Vもぎの成績表には, 学力検査点を縦軸に内申点を横軸にした早見表がある。そこでは, B判定とC判定との境(BC判定)に位置するマスを合格基準総合得点として設定している。
Vもぎの実力判定は次のようになっている。
S 90%以上
A 80%以上
B 60%以上
C 40%以上
D 20%以上
E 19%以下
ある質問サイトのベスト・アンサーには, この%を確率の意味にとらえているものがありましたが, そのアンサーはC判定だと「合格はない」と言いきっていましたが, それがベスト・アンサーなのには驚きました。
過去の竹の会の都立新宿以上の合格者にはいくらでもC判定がいたからです。それどころか, 都立青山でE判定でも受かった生徒もいました。
進学研究会の説明によると, たとえば, D判定というのは, 合格可能性が20%, 過去のデータからみて同じ学力の人が10人受験したら2人合格しているという位置を表わすとされています。
ベスト・アンサーは, B判定にさえ「合格はない」と言いきっていましたが, たとえ単純な確率論だとしても確率の意味を誤解しているとしか思えません。進学研究会の見解では,
B判定は「合格はない」どころか, 「合格の可能性が高い」というふうに考えているのは疑いのないところです。
入試は1回の結果で合否が判定されます。本番の得点が高ければ高いほど合格の可能性は高まります。その本番で取るであろう得点を過去のデータから推測して,
本番当日の得点を予測しています。Vもぎでは, 本番の得点が模試の得点よりも高いことが当然に予定されています。その上で算出しているので, 本番の得点は限りなくVもぎの予想点に近くなります。
本番の得点がV模擬の予想した得点よりも, さらに上の位置にあれば, それはかなりに合格の可能性が高まるということです。V模擬の想定したよりもはるかに上の力を短期につけたということだからです。
○VもぎB判定で現実に合格する可能性 2011年2月25日執筆
23日(水)に都立入試が実施されました。竹の会でも2名が受験しました。その中の1人の受験生の報告があり, 理科・社会がとても難しかったということでした。その子はもともと理科と社会とくに社会が苦手の子でしたが,塾の過去問検査では概ね8割は安定してとるようにまでなっていました。その生徒にとって難解でありかつ新傾向に見えたらしいのです。
もともと理科・社会が得意な生徒がどれくらい取れているかということが, 気になるところですが, もう一人の子は, 比較的理科・社会の得意な子ですが, やはり普段より低めでした。
理科・社会の難易度の上昇が合格者の平均点を下げることになるのかが気になるところです。
この点については, 他の主要3科で高得点をとった子が多ければ結局プラマイゼロで影響なしといえそうだということは私見として前回述べました。そこでは合格可能性のある平均的受験生像が, 各科目80点をとるものと想定した場合は, 「影響あり」として総体的に合格最低点がやや下がるのではないかということもやはり私見として述べました。
今もこの考えは変わりません。
ところで, Vもぎの設定する「志望校合格基準総合得点」は, BC判定に位置するところにラインをひいたものです。B判定は60%以上, C判定は40%以上ですから,
BC判定は50%以上と考えていいかと思います。つまり, 10人受けたら5人受かるところにラインを引いたということです。これをあるサイトのベストアンサーとされた人は,
その人個人の合格可能性を40%と理解して, 確率的には「合格はない」と言いきっていましたが, これが誤解であることはもうお分かりかと思います。
今日の私の疑問点は, 「志望校合格基準総合得点」を本番でとった場合の話です。つまり, BC判定にあたる点を本番でとったとして, 実際に合格するだろうかという話しです。
「志望校合格基準総合得点」が本番でも通用するのは, 受験生の層が超例外を除いて概ねVもぎ受験当時とあまり変化のないときだといえます。つまりVもぎ当時より,
格段の力をつけた受験生が突出して増えていれば, 本番でBC判定レベルの得点をとっても合格できないはずです。Vもぎの判定では, Vもぎで実際にとった点数から,
本番の点数を割りだして, 本番ならこれくらいはとるだろうというところでやや高めのところでBC判定を出しています。つまり, Vもぎは, 受験生が概ね本番では,
その後の勉強の成果か, あるいは本番がやや易しいかわかりませんが, とにかく得点が上がったという前提で合否判定しています。
そしてこの受験生全体の実力の上昇比率は, それほどの誤差もないのではないかという実感がしています。概ね「言い当てている」のではないか。つまり,
最後(1月)の模擬判定の受験生の上下関係は, 本番もそのままに維持されているのではないかと思われます。特に, 平均的な受験生が一気に実力をつけて高得点をとれるような事態にはなっていない,
と思うのです。むしろ当初Vもぎが予測した幅での受験生全体の総得点の上昇があったに過ぎないと考えるのが常識的なのではないでしょうか。もちろん中には神がかり的な実力アップをした生徒もいるかもしれません。しかし,
それは全体からみれば「志望校合格基準総合得点」に影響を及ぼすほどのものではないと判断できます。逆に, 得点が「とれない」生徒もいるはずだからです。
ただこのへんの判断はやはりなんとも微妙なものです。
さて表題のB判定で現実に合格できる可能性について, 考えてみたいと思います。
B判定は, 10人受けたら6人合格するというものです。BC判定なら10人受けたら, 5人合格です。
ところで, 実際の高校入試の受験倍率はどうでしょうか。日比谷高校などは別として, たとえば小山台や文京では受験倍率は2倍です。これは, 10人受けたら5人合格するというものです。つまり, BC判定の点のところで, 10人のうちから点数の高い順に5人まで受かるということになります。
それなら, 本番でB判定ほどの点をとれば, 10人受けたら6人合格です。もしA判定ほどの点をとれば, 10人受けたら8人合格です。
受験倍率2倍というとき, 受験生の平均がBC判定と想定しても, 実際は, C判定D判定, そしてAやS判定の人もいるわけですから, 結局, 受験倍率2倍なら, BC判定で100%合格できるはずです。つまり, 100%合格できるということになるはずです。
今述べたことはすべて私の勝手な推測ですので, そのまま信用しないでください。私はただこうも考えることができるといっているだけですから。