆者の意見を説明した文章
説明的な文章の読解
①説明文は、「どこに何が書いてあるのか」を探す。
②論説文は、「筆者の意見を探す」。
◎文学的文章の種類
①小説は、作者の主張を「作り話」で間接的に表現した文章のことです・
②随筆は、経験や感想などを自由に書いた文章のことです。
基本的には、説明文を読む、つもりで読めばいい。つまり、「どこに何が書いてあるか」を考えて読むことです。
基本的な読み方の注意点
①大きな視点から読む。これは文章全体の構造を見抜くためです。文章の構造とは、段落(意味段落)単位に。内容を整理することからわかります。「内容は、だいたいでいい。こんな話しかな、程度でいい。
②前後の分がどういう関係かを見抜くことが大切です。
前後の関係とは、A具体と抽象の関係、B主観と客観の関係、C対比と並列の関係、D既知と未知の関係、E主張と根拠の関係
以上の関係を見抜く前に、2つの文章、つまり前後の文章がどういう関係かをまず判断してください。次の3つしかありません。
(1)2つの文が同じ内容
(2)2つの文が反対の内容
(3)2つの文が原因・結果の内容
この大まかな見分けから、上記のA~Eの関係を見つけることになります。
「しかし」の前後には、共通点がある、
しかし、共通点を比較する
貧乏、しかし、金持ち
共通点は?
カネ
アリのように働く、しかし、わたしは一日の3分の1しか働かない、
上の「しかし」の前後の共通点は何か?
共通点は、働く時間である
しかしの前は長い、しかしの後は短い
抽象化することは、ハコを作ること
金閣寺と銀閣寺、この2つの言葉を抽象化するとどうなるかな?
「寺」というハコ
さらに、足利義満、足利義政、つまり将軍が建立した、そういうハコ、室町時代というハコ
抽象化というのは、共通点を入れるハコを作ること
関数というハコ
このハコには、一次関数、二次関数、三次関数、・・・と入る。
このハコの特徴は、ある変数と別のある変数の間に、ある関係があることから定義される。すなわち、ある変数の値を1つ決めれば別のある変数の値も1つに決まるという関係があるとき、これを関数と定義する。関数というハコに入れるのは、関数だけ、そしてその関数には、定義がある。定義は、ハコの抽象的な性質を表したものである。
だから定義は大切である。なぜって、定義は、ハコの性質、様態を表しているからである。
あなたたちは、これから抽象化能力を高めていかなければならない。それは、さまざまな性質のハコを作るという思考作用に修練していかなければならない、ということである。
液体というハコの性質、様態はどうですか。このハコに入れるものにはどんなものがありますか。
お酒は液体ですね、水だって液体ですよ、私たちは、この液体というハコで、多くのものをまとめることができます。