2022.11.10
なぜ6年で伸びないのか
合否は小5までで決まる‼️
「まだ小5だから」が、小6で「伸び止め」を誘発する。小5まで呑気にしていて、小6で頑張れば合格できる、そう楽観している親が多い。昨今、小6になって途端に伸び止めとなる子で溢れるようになった。
これはどうしたことであろうか。
一つには、都立中高一貫校の併願校化があげられる。
私立中堅から難関中まで、今では都立を併願として受ける子が圧倒的に増えた。そのためか問題が難化している。ご存知のように私立受験の子は、小3から大手進学塾に通うケースがほとんどだ。こうした早くから訓練されてきた子たちが、真のライバルとなった。決して、中高一貫校対策の大手塾に通う子たちが、ライバルなわけではない。
公立オンリーの子たちは、長閑な生活を送ってきたことだろう。そういう子たちにとって、今の受検は、そうでなくても8倍前後の倍率から見ても、難しいことはわかるであろう。
長閑と言ったが、中には小4から大手塾に通っている、という子もいるでしょう。しかし、私立をめざして進学塾に通う子たちとは、覚悟が違う。公立狙いの子たちは、塾に早くから通っているといっても、習い事、稽古事、サッカーなんかをやる余裕はある。盆正月もゆっくり休む。しかし、中学受験で難関をめざす子たちは、盆正月を返上して、ほとんど毎日塾に通い、季節講習はすべて参加し、親がつきっきりで勉強を手伝うのも珍しくない。さらに進学塾以外に家庭教師や補完塾に通う子たちも少なくない。つまり、中学受験をめざす子たちは、勉強以外に時間を浪費することはないのだ。わたしが覚悟が違うと言ったのはそういうことである。こういう子たちが、開成や麻布、早稲田中学などの併願校として、小石川や桜修館などを受ける、ということ、そのことは当然想定内のことでなければならないということだ。ところが、公立オンリーの親も子も考えがあまりにもお花畑なのには正直苦笑するしかない。
こののんびりとした、長閑な受検観が、小4、小5の親や子には一般なのである。「まだ小4だから」「まだ小5だから」という論理が、なにかと罷り通る。習い事、稽古事も、「一つだけだから」と同じ論理である。「盆くらい、正月くらい」という論理である。私立受験の親や子とはまるで覚悟が違うのだ。そして今の都立中受験は、そういう鍛えてきた私立受験の子たちとの争いなのだということです。そういう中での、倍率8倍なのです。
小6になって、伸び止めになる子たちというのは、長閑な環境を受け入れてきたことを理解していない。小6になって「頑張った」つもりになって、なんの根拠もなく「受かる」と信じている。
私は公立特有の楽観ムードが、致命的なもの、とても私立受験の本気度100%の子たちに太刀打ちできないもの、として危惧しております。
都立中高一貫校受検には、早期、できれば小2の夏前後から準備を開始することが、成功への一里塚と考えます。これなら早くて6か月、遅くて1年で計算マスターになる。1年以上かかるなら才能はないと考えてください。早くて小3には、割合の指導に入れる。才能があれば、小4の終わる頃には、かなりの算数達者になっている。イコール思考力抜群ということです。小5には、適性訓練に入れる。一度適性問題を解かせてみればわかることですが、訓練のない小6ではまず0点です。竹の会で近年の小6が、適性問題に入った途端に、ほとんど「解けない」ということを知ったのは近年になってのことです。原因は、おそらく①才能的な限界、②大手から小5の冬以降にきた子たちにお決まりの基礎学力の欠如、③小5までのんびり過ごしたことから抜けられない惰性、です。
勉強の絶対量が完全に足りなかった、と思います。ほとんどの子が小6になって、「解けない」症候群を示したのです。つまり、「伸び止め」になったのです。そのために勉強に集中できない、家庭で勉強しない、という悪循環に陥り、レジュメが解けないから、積み残していく、という更なる悪循環に陥りました。
適性問題は、いきなりでは「解けない」のです。読み取りの訓練、作文の訓練、理科の重要な原理の習得、日々の語彙の習得など、算数を軸にやらなけらばならないことがたくさんあります。そうなると、どうしても小5からはそうした訓練段階に入らなければならない。だから小2から準備に入る、ということが、どうしても譲れないのです。
これは、高校入試だと、かなりはっきりしています。開成高校、筑駒高校などの日本一の難関高校は当然として、トップ都立にしても、少なくとも開始は、小6の2月からです。それも割合マスターになっていることが、前提です。だから、竹の会で小3や小4から受検目的で訓練してきた子たちが、受検に失敗したとしても、高校受験で成功することが多いのは、そういう基礎力が出来上がっていたからです。その意味でも、小2スタートがいいということがわかります。