2023.03.07
都立高校入試合格の鍵は、社会の克服‼️
最近の都立入試の傾向として、社会の平均点が他の科目に比してかなり低いことが目につく。
今年の平均点は、6月頃に発表されるはずであるが、特に、社会の難しさが、浮き彫りにされていた。
2022年の科目別平均点を見てみると、国語68.8点、数学59.0点、英語61.1点、社会49.2点、理科61.4点、と社会で点が取れていないことが見て取れる。
実は、これは毎年のことであり、これだけ社会が取れないと事前にわかっていても、ほとんどの塾が対応できていないということが鮮明である。今年の講評を、塾がネットでやっているのを見かけるが、最初からわかっていたようなことを言うところばかりで、後知恵の説明ばかりなのには失笑するしかない。
実は、「社会が難しかった」とは、試験後の声として、昔からよく耳にしてきた。ただ竹の会で、平成26年駒場合格者、27年戸山合格者、28年戸山合格者、文京合格者と全員社会は少なくとも80点以上取っての合格であった。その中には、理科、社会の点が取れず直前まで苦しんだ生徒が複数いた。令和元年都立青山合格者も社会で苦しんだが、本番では、90点近く取っている。社会で明らか失敗したのは、実は、2例ある。ここ何年かで都立に落ちたのは、3件あるが、そのうち1例については、どこを受けて落ちたのかも不明である。最初の1例は、都立小山台で、理科、社会とも取れなかったが、社会は60点ぐらい。もう1例は、都立新宿で、「理科、社会で失敗した」という母親からの報告がありました。詳しい情報は何も知りません。
2例とも、社会が難しかったからできなかった、というより、もっと実力の問題であったと思います。私が具に素の力を測る機会を持ち得なかった、あるいはなんらかの理由で真の力を知りえなかった、例です。
確かに、社会は難しかったのだと思います。そしてそのことはこれまでも変わらなかった。しかし、社会も、理科も高得点を取ってきたのです。突然社会が難しかったから、60点というのは、唐突で説明できない、と思います。竹の会のこれまでの生徒はどんなに社会が、理科が難しいというときでも、変わらず想定通りの90点前後を取ってきたのです。特に、社会が難しかったから、というのは、やはり説明できない。勉強不足というしかないのです。
さて、以上のことを踏まえて、社会については、特に、「難しい」ということを、検証してみます。
Wもぎの資料には、昨年の都立入試の科目別得点分布を示す棒グラフが載っています。
下記には、そのグラフをわかりやすく形にしてみました。横軸が0点-100点、縦軸が0%-100%です。
そのグラフをよく観てみると、社会の得点分布だけが、異常なことがわかります。25点〜65点に集中しています。これが、数学だとヤマの頂上は、70〜75で安定しています。もちろん山の形をしています。英語は、80点を頂上として左に斜め直線に下降、32点から急下降です。数学と英語の山形は輪郭がよく似ています。国語は、70点を頂上に、見事な小山を形成しています。最も理想的な山の形です。左右対称な山形です。理科は、40点〜100点まで横並びです。ヤマになっていない。長方形です。これはこれで異様な形です。普通ならヤマの頂上から得点が下がるにつれてなだらかに下がる、得点が上がるにつれて下がるものです。ところが、理科は、それぞれの得点、例えば、92点の割合人数と50点の人数がほぼ同じです。問題の難易度と比例した得点になっていない。どんな問題が出されても、極端に言えば、難問が出ても、易しかったとしても、100点取る人は一定数いる、ということです。つまり、難問を出しても、こういう人に通じない。ということは、理科はしっかり勉強すべきところを勉強していればどんな難問が出ても対応できる、ということです。
社会は、ヤマ形になっています。しかし必ずしも、難易度に応じたヤマ形にはなっていない。ヤマの頂上が、35点で65点までは頂上より微妙に僅かに右下がりに落ちていく、形です。左下降は急です。難易度にしたがったヤマにはなっていない。社会は、普通じゃない、と言えます。どんなに勉強しても65点しか取れないという人が一定数います。難問かどうかは、受験生の実力によるわけですが、難問と感じる受験生が大半いる、ということです。これは、難易度に比例していないグラフです。難しければ点が取れないということにはなっていない。易しければ点が取れるということにはなっていない。難しい時は当然、易しくても点が取れない、ということです。社会はほとんどの受験生が35点から65点に固まっています。特にいい人も、特に悪い人も少ない。つまり、社会は、知識未消化による失速の可能性が高いということです。社会は、地理、歴史、公民とそれぞれの科目が深く、広い。それでこの膨大な範囲を得点に結びつけるだけの知識が絶対的に足りない。だから細かい点を突かれると、たちまち万事窮する。大半の中学生が範囲の膨大さに圧倒されて消化不良のまま受験ている可能性が高い。つまり、今の大手塾のやるような重要点整理型の勉強ではダメだということです。世間には、社会の重要事項の整理みたいな参考書が多種多様に出回っているが、そのどれも今の都立入試の社会には、対応できない、ということです。つまり、これまでの重要事項の暗記というやり方では、解けない、ということです。
この点、理科は、重要テーマ(40テーマほど)ごとに問題演習を軸として勉強していけば、比較的効率よく高得点を取れるまでになります。
だから問題は社会です。社会の知識の範囲が膨大なことが、大きなネックになっています。つまり、重要なのは知識を追っかけるだけでは、35〜65点がせいぜい関の山だということです。
そんなに重要じゃない知識も片っ端から覚えて行かなけれならないのか。しかし、それは、あまりにも負担が大き過ぎる。
例年、都立入試が終わる度に、「今年は社会が難しかった」と受験生も、学校の先生も、塾の関係者も大騒ぎしています。ちょっと待てよ❗️ 塾の関係者が「難しかった❗️」はないだろ❗️
いったい何年都立入試の指導やってんだ。今年特にならわかる。しかし、毎年試験が終わるたびに、それでは、塾では対応できない、ということを白状しているようなもんだ。
今年の社会の歴史の問題で、「大阪紡績」が出たけど、いろんな塾の出している重要事項整理本を探しも、どこにも載っていない❗️ これ信じてこれしかやってない人、これを何回もやった人は、わからなかった、わけです。こんなテキストやらせておいて、今年の社会は難しくて受験生はできなかった、はないだろ❗️ 作ったのは自分たちだろ❗️
都立社会にどう取り組むか❓
問題点
① 範囲が膨大なこと
② 重要事項に絞る勉強では、必ず解けない問題があること
②については、そういう問題は捨てても、85〜90点取れるか、である。もし、取れるなら、重要事項に絞るだけでいい。
重要事項を準重要事項に広げてもその効果は虚しい怖れがある。
つまり、重要事項に絞る方法は、おそらく65点しか取れないのではないか。
社会をコンスタントに80点、90点に載せるには、重要事項法では、限界がある。
これをどうするかは、予備校、大手塾の仕事であるが、これらの塾の出しているテキストは重要事項法に依っている。しかも、難易度に対応するために、知識の網羅性という魔界に踏み込んだものも散見される。受験生の能力、時間的制約を考えれば、網羅主義崇拝テキストは挫折せざるを得ない。
竹の会でもこの課題に取り組むべく、当然対策を考えている。ただ竹の会では少なくとも近年の失敗者2名以外は、理科、社会で私のやり方で失敗した者は皆無である。理科、特に、社会が60点しか取れない生徒が、竹の会の指導で本番では90点前後取ってきたのが、通例であり、改めてその対策ということでもない。
これまでの方法は、中2までに都立過去問で80点以上取れるようにすることを目標に指導してきた。これを達成した生徒には、先の問題は生じていないのだ。
さて、そうとしても、竹の会なりの策は講じることになる。
それとして具体的にどうするか、これも明確にわたしには青写真ができている。
何が重要か、という視点ではなく、新たな視点が必要ということである。それは、重要事項法に依りながら、網羅主義の弊害を回避する、画期的な「視点」の発見にほかならない。都立入試の問題別正解率は必須資料となる。「ある視点」の発見には、最近5年間の過去問の分析も必要である。都教育委員会の出題方針を睨みながら、問題から出題当局が何を考えているのか、その意図を推測することが急務となろう。
わたしには、ある計画があり、その成算もある。少なくとも来年の受験では、「社会が難しかった」という一般の声はあっても、
竹の会の生徒は、「できた❗️」という形でご報告できればと思う。