2019.01.07
甘い親、優しい子どもに、受検は向かない。受検とは、屈折に身を置くことである。屈折の連続である。健やかにすくすくと育った、お嬢ちゃん、お坊ちゃんには、荷が重い。こういう子ほどマイペースで、急がない。平気で、勉強を先送りする。親もそういう子を悠然と構えて見守っている。あまりにも長閑である。
試験というのは、遅い子が脱落していく、のが、本質である。これは実は能力的なものとは必ずしも符合しない。もちろん能力の低い子が遅いのは当然である。しかし、かなり能力が高いのに遅いという例もあった。こういう子は物事にこだわる傾向が強く、横道に逸れやすいのが特長である。とにかくもともとの試験に集中して没頭できない、という子は失敗する。よく適性問題を解くのに時間のかかる子というのがいまして、適性問題が何を問うているのか、つかめないままに時間を浪費するわけです。極端な例では、1問解くのに3、4時間かかる。そして解けない。受かる子というのは、どんなに難しい問題であっても、10分ほどで解いてくるものです。これが受検前に合否を占う、ひとつの徴表になります。
ある日ある時の、一週間ほどの休暇が、それからの人生を大きく変えることになる、親や子が、一週間ほど休みます、というメールをどれほど苦々しい思いで、受け取ってきたことか。やがて確実にやってくる、破滅的未来を予測し、苦々しい思いを飲み込んで、きたことか。学校で「できる」と認知された、お嬢ちゃん、お坊ちゃんの、親の認識の甘いことに、わたしはもっともらしき、避けがたいという理由を読みながら、代わりに捨てることになるものの大きさを思い、そんでええの、と心の中で反芻するほかないのである。
🔴腑抜けな子が増える構造
気概という言葉とは無縁な家庭が普通なのであろう。過干渉、過保護のつけは、やがて払わなければならないときがくる。「危ない」からとなんでもかんでも先回りして、やってあげる親が、造りあげたお姫様、若様が、多数棲息する。逆もある、放任する親である。こちらは、過保護、いや働いていて面倒を見きれないという後ろめたさからやりたいようにやらせる、なんでも許す、そういう対応が、自堕落な子を作り出すという点では、やはりろくな子を作らない。
前者の若様、お姫様は、途中で、放り出す、苦しい環境に耐えられない。またお姫様、若様らしく気位が高い、自尊心の肥大した子が多い。もともと中身のともなわない自尊心であってみれば、いつかは馬脚を顕す、瓦解するしかない人たちであった。
気概を持て、というのは、今の風潮にはなじまない精神なのであろう。しかし、試験というのは、厳しく自分を律するほか、成功の道はなく、ともすれば崩れやすい精神を気概という核で武装するほかないのである。不屈の精神を持て。どんな事態にも屈しない、不屈の精神が、不可能を可能にする。
🔴竹の会武蔵小杉アンテナ教室構想
これは今のところ、わたしの心の中だけの計画である。竹の会武蔵小杉教室構想を夢想しております。竹の会の生の指導を武蔵小杉でも受けられる、もちろん竹の会塾長の直接指導が受けられる、当分は、土曜日5時間の指導、を計画しています。神奈川県川崎市、横浜市のみなさんにも、竹の会の指導を受けられる機会を提供したい、今はそんな思いに駆られています。ひとつのきっかけは、神奈川県に属する東横線沿線、横浜市に在住の親御さんからの問い合わせを何通か受けていたことが心にあったことがありますが、一身上の事情で、武蔵小杉に竹の会を開設することが可能になりつつある、ということだけ申し上げておきたいと思います。
●小3後半から小4の5月までが竹の会入会のタイミング
幾度となくわたしは申し上げてきたのですが、竹の会に入会するタイミングは、小3の後半から小4の5月ごろまでが最適と思います。もちろん子どもの能力の多寡にも影響されることですが、逆に、能力が高ければ早い時期の指導開始がいいはずで、かつてのように小4の2月、つまり小5になる直前の開始では、遅いということが、これまでの指導経験で実証されてきたところです。能力がそれほどたかくなければ、早く始める必要があるのは、当然の論理です。
小5の入会が一律にダメというわけではない
勉強第一に生活を優先する家庭でかつ能力の高い子であれば、小5前半入会でも成功した例は多々あります。しかし、何かと私的予定を優先させる家庭だとまず合格することはない。
理想は、勉強を最優先させる家庭、小4前後の入会ということでしょうか。入会試験に正規に合格することがもちろん前提となります。
このこととの関連で申しますと、本年は、いわゆる仮合格による入会を認めないこととしています。仮合格者は6か月の仮の入会を認めて、その間に指導の可否を判断するという趣旨でしたが、特に、小5前後入会の子たちの指導の進捗がよろしくない、ということがありまして、当初のお約束の退塾も円滑に進まない、という事情もありまして、仮合格そのものを見直さざるを得ないこととなりました。
竹の会の指導は、現在わたしの中では、最高水準にある、と自負しております。わたしの作る、竹の会教材の秀逸なことももちろん否定しませんが、やはり指導歴30年超のわたしの指導技術に尽きると自負しております。わたしは、小学低学年の指導技術を開発し、次第に高度化する指導体系を作り上げてきました。わたしの作り上げた算数、いや割合概念の構造化を体系化した算数体系は、約2年、つまり小4~小5の期間をこの訓練に費やすことで、子どもたちを思考型人間に換骨奪胎してしまうという、驚くべき快挙を成し遂げることに成功したのです。
竹の会の指導体系はすでに確立されたものであり、この指導体系に繰り込まれるには、頭の柔らかい時期、しかもたっぷりと時間のある時期でなければ、軌道に乗れない、そういうことです。それが、つまり軌道に乗るタイミングが、小4前後ということです。