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小石川・両国・白鷗一直線/都立戸山・青山必勝法/高校入試数学の極意

2019.04.23

 4月23日(火)春特有の曇り空。杉花粉はそろそろ下火なのでしょうか、いや鼻はそうでもないが、目はまだすっきりしませんね。今は一年中いろいろな花粉の害があるようで、杉花粉にしか反応しないわたしにはわからないのですが、同じような症状があるとしたら困ったものです。昨日は初夏の気温とか、子どもたちには軽装が目立ちましたが、春の陽気にはなんども騙されてきましたから、「暑い」は信用しないほうが無難と肝に銘じております。

 例年直前期に間に合わなくなる子が多いことはもうあたりまえになっていますが、そういう子たちがこの時期の長閑な気候に騙されて世間の口車に乗ってきたことは反面教師として学ばねばならないことです。どうか竹の会の受検生のみなさんがこれから8月までのもっとも勉強できる期間に時間を無為に過ごすことで無に帰すことのないことを祈るばかりです。世間が遊びに浮かれているときにこそ勉強に没頭することが勉強道の精神です。

◯高校入試数学の極意

 竹の会は、昭和60年10月開始の時から、高校入試で勝負してきました。その10月に入会したのは、代々木中学2年の女子3人でした。週2回、2時間の授業をやりました。この月には、評判を聞いた、同学年の子たちが、たくさん入ってきました。12月には、上原中の2年生が、評判を聞いてやってきました。彼は当時河合塾に通っていました。しかも東大の院生を家庭教師として、2人も雇っていました。彼はそれまでに有名進学教室を渡り歩いてきた、と言いました。志望校は、青山学院高等部。当時の偏差値61でしたか。個人指導でした。わたしの最初の授業で、彼は、竹の会に魅入られたようでした。河合塾を止め、家庭教師も解雇してしまったのです。彼のことは、過去ブログに書いています。わたしは彼の指導を通して、高校入試の過去問を解くようになりました。なぜか、最初に買ったのは、開成と武蔵の過去問でした。開成と武蔵の名前だけはさすがにわたしも知っていた、それで手始めに買ってみた、そんないい加減な理由でした。それから、慶應、早稲田高等学院、早稲田実業など名だたる有名難関高の過去問を、片っ端からから、買っては、解いていきました。首都圏の偏差値60以上の過去問は、ほとんど解き尽くしました。解き尽くして、さらに偏差値50前後にまで下げて、しらみつぶしに解いていきました。
 わたしの解き方は、とにかく藁半紙に、図をかいて解くというスタイルです。放物線定規や円定規などを使って、図を丁寧にかく、色鉛筆で、塗り分けたり、する。それから、問題を解いていく。問題は、最短、簡潔、平易をポリシーとしました。つまり、わたしの仕事は、理想の解法を発見する、ことでした。よく学参や声の教育社の解答とわたしの解答を比べ、それをコピーして生徒に配り、その違いを比べてもらいました。数学の解答というものが、印刷されたもの以外にはない、という生徒の頑なな、権威主義に支配された、固定観念を取り払うことに意を用いました。平成5年前後には、代々木中学と上原中学の「数学5」を竹の会の生徒たちが占めてしまうのではないか、と思われる勢いでした。竹の会は数学が「いい」という評判がたちまち広がりました。数学で竹の会にくる大手の子たちばかりで、困ったものです。また竹の会の受験英語の凄さを知らない人たちが、英語は英語塾、数学は竹の会と使い分けてやってきたものです。四谷大塚や日能研の子たちが、算数だけの指導を申し込んでくることも多かったのです。当時は「来るものは拒まず」でしたから、そういう子たちばかりが増えて、これではいけない、と「断る」ことが多くなりました。
 当時は、竹の会のオリジナルテキストを製作して、指導していましたが、中心となるのは、過去問であり、わたしの藁半紙解答でした。高校入試の過去問は、過去問博士というくらいに知り尽くし、必要なときに必要な問題を瞬時に選んでコピーしたものです。当時の教室には、首都圏の過去問すべてが揃っていました。転機は、平成15年頃であったか、パソコンが普及し、その頃、偶然に出会った数式ソフトに魅せられたのです。数万円もするソフトでしたが、このソフトとの出会いがわたしの夢であった自由自在に図を入れてしかもどんな数式もグラフも表現できるレジュメを可能にしたのです。大手はカネをかけてそういったテキストを作り、売りにしてきましたけど、もうそういうものに負けることもない。むしろ痒いところに手が届く、時宜に即した、臨機応変のレジュメを作れるのですから、大手の一旦作ったら変えられない、しかも集団授業を前提に万人に使えるように作られたテキストなど敵ではありません。

 分数を自在に表せて、関数、グラフも自在、図もかけて、色も自由に塗れた。こんな夢のようなソフトが現実のものとなったのです。最初の頃はたどたどしかったと思います。単発でいろいろとレジュメを作りました。練習です。さして次第にソフトの扱いに慣れていきました。いよいよわたしは、夢のレジュメ作成に向けて、平成17年、高校入試のためのレジュメ作成に取りかかったのです。ちょうど都立西をめざす中1の女子が入り、その生徒の成長に合わせて、レジュメを製作していくことにしたのです。中学3年間の履修内容のレジュメ化、高校入試の過去問のレジュメ化、これは大変な仕事でした。これまで使ってきた竹の会オリジナルテキストを廃止し、中学指導をレジュメ化するという大仕事でした。これまでに書き溜めてきた、過去問の解答・解説はもちろんレジュメ化していきました。3年が過ぎました。平成19年秋遂に完成したのです。20年入試、このレジュメで育ててきた女子が都立西を突破したのです。彼女はなんと豊島岡女子も撃破してしまいました。同じ年、同じく中1から指導していた男子が、桐蔭学園理数に受かりましたが、この男子はのちに東大文II合格しています。後年彼の父君が、この東大の合格を竹の会時代の思考訓練のおかげと書いた体験記録が残っています。
 現在、竹の会の高校入試定番レジュメは、その完成度が、高く、竹の会では、まずこのレジュメをマスターすることで、あっという間に、ハイレベルな入試数学の力をつけることができます。これだけでトップ都立に受かった生徒もいます。私立だと、中央大学高校まではこれでいけると思います。久我山の数学なら9割はとれるでしょう。実は、さらなる実力をつけるには、竹の会には、私立難関のためのレジュメ、独自校対策のレジュメも、すでに執筆済みですが、そこまでいかなくてもみな受かりました。
 平成10年に、竹の会から、初めて、早稲田実業高等学校、普通部、商業部に合格した生徒がいます。わたしが中1から指導してきた生徒です。彼は慶応義塾高等学校1次にも受かっています。彼の数学指導について、少し述べておきます。
 彼が使ったのが、わたしが編集した、「入試数学ベーシック」でした。彼が解いたら採点して、わたしの手書きの解説、解答を渡すということをしていました。9月に入ると、難関校の過去問を使って、例の過去問合格法を指導しました。7回解き直し、はこの時も竹の会の定番指導でした。まだレジュメというものが、竹の会に登場する前の話です。彼の合格体験記は、草枕に出てくるので、一度読んで見てください。
 竹の会の子たちが、入試で、数学に強い力を発揮するのは、竹の会の数学を学んでいるからです。
 竹の会の数学は、高校入試の数学が、数学言語を用いた、約束事に過ぎないこと、だから約束事を必要に応じて、使う技術を習得すればいいということを、過去問を通して、学ばせているのです。竹の会の定番とされる「入試過去問撰」は、「入試数学ベーシック」100問から、約70問を厳選し、それに徹底して解説をした構成になっています。その解説では、入試数学を解くための、必要かつ十分な「約束事」を網羅しました。よく受験テクニックと言われるものです。

 例えば、2次関数の問題で、1次関数の作る角の二等分線が出されたら、これは、2辺の比が、底辺を同じ比で分割するという約束事を使う問題なわけです。また、1次関数の式を求めるとき、中学の教科書で教えるのは、2点の座標から連立方程式を作り、求める方法です。しかし、これは迂遠な方法です。竹の会では、必要に応じて、より高度な、つまり高校数学の手法を取り入れた、簡易化した方法を教えています。例えば、1次関数の例では、まず2点の座標から、変化の割合mを求めます。そしてy−a=m(x−b)の式に、座標(a,b)を代入すれば終わりです。一瞬で片付きます。わたしは、高校生に数学を教えていましたから、高校入試の数学が、高校数学の「数学I」の約束事の一部しか使わないために、不便なことをよく知っています。もちろん学習指導要領がそうしているのです。わたしはそういう不完全な約束事はすべて完全なものとして取り入れました。だから確率にしても、樹形図で解くことはまず基本として教えますが、高校で習う、順列と組み合わせの理論は教えています。nC rやnP rです。例えば、開成高校の問題なんか、どう見ても高校数学Iが、使われていますよ。慶應義塾高校は、さすがにそういうことはしていませんが、だから相似の問題なんか、メチャクチャに複雑にして、なんやかやと見にくくしています。これは日比谷の問題もそうで、学習指導要領の範囲内で、立体と動点を組み合わせて、時間のかかる計算をやらせて、なかなか時間内に解けないようにしていますよね。偏差値の高い高校ほど、例えば高校の教科書に出てくる数列の考え方やガウスの記号の原理なんかを使って問題を作っています。先程も言いましたが、わたしは高校数学もかなり勉強してきましたから、そういう視野で、問題を見てしまうところがあります。つまり問題を作っている人の意図が見えてしまうのです。だからわたしはわたしのレジュメの作成では、そういう作り方をしてきたのです。
 竹の会の子どもたちが、わたしのレジュメを7回解き直ししたら、もう最強だと思いますよ。
 わたしのレジュメは、数学の約束事を、過去問を解くことを通して、定着させる、実戦でどのように約束事が使われるのかを教えているのです。等積変形などは教科書だけで終わらせたら、実戦で使えないでしょ。入試問題では、わざわざ等積変形を使ってなどとは言ってくれない。自分で「あっ、これは等積変形を利用するんだ」と気がついて解く体裁になっている。つまり入試問題というのは、想定された約束事というものがあり、それはたいてい隠されているか、暗黙の前提になっているのです。数学を解くというのは、そういう約束事に当たり前のように気がついて、当たり前のように使うことなのです。それが数学を解くということなのです。

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「入試数学ベーシック」と中に書きこんだ自作解答

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