2024.09.04
○高校入試必勝
夏の過去問検査で、不合格の判定を受けた生徒につきましては、このままでは合格は難しいと判断することになります。
今後の見通しは未知数ですが、できるだけ指導時間を多くとることが、合格の鍵となります。過去問による検査によるダメ出しとそのための「手」、つまり、ダメなところの炙り出しとその手直しとを際限なくすること、これが合格の要諦です。家庭学習に任せるのはおそらく危険です。自己の判断による家庭学習は必ず失敗をもたらします。わたしの制御を離れた我流の勉強は必ず失敗します。我流に走る人は往々にして自信家が多く、自己評価が高く、したがって自尊心が強い。自分が劣るということを隠す傾向が強く、そのため他との比較を極端に嫌う。そのため模試を避ける傾向があり、こっそりと自分限りで申し込み、成績を隠し続ける。わたしに一切成績表を提出しない生徒もいた。この時点で最初から落ちる選択をしたことになる。
ここ3年の竹の会の高校入試合格は、カネと時間をかけたからである。広尾高校のときは、2年連続1月、2月は学校を休んでほぼ毎日午後から指導した。このときは家庭の経済に配慮した費用でした。小学からいた子を高校入試で落とすことはできない。そういう気持ちからカネのことなど言っておれない、とにかく合格させるためにすべての手を尽くした。教材費などはかなりかかったがすべて持ち出しでした。こうでもしなければ受からない。カネと時間をかける。これが合格のすべてです。
○本当に受かりたいと思っていたのか?
どこまで真剣に考えていたのか、覚悟が伝わってこない。
本当に月8回、季節講習節約型で受かると思っていたのか。
ドンドンとやれないで積み残されるレジュメ、それでも盆、正月の帰省は欠かさない。季節講習も一番費用のかからない、時間の短いコースを当然のように選ぶ。さてこれで本気で合格すると思っているのか、真剣に合格したいと考えているのか。何がなんでも受かりたい、そういう気持ちはそもそもあったのか。
どんなにレジュメを積み残していても、相変わらず現状を変えることもない。
これが大手進学教室に中学受験で子供を通わせた親との決定的な違いである。合格のためには、最大の手を尽くす、そういう姿勢である。だから授業についていくために別に個別指導塾に通わせる、オプション講座はすべて申し込む、季節講習はすべてのオプションをフルで申し込む。もちろん受験が終わるまでは勉強最優先であり、実家帰省など一切しない。これが本気の私立受験である。
都立中高一貫校受検の家庭は、多くは私立に出す経済的余裕がないのが普通である。しかし、近年は、上記の私立受験生が都立に雪崩れ込みこれまでとは状況が変わった。都立中高一貫校は経済的に余裕のない家庭には狭き門となった。
この事情は、高校入試においても変わらない。高校入試というのは、様々な特性を持つ。
まず、学校は高校入試指導の力も責任もないということである。現在の高校入試を先導しているのは、塾である。
学校ベースでは受からないということである。この点を誤解して学校の内申がトップクラスだからと塾にも行かない家庭が多々ある。こうした家庭が、推薦という場合を除いて、偏差値の高い都立に落ちることは鉄板である。また仮に推薦で偏差値の高い都立に入れたとしても、落ちこぼれという地獄が待ち構えている。推薦合格=落ちこぼれと考えていい。
高校入試で志望の高校に合格したいと思うなら、それは受験をするということである。受験とは、ほどほどのカネで済ませて節約して受かるというものではない。
そのことが如実に現れるのは、大学受験であり、難関国家資格試験である。ここでは予備校にカネを使わなければ決して合格しないというリアルがある。もちろん能力は大いに関係する。
さて、予備校と一口に言っても話しは簡単ではない。予備校というのは、1年で合格させるという命題を抱えている。ということは、1年で受かるというのは、惜しくも落ちた、運が悪かったという人である。もともと受かることもなかった、基本からできていないとか、とにかく大学受験できる状態ではないとか、そういう人が、予備校に行って受かるようにはできていないということである。よく偏差値38から慶應とか東大に合格したという人がもし事実なら少なくともこの1年型予備校によって受かった話しではない。
何年かかったか、そういう話しになる。
こうして予備校を利用するとしても、高校期に最強の実力をつけておくこと、これが要件となる。
つまり、高校期にほとんど無勉強で、卒業して難関受験を志すというのは、想定外である。
さてこうなると、中学期、高校期の勉強が如何に重要か、である。さらに遡れば、小学期の勉強のあり方が問われる。中学受験を志す家庭の多くが、大手塾の営業方針に洗脳されて、小学期の勉強を誤る。竹の会で小学期を過ごした子たちは中学の勉強で「わからない」という形での挫折はしない。しかし、大手塾、その他塾、ましてや無塾の子たちはまず例外なく中学か高校で挫折することになっている。
竹の会の本来の指導はかつてのSコースやパスポートコースと言われた全指導にある。今のコース何回という指導は公立中高一貫校初期には比較的うまくいったが、それも入会試験に高得点合格した子たちがいたことに助けられての話である。今のように、内申も並みで入会試験も不合格の子たちだと今のコース設定では合格は難しいと思う。