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都立戸山、都立小山台への道~これからの都立入試 社会のこと

2023.03.03

⚫私立中学の受験のこと

 竹の会では、都立中学の合格を合格速報として発表してきましたが、実は、毎年私立中学を受験して、合格をしています。竹の会ではその合格をあえて公表してきませんでした。例えば、今年は、普連土学園、西部文理、八王子学園などを併願受験して合格しております。去年も東洋大学系の中学など複数に合格し、そのまま進学の子たちがいました。今年特に、このことを書く気になったのは、普連土学園が適性試験ではなく、算数・国語の2科受験で合格しているからです。令和元年の攻玉社中学、巣鴨中学合格のときは、算数特別選抜(募集3名)の中での合格でした。竹の会の子たちは、算数に強い、ということの証しです。割合というテーマを子どもたちは1年、2年と取り組み格闘してきました。優秀な子になると、開成・麻布レベルの算数を解けるまでに成長します。だから竹の会の子どもたちが、腕試しに私立を受けたら、合格することが多いのです。お母さんたちは驚くようです。

 

これからの都立入試社会のこと
 未知との遭遇❗️
 知らない知識が出た❗️どう対処しますか❓ 知識がない❗️  なら、一巻終わりですか‼️
 それは早計です❗️
 あなたの基本の知識が正確なら、まだ諦めるのは、早い。
 あなたの知ってる知識が、正確なものなら、それを根拠に推測によって正解に達することができる。実は、社会、いや理科も、少ない知識でいいから、正確な知識であることが、あなたを救ってくれる。
 令和5年都立社会4番問3
欧米諸国に対抗すらため、外国から技術を学んで工業化が進められた。とあるが、次のア〜ウは、明治時代に操業を開始した工場について述べたものであるが、略地図中のA〜Cは、ア〜ウのいずれかの工場所在地を示したものである。ア〜ウについて、操業を開始した時期の古いものから順に記号を並べよ。また、略地図中のBに当てはまるのは、次のア〜ウのうちではどれか。
ア 実業家が発起人となり、イギリスの技術を導入し設立され、我が国における産業革命の契機となった民間の紡績会社で、綿糸の生産が開始された。
イ 国産生糸の増産や品質の向上を、図ることを目的に設立された官営模範製糸場で、フランスの技術を導入し生糸の生産が開始された。
ウ 鉄鋼の増産を図ることを目的に設立された官営の製鉄所で、国内産の石炭と輸入された鉄鉱石を原材料に、外国人技術者の援助を受けて鉄鋼の生産が開始された。

 注 略地図は、群馬県、北九州市、それから大阪の位置に印があるもの。
 群馬県の富岡製糸場は誰でも知っている。八幡製鉄所も誰でも知っている。大阪には、もちろん渋沢栄一の作った大阪紡績がある。大阪紡績は、知らない人が多いだろう。なぜか。これは教材を発行している大手塾、参考書を出している出版社などの責任が大きい。重要な知識として取り扱っていないため、たいてい省略している。ところが、教科書にはちゃんと載っているのだ。
 問題は、操業を開始した順に並べるものである。ここで、八幡製鉄所のできた年を「正確に」記憶していること、富岡製糸場のできた年を「正確に」記憶していれば、かなり推測は楽になる。さらに、製糸と紡績の知識があれば、推理の根拠になる。
 せいし【製糸】
繭を煮て糸を繰り、数本集めて一本の糸にする工程。
ぼうせきし【紡績糸】
紡績によってできた糸。綿糸・毛糸・麻糸など。
ぼうせき【紡績】
(名)スル
①短い繊維を平行に並べ、引き伸ばして撚りをかけ、一本の糸にすること。

◯素朴な問い
生糸と綿糸、どちらが先?
軽工業と重工業、どちらが先に発達するか?

この素朴な問いが、正解の糸口となろうか!
 そうなのだ。推理、推論とは、的確な「問い」と、その「答え」の連鎖なのだ。推理というのは、本質的な知識、それは論理的な先後の関係、つまりある命題を前提として成り立つ命題を積み重ねて、結論に達する方法である。
 問題を解くとは、核となる知識について、的確な「問い」を立てることであり、答えは、自然必然的に出てくる。
 推理は、正確な知識が、なによりも前提となる。
 こうして、普段の勉強では、核となる知識の正確な理解に努めなければならない。 
 知ってる知識を100%活用せよ!ということは、「知ってる」とは、何か、に関わる。「知ってる」知識は、「正確」でなければならない。「知ってる」知識は、「ある視点から関連づけられたもの」でなければならない。すなわち、「知ってる」とは、「ある視点」から見ての知識の関連性を理解している、ということである。
 例えば、明治の産業史という視点から見た富岡製糸場、大阪紡績の意味、の如しである。知識は、単独で覚えてもあまり意味はない。必ずある視点から見た複数の知識の関連から意味づけを行うことである。
 これからの都立社会
 もう塾のテキストはいいのではないですか。もちろんカラーのよくまとめられた参考書もいらない。教科書だけあればいい。教科書の読み方なら、我妻栄先生の方法がいい。教科書をじっくり読み、余白にメモしながら、読み通す。二回目からはずっと速くなりますよ。マーカーや色鉛筆なんかは、使わないで、メモに要約する。ただ矢印は、有効です。二回目に読むとき、メモが時間の節約をしてくれます。教科書を読むとは、メモに要約することです。要約とは、分類と総合することです。分類とは、共通点でまとめること、総合とは、抽象化することです。
 テーマ化すること、定義化すること、すべて抽象化です。
 抽象と具体は、読解の根本です。読解文は、抽象と具体の織りなす綾です。
 歴史、地理、公民の教科書は、もちろん読解文ではありません。知識の説明文です。知識ですから、もちろん具体が中心です。しかし、テーマ、制度の定義、趣旨、項目、背景、概説など抽象はいくらでもあります。具体的知識は、抽象化する、これを総合する、と言います。
 

 知識の極意‼️
 
 クロスレファレンス〖cross-reference〗
 本の中で相互に関連する項目を、どちらを引いても検索できるようにしてあること。

 知識と知識をクロスする‼️
 富岡製糸場と大阪紡績をクロスするとどうなりますか❓
 富岡製糸場から大阪紡績が検索できる、大阪紡績から富岡製糸場が検索できる。富岡製糸場と大阪紡績をクロスする抽象の糸は何❓
 日本の製糸、紡績と貿易、つまり輸出と輸入の増減、盛衰という糸でクロスする⁉️
 

 

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