2023.01.24
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勉強法極意大全(第一巻)
第1章
本稿は、勉強方法についての様々な成功本を参照した上で、使えるものを紹介するというコンセプトから書いていくシリーズです。もちろんわたしの経験もふまえて具体的な方法論として提示したいと思っています。
第一章 勉強は「ストーリー」だ❗️
ストーリー❗️
ストーリーとは、「関係性」で紡がれた言葉(概念)の数珠である。
例えば、読解の場合も、わたしたちは、文章に導かれて、そこにストーリーを読み取ろうとしています。国語の場合のストーリーは、ロジック、つまり論理と言われるものです。読解というのは、筆者の論理を読み取り、その論理展開を追うものです。そこで、私たちは、関係性に導かれて、文脈を辿って行く、つまり、文の流れに沿って意味を取りながら読み進めて行くのです。これをロジック(論理)を追いながら読むと言い換えても同じです。
読むとは、ロジックを追うことです。ロジックとは、「論理」のことですから、要は、関係性のストーリーのことです。
そこで、国語読解のコツは、筆者の論理がどういうものなのか、予め31文字でメモしておくことです。
私たちは、このロジックの読み取りに集中しなければならない。集中とは、雑念を排除することである。一点に集中しようとすると、かえって雑念が湧き上がることはあなたたちも経験したことがあるのではないでしょうか。これは一点に集中しようとする意識が、その反作用を呼び起こすからではないかと思います。人間の心は、何かに一点に集中しようと意識すると、逆にその反作用の意識がほとんど反射的に発生することは経験したとおりです。
以上は、国語読解の方法についてのオーソドックスな方法だと思います。確かに、昨今は本来の読み取り、それは豊富な語彙力を背景に文脈を追うというものですが、そういうものを無視して、国語を技術的な方法で「解く」方法を売りにした本が出回っていますが、国語というものは、本来そういうものではありません。
国語を本格的に勉強するとしたら、絶対読まなければならない本があります。これは、会員ページで紹介しておきます。※1
集中する方法に関して、
わたしの場合は、例えば、数学や算数を解くとき、シャーペンを手に持って指で回したときに、集中モードに入ります。問題を読み、問題に集中します。一旦考え出したら、あちこち雑事をしているときもずっと考えていますね。アイデアというか、ひらめきというか、算数でも数学でも「発見」なんですね。「あっ❗️ こうしたらいいんじゃないか」みたいなことが突然浮かぶ、閃くわけなんです。算数にしても数学にしても「発見」ということでは共通しています。そして発見できるかどうかは、経験の差ですね。よく解答を先に読んで解き方を暗記しろ、なんて意見がありますが、これはこれで合理性があると思うのですが、ただ「発見」の感覚を養う経験の層がこれでどこまで形成できるか、わかりません。
集中に関しては、以前親御さんから、「音楽を聴きながら勉強しているのですが、どう思われますか」という質問をいただいたことがあります。子どもに注意すると「音楽を聴きながらの方が集中できる」と反論されたそうです。これはもうこのやり方に慣れてしまって、静かな環境が逆に集中できない、ということなのでしょうが、おそらく音楽が他の雑念を排除する、という効果があるということなのかな、と思います。これは心の弱さ、集中できないという不安定さの裏返しなのかなと思います。やはり、本来の自分の意識をコントロールして雑念を忘れる訓練をしていかないと、大学入試や難関の資格試験レベルでは大成しない、と思います。タフな精神とは、このような弱さとは別のところにあるのだと思います。そもそも正当ではない方法を取らざるを得ないところに決定的な弱さが露呈されているのではないでしょうか。
さて、勉強とは、ストーリーだという極意について少しく説明を加えてみましょう。
例えば、歴史の事件を覚えるとき、承久の乱ならそのストーリーというのは比較的わかりやすいですよね。事件そのものがストーリーなんですから。注意すべき点は、ストーリーは要約、簡潔を旨としてください。31字でまとめる、要約する練習をしておくといいです。なぜ31字なのかと言うと、和歌の5・7・5・7・7からの発想です。だから17字でもいい。要は簡にして要を得た、という趣旨です。
政治経済は、どうでしょうか。
政治経済は、制度の理解が中心となります。ですから、「制度の趣旨」「具体的内容」「問題点」といったところをストーリー構成して、簡潔に要約しておくことです。
問題は、地理です。地理というのは、どうしてもバラバラな知識として、暗記するしかない、という人が多いと思います。だから例年の都立の社会は地理が難しかったということが「またか」というくらい報告されています。ちゃんとストーリーを組んで勉強してこなかったからです。それでは、地理のストーリーはどうやって作ればいいのでしょうか。わたしがオススメの地理のストーリー作りの参考書があります。会員ページに紹介しておきますね。※2
地理というのは、最初に、地形だとか、気候だとか、川、山脈、高地、平野などという自然の風土から勉強しますが、これは人間が生活する土地を総括しているものです。ある土地に住む人たちは、そういった自然の諸条件に規定されて生活するしかないわけです。そしてその特殊な土地に住む人たちは、「生きる」ために、「食べていく」ために、そういう環境で工夫して、生活する知恵を凝らしたのではないでしょうか。そこに私たちは、地理という学問のストーリーを見ることができるのではないかと思うのです。それは言って見れば、「必然性の論理」なのではないかと思います。
こう見てくると、地理の勉強は、バラバラな知識を繋ぐ「必然性の糸」を見つけて、繋ぐことだと言えないでしょうか。
なぜそこが米作りなのか、日本で生活する人たちには、なぜそこが「必然」なのか、そういう必然性を問う疑問を持ってほしいのです。根本から問い直すところから必然性の論理(ストーリー)が見えてくるのです。
ストーリーは、自分で自由に作ればいいのです。そのときに、その学問の根本のところから問うことです。それがストーリーを創作するコツです。宮崎や高知の促成栽培というのは有名ですが、これなども東京に住んでいる人たちに新鮮な野菜を端境期に売るという発想ですよね。宮崎や高知に住む人たちが、知恵を凝らして生きる道を見つけたというストーリーです。学問、いや勉強というのは、徹頭徹尾「ストーリー」なんです。
それから都立高校の入試問題が新聞に載ると私は特に理科と社会の難易度を調べるために、よく解いていたのですが、まあ、特に勉強したわけではないのですが、社会や理科なんかはだいたい解けてしまうわけです。そのとき、「絶対これ」ということではなく、ほとんど推理して、「おそらくこれだろう」程度なんです。それでほとんど正解が取れてしまうわけです。わたしなんかは、知識はもうほとんど忘れていますから、その分、問題をひたすら読んで分析するわけです。そこで昔の微かな知識を集めていろいろ推理してこれだろうと絞るわけですが、それがたいてい当たっている。
これは何を示唆しているのか、です。知識は少なくてもいい。キィーワードを押さえて、そのキィーワードから推理すればわかる、解ける、という勉強が大切ということです。そもそも暗記科目というのは、如何に知識を暗記しないで済ますか、に醍醐味があるのだと思います。暗記しないで済ますというのは、論理で理解することで暗記を減らすということです。
具体的な知識は、抽象化することで、つまり、それぞれの事象の共通項を抽出し、その共通項を覚えることで、省力化できる、のです。
この共通項に着眼するというのは、素晴らしい知能の勝利ということではないかと思うのです。
それから論理でまとめるというのも、実は共通項で分類することなのであり、論理の同じ部分、つまり共通部分を一括りにして、より上位概念で把握するということにほかならないわけです。 勉強というものが、この域に達したなら、それは勉強の達者ということです。
勉強というのは、基本、すべてこれに尽きると思います。その意味がわかったとき、あなたたちは、本物の勉強達者となったのだと思います。
今日の、お話しはこれで終わりです。次を楽しみにまたお会いしましょう。