2021.03.23
◎竹の会入会試験の趣旨
竹の会の入会試験は、指導可能な子を選別する趣旨です。竹の会の予定する水準の指導を実施した場合に、順調な指導が可能かどうかを検査するものです。たとえ入会試験をクリアしても、入会後に順調な指導ができないことがわかれば、そもそもの入会審査要件を満たさないことが、入会後にわかったということですから、本来入会はできなかったということです。
同様に、竹の会に対するご相談・ご意見につきましても、指導困難な場合にあたるとして、同様に入会試験の趣旨(指導可能な子を選別する)から、退塾をお願いすることもあることをご承知おきください。
集中指導による指導継続の意味
昨年から、季節集中指導の全員参加が不可能になり、希望者のみの任意参加となりました。今年の冬の指導は、大田区が特に冬休みが短く、竹の会も冬期日程を期間中に確保できませんでした。新型コロナが続けば今後もこの傾向は続くものと想定せねばなりません。また、かつては午前と午後の2クールを回すという離れ業もやりましたが、今は無理をしないように気をつけております。去年の夏は、学校の夏休みが、10日間しかないという逆境でした。今夏も同様の事態になれば、場合によっては中止となることも覚悟しておかねばなりません。
竹の会は、普段の指導に加えて特に、集中指導を重視してきましたから、かなりショックです。今夏は、1コースでも実施できればよしとしなければなるまいと思っております。まだ夏の日程がわかりませんので、なんとも言えませんが、去年は、大田区や品川区など夏休み10日間というところと、世田谷区のように30日間というところと、ありまして、大田区に合わせるほかありませんでした。皆様からの早期の夏休み情報をお待ちしております。
今年も楽観はできず、また蜜を避けるため、参加者を絞らざるを得ません。どうかご理解くださいますようにお願い申し上げます。
実は、集中指導による指導継続の意味は、学力退行を回避する意味があります。指導から離れると確実に学力は低下(退行現象)します。集中指導の消極的効果とでも言うべきものです。少なくとも集中指導に出ておけば学力低下は防げる(消極的効果)とともに、学力は前へ進みます(積極的効果)。
◎高校受験と理科
社会に引き続き、理科について、触れておきたい。
高校入試の理科は、対策が楽だと思う。基本問題しか出ないからだ。理科は、出題テーマが、40ほどあり、そのそれぞれについて、基本的になことをまとめておけばいい。例えば、月と地球、地震、地層、化学変化、酸化と還元、食塩水と溶解度みたいなテーマがある。重要そうなテーマについて、基本の知識を整理して、そのそれぞれについて代表的な問題を練習しておけば、基本的に対策は終わりである。社会と違って、覚える知識は、絶対的に少ない。
社会の知識が、多いのは、確かだが、網羅的に覚えるなどというのは、間違いである。社会の場合は、秩序、法則性、因果関係について、その証拠、証明に役立つ知識に絞って、覚えておけば足りる。これは、難関国家試験の勉強をする場合についても、言えることで、コツは、網羅的にやらないことである。国家試験こそそうである。国家試験だから、完全な対策を取らなければならないという発想が、既に失敗しているのである。
さて、理科の話しに戻るが、理科についは、特に、高校入試の理科については、いい方法がある。それは焦点を、計算問題に絞るのである。理科、特に、高校入試の理科は、理科計算問題を軸にやることが、賢明であると思う。かつては、旺文社から、いい問題集が、出ていたが、残念ながら今は絶版となっている。私も過去何冊か所有していたが、受験のたびに、生徒に与えていたら、なくなった。ところが、それ以後、この問題集に匹敵するものがない。平易過ぎるのだ。復刻すればかなり売れるのではないか。最近、わたしは、かなり高いカネをだして、古本を買った。これをどう生徒の指導に生かすか、思案中である。
よく、理科が苦手という生徒の話しを聞くが、これは、理科が苦手というよりも、そういう生徒は、たいてい数学が、できない。もし数学ができる生徒で、理科ができないというなら、それはただの食わず嫌いと思う。
理科には、知能の比重が大きいということである。が、といっても都立程度の理科では、極端に難しい問題はないから、そのことが決定的な原因になることは少ない。
都立中高一貫校と理科、社会対策について
これは、もちろん私立中学受験と同列に考えることはできない。
そもそも都立中高一貫校は、適性検査問題の中に、理科、社会の問題が、各2問ほど取り込まれるという形の出題で、問題は長々とやたら冗漫である。
私立受験では、理科、社会は遅くとも小5、大手は、小4から始めるのが、通常である。
都立中高一貫校の理科、社会の過去問を網羅的に検討してみると、あることに気がつくはずである。これは、都立中高一貫校における理科、社会の対策のあり方に関わる問題であり、これ以上のことは語れない。企業秘密として封印するほかない。
言えることは、竹の会の方法で、都立中高一貫校の理科、社会は、十分であった、ということである。そういえば、これまでの指導で、特に、理科、社会対策などやったことがない。しかし、きちんと合格してきた。特に、そのことが問題となったことはない。このたび理科、社会の過去問と竹の会のレジュメを仔細に比較検証してみて、竹の会のレジュメが過去の出題をほぼ完璧に押さえていることがわかった。
私の関心はそんなところにはなく、レジュメ指導による合格を確立させたい、完成させたい、という野心のほうが強い。
実は、このところ過去問合格法に翻弄されてきて、私のレジュメ一本でいくことに迷いがあった。それで併用してみたり、過去問合格法に偏重し過ぎて、思考するという姿勢を削いでしまった。これは、平均的な能力の子には致命的であった。7回解き直しが、却って脳から思考を追放した。覚える、繰り返しで、脳は覚えたことを思い出すだけの器械と化した。
問題をじっくりと読むことさえできなくなってしまった脳にもう何も期待できない。
直前まで、考えることに時間を費やすこと、これには、レジュメ指導しかない。平成24年の指導(25年の結果を踏まえて25年指導と呼ぶ)が、その指導だった。私の理想の指導であった。5人中3名の合格者を出したのだ。小石川、白鷗、桜修館。あの時、使ったレジュメの量はは絶対的に少ない。少ないレジュメで、子どもたちは、ひたすら考えた。与えられたレジュメを考えた。この指導は本番直前まで続けられた。子どもたちは、本番直前まで考える姿勢を維持し続けたのだ。これである。
今年の受検にあたって、私は、そこに回帰する決意をしていた。もう過去問合格法を捨てることに迷いはなかった。私は、蓄積された膨大なレジュメを絞った。厳選した。そしてさらに思考を深めるレジュメの執筆に取り組んだ。
今年は、25年指導に復帰した。いや25年以後執筆した膨大な量なレジュメをわたしは戦略的に使った。やはり竹の会はレジュメ指導だ。レジュメで子どもたちを伸ばす。レジュメの力を確信した今年の受検の指導で、わたしは、レジュメの力を存分に発揮させることができた。レジュメは、子どもたちの頭の中の世界を切り開くまさに魔法の鍵であった。レジュメのお陰で、思い通りの指導をして、子どもたちを合格に導くことができる。竹の会のレジュメはまさに魔法の杖である。