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抽象化という知的な思考

2022.05.06

竹の会通信2022.05.06

 5月8日(日) 記念紅白饅頭配布します。Bのみなさんは11時30分以降(17時まで可)取りに来ていただければお渡しできます。

◎抽象化という知的な思考
 学力とは、抽象化能力のことである。抽象化とは、共通のハコを見つけ、それに名称を付与することである。もちろんこれは私の比喩です。
 勉強というのは、如何にして、抽象化するか、これに尽きる。
 複雑に見える事象も、抽象化すれば、シンプルに整理できる。抽象化とは、まさに知能のなす技です。
 ズバリ、頭の悪い子、理解の進まない子というのは、具体的なものしか受容できないのです。そういう子にいくら、抽象化のハコを示しても馬耳東風なのはあたりまえのことです。よく計算ではルールというものを教えますが、このルールも抽象化したもの、また定義ということを言いますが、これも抽象化したものです。
 計算を教え込むというのは、ほかならない、抽象化という脳開発の一環なのです。計算ルールを学ぶというのは、抽象化というものの邂逅にほかならないのです。さらに竹の会では割合という概念を抽象化訓練の核として位置付けています。子どもたちの脳に割合という抽象概念をあたりまえ化すること、これが私が長い間取り組んできた課題でありました。そのためにわたしは抽象概念をできるだけ目に見えるかたちにしたかったのです。それこそが、竹の会ではもはや子どもたちには当たり前になっているミクロマクロの図、思考です。子どもたちは、割合の問題を考えていく過程で、頭の中は抽象世界に踏み入れたが、右往左往している、迷っている、そういうことです。文章にたとえれば、よく国が出す、あの黒塗りだらけの文章を読まされているような者です。
 子どもたちの頭の中は黒塗りだらけです。そこからわたしは様々な抽象概念を取り込み、子どもたちの頭の中を抽象化していくことにしたのです。子どもたちは、面積図を知り、ダイヤグラムという考えに触れ、流水算や通過算、ニュートン算といった問題を通して、図をかく、算数図をかくことを通して、抽象化の視覚化を経験していくのです。その度に子どもたちは抽象化するということをほとんど無意識にやっているのですが、ここのところで、「わからない」という子はまず抽象化がうまくいってない、具体的な段階で、ウロウロしている、そういうことなのだと思います。もしこの段階で「解き方がわからない」などという言葉を口にするようなら、抽象化に失敗しているとみていいと思います。具体的な問題の解き方を覚える、教えてもらって覚える、そういう勉強に頭が習性化している、これは甘やかされた性格、依存性の高い性格からの弱音です。

 問題から、共通なものをハコ化して使い回すということができない、ということです。
 
◎都立中受検は秀逸なる子たちの戦いである!

◎中学とは、高校受験のための単なる通過点に過ぎない!!
 受検に落ちたのは、それほどの逸材ではなかった、それだけのことです。わたしは、落ちた子について、レジュメについて来れない、したがって積み残す、そういうことを指摘しますが、それはそもそも受検できるだけの能力がない、そう言っているだけです。落ちたら、勉強が足りなかったからだ、などと言っているわけではない。能力的に8倍の倍率を超えられるものがなかった、そう言っているだけです。
 誰もが受かる試験ではない、というのは、わかりきっていたことです。わたしのレジュメについてこれない、それは既にそもそも受ける資格がない、そう言っているだけです。
 落ちたら子どものせいにする。そんなことは言ってません。最初から受かるなんて言ってません。むしろ落ちると言ったつもりです。都立中受検とはそういうものです。
 そもそも難関と言われる試験に「受かる」などと言うことが言えるわけはないのです。勘違いしないでください。
 

  ただ中学は違う。公立中学というのは、真面目に勉強するのは、全体の2割弱です。8割の生徒は、勉強しない。部活三昧というのがほとんどと思いますが、ただやる気もない、無気力な中学生も多い。
 だから普通の能力の子が、もう夢中で勉強すれば、それなりに普通の都立に行ける。能力が高ければ、七都立も可能性はある。効率中学というのは、そういうところです。
 普通の中学生が、成功する条件
 ①まず、部活はやらないこと、形だけの部活ならいい。かなり知能の高い生徒でも部活をやれば潰れます。ましてや普通の子なら受験を捨てたに等しいでしょう。
 ②勉強時間について、平日は5時間、休日は、10時間(最低7時間)を目標にしてください。
  注 1日の勉強時間が3時間なら徐々に成績は落ちていきます。1時間、2時間というのは、ほとんど意味がなく、目に見えて最悪の結果になると思います。
 ③学校の進度に遅れたらもはや諦めるしかない。一年で中3までに習うことを終わらせる、これが理想である。普通の子でもせめて中2の夏までには終わらせることです。

  注 中2までは学校の授業だけで定期テストはいい点は取れるでしょう。しかし、中3になればわかりますが、受験はまはや失敗は確実です。
 ④内申は、5を兎に角とる。悪くても4で凌げ!
 中学は、高校受験のためにだけあると思え。
 定期テストは、内申テストだ。七都立に受かる実力とは全く関係ない。高校受験は、本番で何点取れるか、の素点勝負だ。素点をとるための勉強をしなければ勝てないのだ。竹の会の指導は受験のための指導であり、学校の成績は取れて当たり前と考えています。だから、学校の進度に遅れる、授業がわからない、ついて行けない、そういうことは想定していない。中1の末に親が「点数が下がった、勉強の方法がわからないのだと思う、教えてあげてほしい」などと相談してくることがよくありましたが、たいてい入学時はトップの子に多いのですが、要するに、勉強をしてこなかった、それだけのことです。中学生になると、スマホを手から話さない、思春期まっただ中の、特に、女子は勉強どころではない、部活で体がくたくたになるまで練習に励む男子、女子もいたか、そんな子たちに勉強しろ、といっても無駄です。中学はほんの一瞬です。すぐ高校受験です。中1の翌年はもう中2です。その翌年には3年です。そして3年から受験準備をしてももう手遅れです。4月に3年になって、6月にはVもぎが始まります。これは、そのときに、もうほぼ完成していることが前提ということです。4月から始めて何ができるというのでしょうか。

◎国語の解き方第5回講義

 筆者の主張② 読者の「知らない」、思いつかないような内容を主張

 その主張は、たいてい一般常識と食い違うこと
 

  ところで、常識とは何か、です。自分の常識と他人の常識が常に一致するとはかぎりません。その意味で常識というのは、かなり主観的なものです。

  だから国語の解き方としては、本文で扱われていることが、筆者が常識として扱っているのかどうか、をまず見抜くことです。偏差値の高い学校ほど、筆者は非常識を意識して扱っているはずです。

  それでは、筆者が、これは常識だ!と考えていることがわかる目印をあげてみます。

   ①~と思われがちだ。 ~と言われがちだ。

   ②~と思う人も多いだろう。

   ③~と考えられている。

 

   このような言葉が、「一般論(常識論)の目印」であると、思ってください。

   本文から常識論を見つけたら、その反対の内容が、「筆者の意見」だと推測できます。だから、本文を読解するというのは、あげて筆者が常識として述べていることを探す、見抜くことです。上にあげた言葉がいつも使われるわけではありません。だからあなたたちは普段から新聞や本を読み、常識というものをたくさん知っている必要があります。読解が弱いのは、まずあなたたちが、語彙を知らない、つまり文章を読もうとしても、わからない言葉だらけ、つまり文章に黒塗りがたくさんあるからです。そもそも文章を書かせて、平仮名ばかり、漢字を書いていても誤字、誤用だらけというのでは、そもそもの以前の問題です。語彙を広げる意味でも、新聞などを読むことです。小説もいい。小説を読むのは、もちろん主人公の生き方やストーリーに感動することもありましょうが、場面場面で、本来の常識はどうなのかと考えてほしいのです。あなたたちが読解できないのは、そもそもの常識、一般論を知らないからです。

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