2019.08.24
令和元年八月二十四日 晴れ
第2章 作文の作法
前段は、具体的な経験、体験を書け! 後段は、 抽象的な定義(価値判断)を書け!
これから作文の方法について、少しお話ししようと思います。
皆さんの作文を添削しておりますと、とても採点できない、落第答案ばかりです。まず基本的に、問いに答えていない。問いが求めている形式的な指示さえも守られていない。というかそもそもそも問いなど読んではいないのではないか、と思えるくらいに、全く問いの求める指示とは無関係に書いています。さらにより本質的なことは、問いの元となる本文の読み取りが不正確です。
あなたたちは、作文云々の問題よりもまず、元々の本文の読み取りができていない、のです。国語の基本的な読み取りという作業のところが、できていないのです。わたしは、読解のためにと、「読解の素」「新国語読解」などのレジュメを課題として、課して来ましたが、これを真面目に、取り組む者は少なく、真に嘆かわしいことでした。今更、そもそも読解とはなどと説く気もありませんが、作文ができないという前に、まず読み取りは確かなのか、を問い返してみるべきです。
要する、どうでもいいことを書くな!ということです。書くのは一つで結構。たらたらとどうでもいいこと、意味のない内容を書き足すように、字数合わせに埋めて、「書きました」などという顔をするな!ということです。
ひとつには、書けないのは、あなたたちに、哲学がないからです。わたしは、国語ができるようになりたいなら、哲学の本を読め、と忠告したことがありました。とりあえずは、高校の倫理の教科書がいい。山川のでいい。買ったら毎日声を出して読め! 1日だってサボってはならない。そういう努力をしないで、読解力がないなどとわめくな! と言いましたが、これを実行している人はほとんどいないのではないでしょうか。
もう一つ、歴史から、人生を学べ! ある時代、生きた人たちの生き道を想像力逞しく、頭の中に劇場の一つも建てて見て、そこで活動させてみてくれ。
日本史の教科書なら、山川出版が有名ですが、そこの「詳説日本史」をスラスラも読めるように訓練するといい、下手な本、読むよりよほどいい。
ちなみに、読解というのも、訓練です。小学低学年から、音読をやることです。毎日30分でもいい、欠かさず続けることである。
書けないのは、哲学がないからです。哲学的な思索をしたことがないからです。どこやらの作文教室に通って、いったい何を学ぼうとしているのでしょうか。
作文を書くとは、考えるということです。作文教室の形式的な、内容のない、方法なんか学んでも、仕方ないとは思わないのですか。いろんなことを考える、哲学的に捉えて、つまり、存在論から考える、のです。悩む、苦しんだ、その経験の数だけ、あなたの考えに、芯ができる、のです。
作文は、形ではない。心の叫びです。例えば、環境論の決まりきった、陳腐な議論を覚えて書くことではない。あなたの心の底からの、叫びを書けばいいのです。
みなさんの作文を添削していて、まず、問いに答えていない。それと、体験が、あまりにも抽象的すぎる。問いに対して、心の叫びで答える、具体的な体験をかけ、ということです。問いに答えるとは、問いの形式的な指示をきちんと答案にオーム返にして表すこと、そして内容において、問いに答えること、である。
合格作文
2つのことを書くだけでいい。
一つは、まず、問いに答えろ!
問いに答える形で、問題の所在を指摘しろ! なぜそういうことが問題なのか、を述べる。それだけでいい。
二つ目は、あなたの考えを、述べる。あなたの考えは、二行でいい。それから、その根拠を書く。根拠は、抽象的に書く。せいぜい一行である。それから、根拠を具体的に書く。ここであなたの体験を書く。体験は、具体的に、書く。あなたたちの答案を見ていると、ちっとも具体的ではない。「ある人が」とか、「友だちが」とか、「嫌なことを言われた」とか、とにかく内容を書かない。だから何も伝わってこない。それから体験は、せいぜい百字だ。二百字は多い。400字も体験を書いてる人がいるけど、問いは体験談を書くことではない。
あなたの考えは、定義の形で書く。「…とは、…をいう」の形で、あなたの価値判断を書く。必要なら、「確かに、…である。しかし、…であるから、…である」の形で、反対論に配慮、反駁しながら、自論を書く。
書いてはいけないことがある。よく作文の最後に、まとめのつもりか、展望、希望、決意を書く人がいる。そんなものは要らない。それから、あなたの対策など長々と書くな! たかが小学生の対策論など要らない。学者、専門家でもわからない対策をあなたたちが書けるわけがない。
「うちの子は作文が苦手なので」と、巷で評判の国語塾なんかに、通わせる母親や父親が、そういう国語塾を崇拝しているかのような言動が伝わりくることがありますけど、わたしには、そもそも「作文の書き方」などというものが、実しやかに「ある」とされる、親、国語塾の指導者の思考が、どうも胡散臭く思えて、仕方ない。
形式的な書き方が、わからないので、書けない、という認識が、そもそも真っ赤な嘘なのだから。
作文タブー集
●一文は長くて二行。とにかく一文が長いのはダメ。短文をつなぐのが、読みやすい文章なのである。
●同じ言葉は二回まで。
●段落を分けろ!
●誤字を書くな!
●できるだけ漢字を使え!
●文章は、「したがって」で、つなげるように書け! そういう文を論理的という。「したがって」という言葉を使えというのではない。文と文の間に「したがって」を入れたら意味がつながるように書け!と言っているのである。
●主語を書け!
●主語と述語を対応させろ!
●文章の言葉を自分流に言いかえるな! 文章の言葉はそのままの形で使う、答えるのが鉄則である!
●何を書くか、決めてから書け!
書きながら書くことを思い出したように書くな!
◉問いに答えるとは
次は平成21年白鷗の問題である。
問2
あなたは、今、大人になった時の自分の将来像を、どのように思いえがいていますか。その将来像に近づくために、どのような「型」を大切にしていきたいと考えますか。また、どのような「独自のスタイルをつくりあげ」たいと考えますか。資料Aと資料Bをふまえ、小学校生活での経験や身近な人の例などを挙げながら、四百字程度で書きなさい。なお、必要に応じて段落分けを行い、…も一字として数えなさい。
この問題の中には、たくさんの問いがある。これらの問いに、逐一答える形で、作文を展開していかねばならない。
問いを拾ってみると、
① あなたは、今、大人になった時の自分の将来像を、どのように思いえがいていますか。
② その将来像に近づくために、どのような「型」を大切にしていきたいと考えますか。
③ どのような「独自のスタイルをつくりあげ」たいと考えますか。
④ 資料Aと資料Bをふまえて、書きなさい
⑤ 小学校生活での経験や身近な人の例などを挙げながら、書きなさい
⑥ 四百字程度で書きなさい
これらの問いに全て答えるとしたら、400字で書くのは、余程バランスよく配置しないと全ての問いに満遍なく答えることなんてできないでしょ。
ところが、あなたたちは、上の問いを全て無視する人、①だけ書いた人、「自分の将来像」を「どんな職業」と読み替えて書いた人、「どのように」とは、具体的に、書けということですけど、抽象的に、書く人、「型」イコール「将来像」とする人、「独自のスタイル」は、「どのような」とあるから、具体的に書かねばならないのに、どうも曖昧なこと、体験だけで四百字を埋めた人など、とにかくメチャクチャなわけです。要するに、ちっとも問いに答えていないわけです。
まあ、これだけ問いを無視して書く人たちばかりだと、受検生のほとんどは、作文音痴なのではないか、と邪推してしまいそうです。少なくとも作文では、問いに答えた、だけで、勝ち組になりそうです。
それから、これは余談ですが、国語というのは、あなたの、自分の考えなんか、これっぽっちも聞いてなんかいないということです。本文の筆者が、どう、どのように書いているかを、本文から、探して、書き抜け、と言っているだけです。だから答えは、本文の文章さながらに書かなけれならない。ところが、何を勘違いしたか、わざわざ自分なりに言い換えて書く。国語という科目がわかってないのです。国語は、あなたの考え、本文に関する、あなたの解釈を尋ねる科目ではない。
竹の会合格35年史 竹の会昭和60年(1985年)創設
平成31年
中学受験
都立桜修館中等教育学校(男子)※併願合格 巣鴨中学 攻玉社中学 都立桜修館中等教育学校(女子)千代田区立九段中等教育学校(女子)千代田区立九段中等教育学校(女子)
高校受験
都立青山高等学校(女子)
平成30年
中学受験 都立桜修館中等教育学校 都立富士高等学校附属富士中学校 都立富士高等学校附属富士中学校 ※併願私立 東京農業大学第一高等学校中等部
平成28年
中学受検 都立小石川中等教育学校 都立白鷗高等学校附属中学校 都立富士高等学校附属富士中学校
高校受験
都立戸山高等学校 都立文京高等学校
平成27年
中学受検
都立桜修館中等教育学校 都立富士高等学校附属富士中学校
高校受験
都立戸山高等学校
平成26年
高校受験
都立駒場高等学校
平成25年
中学受検
都立小石川中等教育学校 都立桜修館中等教育学校 都立白鷗高等学校附属中学校
高校受験 ※1名中1名合格
都立北園高等学校
平成24年
中学受検
都立富士高等学校附属富士中学校
平成23年
中学受検
都立小石川中等教育学校 都立桜修館中等教育学校
高校受験
都立小山台高等学校 都立文京高等学校 都立産業技術高等専門学校
平成22年
中学受検
都立桜修館中等教育学校 都立両国高等学校附属中学校 東大附属中等教育学校
高校受験
都立富士高等高校
平成21年
大学受験
慶應義塾大学(商学部)千葉大学(法経学部)
平成20年
中学受検
都立桜修館中等教育学校
高校受験
都立西高等学校 豊島岡女子学園高等学校 桐蔭学園高等学校(理数科)立教新座高等学校
平成19年
中学受検
千代田区立九段中等教育学校 東大附属中等教育学校 東大附属中等教育学校
高校受験
都立狛江高等学校
平成18年
中学受検
東大附属中等教育学校
高校受験
都立富士高等学校 都立狛江高等学校
平成17年
高校受験
都立青山高等学校 都立新宿高等学校 都立大附属高等学校 桐蔭学園高等学校(理数科)
平成16年
中学受験
東大附属中等教育学校 成城学園中学校
高校受験
都立富士高等学校 都立富士高等学校 國學院高等学校
平成15年
中学受験
国学院久我山中学校 吉祥女子中学校
高校受験
都立新宿高等学校 都立鷺宮高等学校
大学受験
中央大学
平成14年
高校受験
都立青山高等学校 都立青山高等学校 都立青山高等学校 都立駒場高等学校
大学受験
慶應義塾大学(総合政策学部)上智大学(経済)
平成13年
高校受験
都立西高等学校 都立国際高等学校 都立新宿高等学校
平成12年
中学受験
東大附属中等教育学校 日本大学第二中学校 実践女子学園中学校
高校受験
都立青山高等学校 都立新宿高等学校 都立新宿高等学校 都立新宿高等学校 国学院高等学校 国学院高等学校 東京農大第一高等学校
平成11年
中学受験
立教池袋中学校
高校受験
都立青山高等学校 都立駒場高等学校 青山学院高等部
平成10年
高校受験
早稲田実業学校高等部(普通科)早稲田実業学校高等部(商業科)立教新座高等学校 日本大学第二高等学校 都立駒場高等学校 都立三田高等学校
平成9年
中学受験
成城学園中学校 大妻中野中学校 大妻中野中学校 恵泉女学園中学校
高校受験
都立青山高等学校 都立新宿高等学校 都立新宿高等学校 都立駒場高等学校 都立駒場高等学校 成城高等学校 成城学園高等部
平成8年
中学受験
昭和女子大附属昭和中学校
高校受験
都立青山高等学校 都立青山高等学校 都立新宿高等学校 都立新宿高等学校 国学院久我山高等学 東工大附属高等学校 日大櫻丘高等学校 玉川学園高等部
大学受験
東京理科大学(理工)
平成7年
中学受験
成城学園中学校
高校受験
東邦大附属東邦高等学校
大学受験
中央大学(法学部)
平成6年
都立青山高等学校 都立新宿高等学校 国学院久我山高等学校 帝京大学高等学校
大学受験
東洋英和女学院大学
平成5年
高校受験
都立大附属高等学校
平成4年
高校受験
都立青山高等学校 都立青山高等学校 都立青山高等学校 都立駒場高等学校 桐蔭学園高等学校(理数科)成城高等学校 共立女子第二高等学校 東京農大第一高等学校
平成3年
中学受験
東洋英和女学院中学部
高校受験
都立戸山高等学校 都立新宿高等学校 都立駒場高等学校 青山学院高等部
平成2年
中学受験
獨協中学校
高校受験
都立新宿高等学校 都立大附属高等学校 東京農大第一高等学校
平成1年
高校受験
都立国際高等学校
昭和63年
高校受験
都立駒場高等学校 都立芸術高等学校 都立大附属高等学校 富士見高等学校 国学院久我山高等学校
昭和62年
高校受験
都立駒場高等学校 都立大附属高等学校 都立大附属高等学校 都立目黒高等学校 青山学院高等部 市川高等学校 国学院久我山高等学校