2022.12.13
進学重点校か、都立中高一貫校か
(1)進学指導重点校(7校)
日比谷、西、国立、八王子東、戸山、青山、立川
(2)進学指導特別推進校(7校)
小山台、駒場、新宿、町田、国分寺、国際、小松川
3 指定の考え方について
(1)進学指導重点校
選定基準に基づく過去3か年の適合状況を踏まえるとともに各学校の取組状況などを総合的に勘案し、現在指定している7校を継続して指定する。
〔基準1〕共通テスト試験結果(現役)[1]5教科7科目で受験する者の在籍者に占める割合が、おおむね6割以上[2]難関国立大学等に合格可能な得点水準(おおむね8割)以上の者の受験者に占める割合が、おおむね1割以上
〔基準2〕難関国立大学等(*)現役合格者数 15人
(*)東京大学、一橋大学、東京工業大学、京都大学、国公立大学医学部医学科
(2)進学指導特別推進校
進学指導重点校に次ぐ大学合格実績をあげる学校の中から、各学校の取組状況等を総合的に勘案し、現在指定している7校を継続して指定する。
23区の皆さんは、日比谷、西、戸山、青山、新宿、小山台、駒場を目標にすることになるかと思います。
竹の会は、学区制の時代から、青山、新宿、駒場に多数の合格者を送り出してきました。学区制撤廃後に受験可能となった西にも優秀な人材を送り出し、戸山合格者も昔から少ないですが、いました。しかし、なぜか、戸山は生徒に人気がなかった。渋谷区の子たちは、21グループのトップ都立戸山を敬遠した。それは優秀な生徒にしてそうだった。かつて都立青山に進み、東大に現役合格した生徒がいましたから、決して戸山が無理ということではなかったのだ。また慶應、慶應女子を第一志望とする生徒は、戸山を滑り止めにしたものです。戸山は難関高校の滑り止めでした。いずれにしても21グループ、22グループの雄は戸山であることには変わりなかった。当時はまだ隣接グループの雄、都立西は受けられなかったのだ。ましてや隣接でもない日比谷が受けられるはずもなかった。やがて隣接区の都立も受けられるようになって、竹の会からも都立西の合格者が出るようになった。
平成10年代は、学区制撤廃、公立中高一貫校制度スタートと目まぐるしい変化の嵐だった。公立中学における学習不振、学力低下、都立高校の凋落と都立の環境は悪化の一途だった。制度改革は焦眉の急とされた。都立中高一貫校がスタートして15年が過ぎたが、さて制度は成功したのかどうか。
日比谷、西は、まだ中高一貫校とは、距離を置く。特に、早慶の合格者数はだんとつである。6年型都立(中高一貫校)のうち、小石川は既に、進学重点校の日比谷、西には及ばないが、国立と伍し、青山、戸山は既に追い抜かれている。ただし、進学重点校の早慶合格者数は、6年型都立より遥かに多い。
今後は、日比谷がさらに合格者数を増やし、都立の雄となることは間違いない。西、国立がそれに続く形は変わるまい。また、小石川が、都立中高一貫校の中では、これからさらに群を抜いていくことは間違いない。
都立中高一貫校は、一部を除いて、頭打ち、伸び悩み状態にあることが見てとれる。3年型都立と並ぶのがやっとというところばかりである。結局、公立中高一貫校制度は、小石川と武蔵を進学重点校並みに引き上げただけということになるのか。進学重点校も、結局、日比谷とその従者の西、国立という型で収まることになるのか。
なお、3年型都立の定員は320、6年型都立の定員は160なので、受験数が、2:1ということも考慮しなければならない。2:1をどうとらえるか。単純に、例えば、日比谷の東大合格者数を2で割って比べる、というものではない。日比谷と小石川も一定割合の「落ちこぼれ」がいる。また小石川の方が、より才能ある者を凝縮して集められている点も見逃せない。この点は日比谷も変わらないと思われるかもしれないが、内申制度によって、才能のない者が3割は紛れ込むと見ていい。秀才を集めたと言っても、中学受検の方が、私立難関中学受験者も広く併願するから、小石川の方がより優秀な人材を集められるとも言える。だから単純には比べられないわけである。
2022年4月データ
※3年型都立
日比谷 東大65 京都13 一橋9 東工大6 早稲田185 慶應133
西 東大27 京都23 一橋19 東工大13 早稲田169 慶應92
国立 東大19 京都15 一橋14 東工大22 早稲田156 慶應73
戸山 東大12 京都7 一橋10 東工大7 早稲田64 慶應31
青山 東大6 京都1 一橋13 東工大4 早稲田117 慶應45
新宿 東大3 京都1 一橋8 東工大4 早稲田74 慶應31
小山台 東大0 京都0 一橋2 東工大8 早稲田66 慶應19
駒場 東大0 京都1 一橋2 東工大8 早稲田32 慶應13
八王子東 東大6 京都0 一橋4 東工大7 早稲田41 慶應24
※6年型都立
小石川 東大20 京都4 一橋9 東工大5 早稲田71 慶應31
武蔵 東大11 京都3 一橋5 東工大8 早稲田50 慶應20
両国 東大6 京都1 一橋3 東工大3 早稲田32 慶應16
富士 東大2 京都0 一橋2 東工大3 早稲田32 慶應6
白鷗 東大3 京都0 一橋2 東工大4 早稲田16 慶應12
桜修館 東大0 京都1 一橋1 東工大1 早稲田37 慶應14
立川国際 東大4 京都0 一橋8 東工大1 早稲田20 慶應11
大泉 東大2 京都1 一橋1 東工大1 早稲田40 慶應12
三鷹 東大0 京都0 一橋8 東工大3 早稲田38 慶應21
※6年型区立
九段 東大7 京都0 一橋2 東工大3 早稲田15 慶應27
これから、6年型か、3年型か、を考えるとき、まず、小石川の選択は、難しい。小石川は、開成などの難関私立の併願校であり、既に普通の子が受かるところではない。
これに対して、6年型には、まだチャンスがある。区立中学というクッションがあるからである。もちろん日比谷は選ばれた人しか入れないエリート校であり、才能がなければチャンスはない。しかし、進学重点校の中には、少しの才能と多くの努力で入れるところもある。都立中高一貫校受検よりも、選択の幅は広がる。よき指導者にさえ恵まれれば、敗者復活も夢ではない。
6年型は、高校入試がないのがいいと言う人もいる。しかし、6年型も序列化が進み、突出した小石川、武蔵以外は、入っても、大学入試で3年型に負けることを考えると、チャンスの広がる3年型をめざす方が賢いとも言える。