2024.03.15
🔛あなたたちは、前倒し、早め、早めの意味がほんとうにわかっていない❗️
「あなたたち」とは、主として、母親ないし父親です。もちろん勉強する主体であるあなた本人は当然含まれます。
桜井信一さんの言葉をお借りします。
「あなたたちが時速5キロで走っていたところ、あなたは時速8キロで走ることにした。みんなは時速5キロのまま。単位当たり3キロの差がつく。どんどんつく。相手に対しての速さなんだということ。これは案外わかっていない」
単位あたり3キロの差の重み❗️
受験というのは、ここのところが、本当にわかっているか、ということなんです。
失敗するほとんどの人は、試験が1年先、2年先というと、時速5キロどころか、時速3キロ、いや1キロという人もいる。失敗する人というのは、普通の速度で行く人である。普通の速度もないなら、最初から受験など引き合いに出すのがおかしい。
最初から飛ばさないのは、単位あたりの速度の常識から言えば、相剰的に遅れていくことを意味する。
渋谷教室に移転してから竹の会の季節講習、例えばは、夏の講習は10日間で実施してきた。コロナ時期は、やらない年もあったが、家庭学習を一日10時間やることを求めた。ほとんどの子どもたちが、10時間前後を親の認証印をつけて申告した。しかし、全然力なんかついてなかった。むしろ成績は極端に落ち込んでいた。いったい10時間何を勉強したというのか。
すべてとは言わないが、家庭学習は、全く信用ならない、ということをわたしは再確、認識した。それよりも、わたしが、指導時間をかけて手をかけたほうが、確実に伸びていった。わたしは、家庭で一人でやる勉強は、特に、小学生につては、実は中学生も、全く信用ならない、と確信している。
令和に入って、わたしは、「手をかける」指導に拘るようになった。子どもを信じて子どもに任せるというのは、決していい結果を生まない、ということを令和4年の指導で、思い知った。子どもは信用してはいけない。わたしはすべての子どもを疑った。勉強したというのを信用していたら、それを前提として進めると、とんでもないことになる。彼らは、勉強してない、それが真理である。小学生の責任感に期待してはならない。手をかけて目で確かめて見たものだけを信用しなければならないならない。例えば、教室でやるべきテストを、終わり切らないので、家でやってきたら合格、だれも解けなかった難問を家で解いて来た、塾でなかなか進まなかったテキストを土日で終わらせて来た、しかも正解だらけ。通常の指導で一問最低でも1時間はかかる。それでもなかなか正解は出せない。なのに2日でほとんど正解、そんなの信用できるわけがないでしょ。平然と「自分で解きました」という。思考力というのは、一問に何時間もかけて本当にミリ単位で、薄紙を貼り付けるようについていくものだ。それが2日で解いてきた、どれだけ思考力がついたというのか。誤解して欲しくない。問題を誰かにきいてまで早く解く、これ宿題じゃないんだけど、終わらせたらそれだけ前に進んだ気になる。思考力がついた? んなわきゃないだろ。そんなんで受かるわけがなかったのだ。
先程、時速5キロの人と時速8キロの人の例を、あげて説明してみた。
時速5キロどころか、時速3キロ、時速1キロという子もいる。もう先へ進まない子もいた。習い事、稽古事をやりながらというのは、結局、平均すると時速3キロ以下になろうか。家族旅行、その他の私的行事に時間を使えば、単位あたりの時速はさらに減る。
しかし、考えてもみて欲しい。合格域、合格水準というのは、受験生相互の相対的なものとは言うものの、客観的な、合格水準というものはあり、要は、その域に到達しなければ合格はあり得ないのである。つまり、合格までの道のりは確定したものである。この道のりを時速3キロでずっと行っても目的のところまでは到達しないことは明らかである。5キロでも間に合わない。ところが、わたしから見れば、世の中の皆さんは小4、小5とかなりのんびりと進まれるのではないか。習い事、稽古事なんかも勉強に優先させるから、さらに平均時速は落ちるはずである。
高校受験ならわたしは迷わず前倒しの指導をしてきた。これは、都立中学受検でも変わらない。そしてその前倒しするにしても、小5では明らかに遅い。間に合わないと言っているのだ。理想は、小2だが、一歩譲っても小3から始めないと、仕上げるのは、難しい。
いいですか。
竹の会では、まず計算マスターにするところから始めます。小2の夏に来れば、一年ほどで、難関中学の計算問題を解けるまでになります。そうして、英語の文法にあたる解法の組み立て方を学んでいきます。ようするに「あれやこれや」と考えをめぐらすこと、「ああでもない、こうでもない」と悩んで、葛藤することに時間をかけます。世の中には、解法はまず暗記してから、当てはめる勉強法がいい(野口悠紀雄『超「超」勉強法 潜在力を引き出すプリンキピア』、和田秀樹「数学は暗記だ」)などという人もいますが、なに、和田秀樹は灘中高で東大理Ⅲ、あの鉄緑会創設のメンバーの一人ですよ。野口だって、出身校は、日比谷高校から東京大学(学士)、カリフォルニア大学ロサンゼルス校でM.A.取って、イェール大学で、Ph.D.を取っている。こういう人たちが、解き方を覚えろなんて言っているわけです。、そこのところだけ強調して、他のすべてを、断捨離して、何か言ったことになるのか。普通の人が真似したら、その結果の検証は、もちろんない。こういうのは、言いっ放しだ。後は野となれ山となれ!!という人たちだ。まあ、本が売れたらいいということか。
親は勘違いしないことだ❗️
小4だから、いや小5になっても時速3キロの子が、合格適格水準に本当に到達すると思っているのか。
現実は、時速3キロで進んだ子が、時速5キロにすることは、不可能だ。それまで3キロの子は3キロのままだ。なぜ、それが知能だ。進度は知能に比例する。この点は次の機会に書いてみたい。
受験指導というのは、できる人とできない人がいる。後者には受験指導などそもそもありえないのだ。合格というのは、少なくとも受験指導ができる人でなければ「ない}のだ。以前は受験が無理と判断してもなかなか退塾を言い出すことは難しかった。子どもが真剣に受験勉強に取り組んでいるのに退塾してくださいなどとはとても言い出せない。
今年は、小5は1人しかいない。集まらなかったのだ。小4はこの一年間をあまりにものんびりと過ごしてきた。時速3キロ以下だと思う。小5になって、時速5キロではまず間に合わない。時速というのは、知能がブレーキとしてはたらくともはや絶望しかない。少なくとも受験は無理である。
ここのところを踏まえて親御さんはよくよく考えてほしい。今のままのスピードではとても間に合わないのだということを。