2022.04.28
◎黒塗りの頭
語彙が足りない人の目には、国語の文章は、まるで黒塗りだらけの文章に見えることでしょう。
わからない、理解できないというのは、頭の中に黒塗りの部分がたくさんあるということである。
数学ができない子の頭の中は、黒塗りだらけに違いない。平行四辺形の定義と性質はどう違うの? 平行四辺形の条件には、性質と同じものがあるけど、なぜ?
こう見てくると、黒塗りには、知識の黒塗りと関係を理解することができない、という黒塗りがあることが、わかる。
小学生が、割合を黒塗りにしてしまうことを私が知ったのは、平成20年ごろであった。公立小の比較的できるとされる子たちが、割合を表面上でしか理解していないことに驚き、これはなんとかしなくてはと思ったものである。
塾の先生というのは、子どもの頭の中から、黒塗りの部分をできる限りなくしてあげる、そういうことが、仕事なのである。
ただし、どうしても黒塗りの減らない子というものはいるもので、私もこれまで幾度となく「絶望感」を味わってきた。黒塗りのほんの僅かを減らして指導を終わる子をどうするかは、塾の良心、責任というものの板挟み、親の信頼もあり、考えるべきことは多い。
しかし、少なくとも竹の会はその気になればどんな難関でも受からせる、受験のプロである。ある一定のレベル以上の生徒が来てほしい、というのが本音であり、入会試験はそのために機能しなければならない、思っている。黒塗りの減らない子の対応はこれから考えていくことになる。
◎中学入試化する適性問題
もともと難関中学の問題が、適性問題と言ってもおかしくなかったのは、早くから認識していた。
さて、ここ3年、適性問題の理科分野、社会分野の問題が、中学入試問題化していることを強く感じている。
竹の会でもこの変化に対応していかなければならないことは当然として、当面、課題での対応を強化している。理科の重要テーマ、例えば、コイルと磁界の問題などそれなりの理解が求められる問題が、都立共通問題でも出されている。現在展開中の「理科の必要十分条件」「社会の必要十分条件」は、難関中学受験レベルを意識して、かなり詳細な解説をしている。おそらく課題としては、「わからない」したがって「解けない」ことは想定しての出題で、解説を読んで理解することに重点をおいてもらってかまわない。実質は課題という名の講義のつもりで書いている。もちろん塾で私に質問するのもかまわない。そういうレベルの問題だからである。
また、最近の課題には、近年出題された過去問も採用して、適性問題に慣れてもらうことも視野に制作している。
もちろん、私の視点から、新作レジュメ制作にも力を入れるのは、当然である。「合否判定レジュメ」は、今年は是非とも新作を考えている。
さらに、算数の更なる進化系としてのレジュメも構想している。
国語については、語彙を増やす努力が何よりも優先される。漢検は3級、中学なら2級は当然である。語彙を増やすために、本を読むことも役に立つ。課題は、語彙を増やす意味もある。あなたたちが、文章を読むとき、黒塗りだらけの文章に見えたら、国語の基礎的な勉強が足りないということだ。国語の問題の解き方云々以前の問題である。
「新草枕」では、国語の解き方、という視点から、連載しています。
「新草枕」では、適性問題の考え方、取り組み方をテーマにこれから連載を予定しています。
◎国語問題の解き方 第3回
テーマ 具体と抽象
論説文では、抽象こそが筆者の意見であり、それょわかりやすくするためにかかれるものが具体(例)である、ということを知っておきましょう。
そもそも具体か、抽象かという判断は、相対的なものである。2つの概念なり、言葉なりを比較して見て判断できることである。
なぜなら、ある言葉には、その言葉を包み込む上位概念があり、上位概念になるほど抽象化するからです。水と液体は、液体が水の上位概念です。つまり、より抽象的です。
具体か、抽象かは、文脈で決まることです。一応はそう言えます。しかし、比較しなくても具体とわかるものもあります。
具体の見つけ方
固有名詞や数は具体である。
特に、大切なのが、「接続語」です。「たとえば」の後とか、「つまり」の前には、具体が書かれる。
と言っても、接続詞がないこともあるから、問題は、具体に対してどのような処理をするか、の話しである。
具体に対する処理のしかたとしては、まず、①具体の範囲を確定させること、が大切です。どこからどこまでが具体なのかを確定させてください。形式段落や接続語を目印にするといいです。次に、②「抽象→具体→抽象」の順を意識的に確認してください。文章というのは、抽象的な内容をわかりやすくするために、その直後に具体例を示すパターンが一般なのです。具体例が終わると、もう一度抽象化するのです。この流れをつかむことがこつです。
③実は、具体=抽象である。実質的には、抽象度が違うだけで、結局同じことを繰り返しているだけなんです。だから具体例は即座に抽象化してしまう、というのが読解なんです。具体を抽象化すると、抽象・具体・抽象のながれが、抽象・抽象・抽象の流れに見えてくる、この域になると、本文の内容がしだいにクリアになってくるのです。
◎中1のみなさんへ
連休中は是非勉強に力を入れてほしいと思います。
数学が遅れている者が目立ちます。本来なら、関数までやっていなければならないはずでしたが、正直レジュメを出すのに時間がかかるようになりました。気になるのは、家庭でやってないのではないか、という疑いです。家庭で終わらせてくるのが、常識です。前回の続きを塾でやるなどもってのほかです。こんなことをやっていたら未来などありません。
それから英語の遅れです。英単語テストはもう7回まで進んでいます。まだ1回も受けていない生徒もいますが、それではなかなか文法の練習に入れません。また文法レジュメは1回受けて終わりではなく、何度も何度も納得するまで受けてください。
それからお渡ししています、理科、社会クリアは、毎日少しずつでも進めなければなりません。
中学というところは、まじめにこつこつ勉強した者が、残る、最後は勝つ仕組みになっております。したがって、この連休中の勉強がどれほど大切かおわかりになるはずです。連休明けにまだ連休前の続きをやるようなら、早々と転塾したほうがいいと思います。