2021.06.19
◎総合索引帳方式~受験勉強のある方法のこと
かつて旺文社社長赤尾好夫は当時の大学受験生のベストセラー通称「豆単」の栞に、人間は忘れる動物である。忘れたらまた覚えればいい、みたいなことを書いていた。
忘れるということが、わかっているから、試験直前に忘れそうなことを一気覚える、というようなことをやる。このとき、整理仕切った知識を反復繰り返し覚えこむ。司法試験や公認会計士試験、司法書士試験のような、覚える知識が膨大な試験では、普段の勉強は、理解と整理、直前1か月は、整理したもののひたすらな反復読み返しにエネルギーを注ぎこむことになる。
私は主として、司法書士試験、司法試験、公認会計士試験を念頭に置いている。この3つ試験の中で、実は、資格のステージが一番下の司法書士試験が暗記量では、一番過酷と思う。なにしろ科目が多い。それを試験は1日で実施する。
さて、それはそれとして、当面問題となるのは、高校入試である。
都立高校では、5科目が課される。その中で、理科、社会が、合否を左右する。
もちろん数学、国語、英語は、当然に高得点を取っての話しである。
理科、社会は、中3になって頑張ってもたいていは点は取れるようにならない。総じて、中1、中2で真面目に勉強してこなかった者が、中3になって取れるようにはならない。
さらには、中1中2の定期試験で、理科、社会90点を取って、内申5の生徒でさえも、中3の模試の理科、社会はたいてい6割、7割止まりのことが多い。これはどうしたことか。
定期テストのような範囲の決められたテストでは、点は取れても、範囲なし、というか中学三年間の履修内容すべてが範囲の入試では、定期テストのやり方は通じないからである。
ここで、先程述べた資格試験の方法が有効となる。
ただ、高々高校入試である。仔細に調べてみると、出題される事柄は自ずと限られていることがわかる。つまり、小数点以下をほじくるような問題は出ないということだ。理科なら本当に重要な事が繰り返し出ていることがわかる。よく社会は、見たこともない問題が出たと受験生が大騒ぎしているのを例年見るが、これは知識を聞いているわけではないのだ。特に、地理にそういう問題が多いのだが、それは地理という科目、学問のコンセプトに関係している。地理という科目をどう捉えるかである。
地理の捉え方、そういうもの掴んで、そのコンセプトに即して知識を見つめなおす、整理する、そういう方法が、想定外の出題、予想外の出題というパニックを回避することになるのではないか。知識偏重主義だとどうしてもその知識がなければそれで第一巻の終わりとなる。コンセプトから考える習慣をつけておくと、未知の問題が出されても、コンセプトから考えることで、対応できる可能性がある。私たちは、不完全である。完璧にやることはできない。そのことを前提に、踏まえて勉強というものを戦略的に捉えていかなければならない。
勉強とは、各科目のコンセプトを見定めて、そこからコンセプトと沿って知識を体系化することをいう。
だから、学問の初めは、まずコンセプトを掴むこと、これに全集中することである。
コンセプトから考える習性を身につけろ!
次に、私が、効率的な勉強方法として、常ならず考えてきた、温めて来た方法について、従来の、つまり、皆さんが、実践されている普通のやり方と比較しながら、お話ししたいと思います。
中2までは、サブノートを作り、それを、ひたすら覚える、それでいいのだと思います。しかし、先程述べましたように、高校入試では、これは使えない。範囲が広すぎるからです。
わたしは、従来竹の会で、三年間のまとめテキスト一冊、これを各科目に用意して、ひたすら読む、7回以上、できれば20回以上読む。この時、色鉛筆を使う。黄色、橙色、赤の順がいい。
これがいい方法であることは、実証済みです。
私が提唱するのは、索引方式とでも言うものです。
具体的に、述べてみます。
高校入試では、英語、数学、国語は、特に、その必要なありません。
問題は、知識テストの理科、社会についてです。
例えば、理科で説明します。
ノートに目次を書き出しましょう。
そしたら、見出しの言葉を書く。すぐ横にページを書き込む。
重要語を書く。すぐ横にページ数を書く。
慣れてきたら、問いを書く。すぐ答えのページを書く。
要するに、言葉の索引帳みたいなものを作るわけです。
一通り完成したら、見出し語なんか見て、空で説明してみる。最初は、わからないだろうから、すぐメモしたページをめくって読む。
模試なんかでできなかったところは、キィーとなる語を書き込む。すぐ横に模試の回数、ページなどをメモする。
なんでもかんでもこの一冊の索引帳に書き込む。
直前の勉強は、索引帳を見て、想い出す訓練をする。索引帳見て該当ページを瞬時に開き、読む、俊速でやる。それが大切です。
索引帳をながめながら、想い出す、わからなければ即座に引く、これです。
これは数学でも応用できます。
解けなかった問題の索引を作る。問題を写すのは手間なら、「第○回V模擬○番」でいい。
索引から問題引いて、考える。
もちろん英語にも有効だ。
利用法は無限に広がる。
竹の会のみなさん、具体的にわからなければ直接聞いてくださいね。