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「鵜呑み」と「常識を疑う」

2023.01.31

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「鵜呑み」と「常識を疑う」

儲かる商売の方法とは
情報に隔絶された人たちを相手に、つまりまるで疑うことを知らない無垢な人を相手にすることである。
情報に隔絶されたとは、情報格差の問題である。つまり、情報の非対称の問題である。江戸時代後期、ネーデルラントでは原価数万円の蘭学書を、日本人が知らないことをいいことに数百万円、数千万円とふっかけて売ったことは知られている。あるいは幕末、開国当初日本から大量の小判が流出したのも、世界の事情に疎かった幕府が相手の言い値を鵜呑みにしたことが原因であった。
 大多数の子どもにとっては、大手は、子どもの将来にとって最も大切な基礎学力を脆弱にしたまま、区立中学に送り込む装置としてしか機能していない。
 大手で成功するのは、もともと優れて知能の高い子に限られる。それは大手だから合格したというのではなく、もともとの知能の高さゆえに合格したに過ぎない。突き詰めればそういうことになる。
 基礎学力を高めていくという地道な授業は全くなされないまま、「適性対策」という名の商品を売るのです。
大多数の親は、親の能力以上の子になると、お花畑な頭で、大手に入れて楽観する。しかし、この間に、基本的な訓練を疎かにしていくこと、それが取り返しのつかない事態を招くこと、その悲惨な結末に気づくことはない。
 どんなに気張っても、全員は受からない。たったの8分の1である。ほとんどは落ちて区立中学に行くことになる。問題は、その時だ。基本をほとんどやらずに、解けもしない適性問題ばかりやってきたつけが一気に噴出するのは。
 割合がわかっていなければ、文字式から詰まるであろう。勉強のスタンスができていなければ、継続が命の英語はすぐ挫折するであろう。受検が終わった開放感から気軽に部活に興じればたちまち勉強とは無縁な生活に流されるであろう。
 大切なものは、なんであったのか、考えてほしい。小学で勉強の基本をしっかりと身につけることではなかったのか。受検はそのための副産物でしかない。大切なのは勉強を軸とした生活習慣、生活リズムをつけることであり、計算、割合の勉強を通して、思考力をつけ、思考のスタイルを身につけること、学問の礎を手にすることこそ、最も大切なことなのだ、ということを。

 いつのまにか受検(応用)が本体で基礎学力をつけるということが蔑ろにされてしまう。世の中の風潮、伝聞を鵜呑みにするのではなく、常識を疑うことが大切だと思うのだが。

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