2019.12.16
第42章 高校受験で絶対にやってはならないこと
もう12月も半ばです。月1の模試をきちんと受けていれば、最低5回のデータが揃っているはずです。模試を実戦感覚を身につけるために利用する人は、V模擬のほかに、W合格模擬も受ける、という人も結構いるのか、と思います。
都立は、主要三科目で、独自問題を出題する都立と、共通問題の都立に分かれます。当然前者の方が偏差値は高い。
内申との関係
まず、高校を挙げてみます。
23区に住む生徒が通常受験するところを基準にしました、
独自校 日比谷、西、戸山、青山、新宿
共通校 駒場、小山台
※共通校には、やや落ちで、三田、文京があります。
まず、結論から言いますと、共通校は、内申が、42以上ないと戦えない。なぜなら、共通問題は、易しく、ともすれば満点を取る者などざらにいるからです。つまり、当日点では、優劣がつけ難く、結局内申の高い者ほど受かるという理屈です。
次に、独自校ですが、もちろんここでも内申が高いほど有利であることは変わりません。ただ独自問題が、共通問題ほどに易しいという、たまにある事態を除けば、独自問題は、難しいのが普通ですから、そうなると、例えば、内申が、38でも、当日点次第では、十分受かるチャンスがある、ということになります。つまり、実力があれば受かる可能性に満ちているのが、独自校です。
さて、V模擬やW合格模擬は、共通問題を前提として実施されています。独自問題については、別に、それぞれが模試を用意しております。ただ独自問題対策のV模擬もW合格模擬も、通常の偏差値基準は使えません。それぞれの模試実施会社が出している合格基準点は、飽くまでも共通問題を念頭に置いたものです。ですから、独自校の合否判定には使えないのです。ですから、その判断は、それぞれの塾によって違います。わたしには、わたしの判断基準があります。もちろんこれは企業秘密です。
都立の模試は、志望校ごとに都内の中学生のほぼ全員が参加しますから、これほど正確な判断資料はないと思います。独自問題校の模試も同じです。
さて、以上の予備知識を前提にして、考えてみましょう。
まず、共通問題校〜駒場、小山台
内申で決まります。駒場クラスになると、内申44前後がごろごろいます。もちろんその中には、内申だけ高くて実力の伴わない(特に女子に多い)生徒がかなりいます。内申が40あたりの子が合格する芽は、そういう子たちに実力で勝つ場合です。
共通問題は、易しいため、合格者の平均が高く、平均90点取るくらいでないと、勝負になりません。
「少し足りない」という点の取り方は、ほとんど受からない、と考えたほうがいい。余程問題が難しくて、全体の平均も下がったという場合でない限り、救われることはありません。
したがって、模試でも、少なくとも平均80〜85は取っていなければ合格は無理です。模試の方が、本番より少し難しめに作られているからです。
独自問題はどうか。
もちろん内申が高ければ、絶対に有利です。独自校には、内申がやや低くても、実力のある子たちが多数集まります。問題が難しいため、実力のある子が受かりやすいといえます。
もし独自問題志望の子が、共通問題の模試を受けたなら、90〜100点は取れるくらいの力が必要です。
共通問題校と理科社会
90点以上が、常識です。理社が80行かない子は、都立は無理です。もちろん駒場を念頭に置いています。模試で、80点台なら心配ない。本番は90前後狙えます。
独自問題と理科社会
理社は共通問題ですから、当然90点以上です。できれば100点取ってほしい。
都立志望者が、罹る理社6割病のこと
例えば、8月ないし9月の模試で理社6割なら、10月の模試でも6割、11月の模試でも6割、12月の模試でも6割、1月の模試でも6割、そして本番でも6割です。これは、長年都立入試を指導してきて、経験してきた事実に基づいております。この病に罹ると抜け出すのが容易ではないために、警戒してきました。
一旦罹るともう抜け出せない。竹の会では、国数英が安定している子については、本番ギリギリまで理社病の対策を取ってなんとか9割前後にまで回復したということが何度かあります。ただし、理社病と私が判断するのが早い時期でなければ対策も遅れます。
そのためにも、模試は大切で、模試とは、いわば毎月する血液検査みたいなものです。
なぜ理社病に罹るのか。
竹の会では、中2の夏から理社の対策を取ります。そのためにある教材を渡す。渡された教材は、中3になる前に7回解き直しを終わらせる。竹の会が渡す教材は全て7回解き直しを早期に終わらせなければなりません。理社6割病に罹る子というのは、これができていない。真剣に捉えて取り組んでこなかった、というしかない。気になるのは、理社病に陥る子には自分で市販の参考書を買いそれをやっていたという子が多いことである。それから部活でできなかったという子がほとんどです。私の言うことを真剣に捉えて真面目に取り組んできた子は、中3の八月の模試で、最初から理社は80以上を難なくとるものです。先送りさせてきたつけはみな自分に降りかかる、という受験の掟を決して忘れてはなりません。
先ほど申しましたように、模試というのは、八月から毎月受けなければなりません。これを先延ばしして受けることを先送りするのは、模試を勘違いしたものです。指導する立場からは、模試は、血液検査みたいなものです。毎月その結果を見て処方を指示するからです。
竹の会では、市販の参考書をやることはむしろ害になると考えております。中学生が参考書をやっているのを久しく見ておりませんが、過去わたしの指示を流して参考書をやった子たちは成績が下がって行くのが常でした。戸山、青山の合格者たちは、指導の日は、何をやるべきか、必ず私の指示を受けて、やっていたのです。自分の判断で好きにやっていくのは、自滅行為です。自分で判断してはだめなのです。自己管理できると考えて、自分の判断で、勉強を進める、市販の参考書を勝手に使う、こういうことをやると結果はもう見えています。
失敗した子の例に、もちろん部活三昧ということもありましたが、親が管理するというパターンもありました。過去問を親が家庭でやらせて管理するのです。わたしには、画像報告でした。つまりわたしに血液検査をさせないのです。回答を見て、わたしが判断して指示をするという機会がないのです。これは親はよかれと思ってやっているのでしょうが、指導妨害です。必ず本番では失敗という結果で、報われます。
今年の青山合格者もそうでしたが、27年、28年の戸山合格者も、何かをやるときは、必ず私の許可を求めてやりました。決して自分勝手に何の相談もなく自分でやることはなかったのです。常にわたしのコントロールができている状態がベターな指導状態です。
市販の参考書をやった子は必ず失敗しました。これも覚えておいた方がいいと思います。竹の会で高校受験をやるということはそういうことです。わたしは、高校入試のプロです。あなたたちの浅はかな判断でやれるほど高校入試は甘くない。やりかたを間違えば確実に失敗する、それが高校入試です。高校入試には、合格に至る道筋というものがあるのです。竹の会はその道筋を知り抜いている。あなたたちが少しでも自分の判断を持ち込み、竹の会を排除して、自己管理のガードをかけたとき、それは確実に不合格の道を選んだことになるはずです。
それからわたしの指示した教材を蔑ろにして、自己判断で買い求めた市販の参考書をメインにやっていたとしたら、それは大きな誤りでした。確かに、市販の参考書は、カラーで、華やかで、よく整理してあり、なんでもまとめてあり、よくできているのは知っております。あなたたちがそれに魅せられて、竹の会の指示書を適当にやったとしたら、それは間違いなく、理社6割病になる道を選んだということです。わたしは、長年の経験から、如何にしたらこの理社6割病を回避できるか、思案してまいりました。その結果、余計な知識は一切要らない。捨てる。その上で、シンプルな定義のみで、考える、という理社のアプローチを選択したのです。何もかも知識満載な参考書を排除したのです。何もかも載っている、知識満載の参考書は、あなたたちから考える力、想像する力を根こそぎ消滅させてしまうでしょう。便利な参考書は害悪でしかないのです。こうしてわたしの指示を守った子たちが、理社9割を実現してきたのはいうまでもありません。
もっと言えば、竹の会では、英語、数学でも、市販の参考書を使ったら、実力はつかないということを知っておいてください。わたしのレジュメと指示だけでいい。それで模試100点が取れる。市販の参考書を使った人が、数学、英語も六割病に罹ることも知っておいてください。
竹の会で高校受験に成功するというのは、常にわたしの指示通りに勉強している、血液検査を受けている、からです。わたしの指示を自分判断で先送りしたときは、失敗する。わたしの指示を流して、市販の参考書をやればその失敗は、模試がすぐ教えてくれます。わたしの指導は、長期を見通して早くから対策を取るものです。それは、本番直近には打つ手などないことをプロの経験から知り抜いていたからです。