🎶高校入試　地理のこと‼️ 　

🎶高校入試　地理　の　こと‼️
　地理とは、地の「ことわり(理)」の学問である。
　ここで「ことわり」とは、理由のことである。
　すなわち、一つ一つの話しには、必ず「ことわり」があるということである。

　ここまではわかります。この「ことわり」をつけたものを一つの「ストーリー」として、一つの意味あるまとまりと捉えることももちろん可能である。
　しかし、巷で、「地理はストーリーであ」と言われるとき、正直このストーリーの意味内容がよくわからない。
　地理とは、わたしたちを取り巻く環境について学問であると言われる。自然的環境、社会的環境などの環境である。

　そういえばそうなのかと思います。
　定義はともかくとして、実際に、どのような内容が、どのように扱われているか、ということを見ると、言われている定義と符合するのか、はっきりしないところがある。
　教科書、参考書をそのまま読んでいると、どうしても知識の羅列が暗記へと走らせる。ただ羅列された知識を項目ごとに覚えるのが地理という科目なのか。バラバラの知識を覚えることほど効率悪く、苦痛なことはない。
　今、わたしは、地理とは何か、をわたしなりに整理するために、地理関連の本を読み漁る日々である。
　その中で、わたしの中で、わたしなりに整理するしかないのか、と考えるようになった、
　そういう流れの中から、地理を考えてみた。
　地理という言葉は、誰が考えたのか、考えてみれば、これほど地理とは何か、の答えを象徴した名称もないのではないか。
　「地」とは、土地の「地」、「理」は、「ことわり」と読むから、理由、論理のことだろう。「地」の「理」とは、「地」についての「論理」を綴った学問ということか。
　「地」には、それぞれ「論理」がある。地形、気候などは「地」の論理を語るものである。

　地理は大まかに捉える、鳥瞰的な一覧性が大事である。
　細かな数値、細かな知識を網羅的に追っていると地理の概観(要約)を犠牲にすることになる。そのことが地理を不得意にする、言い換えれば、諸悪の元凶なのではないか。
　とにかく「大まか」に捉えることではないか。瑣末な知識は捨てる。「大まか」こそが何かのヒントとなり、推理を可能にする。細かい知識は忘れていい。気候との関連で、地形との関連で、産業との関連で、それが「論理」なのであるが、「地」を語る、これこそが地理であろう。
　わたしたちは、特定の「地」に生活する、定住する人間である。だから「地」の「ことわり」について学ぶことは、すなわち、わたしたちを取り巻く環境について学ぶことにほかならない。だから、地理を様々な環境に関する学問だと定義するのは別にわたしの立場と矛盾することはない。
　わたしはすべての科目において専門家ではない。わたしは一介の塾の先生である。わたしの仕事は、専門の科目を噛み砕いて「要約する」ことである。ただ、「要約する」と言っても、それぞれの科目の精神が曖昧では、要約の方向が定められない。だから、要約者として、そこはやはり悩むわけである。
　そのために、もちろん要約をより正確にするために、数冊から数十冊もの本を読むことはあるわけです。
　その過程で、つまり「要約論」を考える過程で、膨大な知識、網羅的知識の大群に、わたしの要約論がたじろぐこと頻りである。よく書店を賑わす「要点」をまとめた要点物が多数出版されるのは、膨大な知識の羅列群に多くの受験生が呑み込まれ、方向を見失うことを前提の動きである。
　さて、ここで考えてみよう。都立入試の理科、社会は、出題数20から25問(細かい小問をカウントしても30問)である。このうち記述式が4問ほどあるので、選択問題はその残りということになる。こうして出題される問題は中学3年間が出題範囲とされているのに、あまりにも少ない。つまり、網羅的に出すことができない前提である。畢竟重要点に絞る勉強が合理的とされる所以である。このことは、理科については当てはまる。理科は重要な定理、実験、法則単位に勉強すれば十分である。
　しかし、社会は重要点のみに絞って勉強すれば、おそらく60点ほどしか取れないのではないか、と思う。社会は、地理、歴史、公民の3分野に分かれる。社会25問として、各分野に割り当てられる配問は各8問前後である。つまり、公民全範囲の中から8問、歴史全範囲の中から8問、地理全範囲の中から8問である。例えば、歴史の8問をどう割り振るのか。戦後史みたいな大振りの分け方ではないのは確かである。最近の傾向を見てみると、戦後史の中のある事柄についてスポットを当てるという問い口が多い。あるテーマについての、部分的な、縦断、横断的知識を問う形式もよく見られる。
　問題は地理である。例年、「社会が難しかった」という受験生の声が必ずあり、確かに、社会の出来が悪い。それで落ちたという受験生もいたのだと思う。
　地理の出題は、かつてのように重要論点、知識を尋ねる形式の問題は姿を消し、明らかに、系統地理の視点からの作問であると思われる。系統地理とは、地の「ことわり」を問うものである。既存の参考書が、伝統的な、地域による整理、地域単位の知識の羅列であることは、そのような参考書で勉強すれば、現代のような、地理の問題には対応できない、ということであり、地理の入試にも、大学入試と同じ出題視点が取り入れられつつあるということではないか、と思う。
　要するに、地域別に整理する手法では、昨今の地理の問題には対応できないということである。
　
　
　わたしの仕事は、必ずしも専門の徒ではない学問について、様々な書物を読み、そこから要約をして、簡潔な知識を提供することである。わたしは、大学入試の英語を要約し、高校入試の英語を要約し、高校数学を要約し、高校入試の数学を要約してきました。今秋には、高校入試の社会の一分野の「地理」の要約を提供する、ことを企図して、今、様々な書物を読んでいるところであります。　
　再度述べます。
　なぜ地理か。それは、地理で点を取れない生徒が多いからです。歴史や公民は勉強し易いというところがあります。歴史の場合、年表を軸として勉強すればいい。公民なら制度ごとにその定義、制度趣旨をまとめておけばいい。しかし、地理については、そのような軸となるものがわからない。知識がなにかバラバラにあって、尤も地域単位に整理はしてありますが、それをとにかく覚えることが地理の勉強になっている、と思います。要するに核がないのである。
　多くの受験生が地理を苦手とするのは、地域ごとにまとめられているとは言え、本質的に、バラバラの知識をとにかく覚えてしまわなければならない、その統一性のなさの故である。
　昨今の地理の試験は、昔ながらの一問一答はない。「ことわり(理)」を問題として記した上で、「地理」の「地」を尋ねる形式、逆に、記述式問題として、「地」についての「ことわり」を書かせる形式、この2タイプに分けられる。その比率は、「地」:「理」=5:1 であろうか。
　この執筆の目的は、わたし自身が、地理の何たるかについて、悩み、正直「わからない」と思うからであり、そのためにさまざまな書籍を読み、書いているのことの意味が甚だ分かりにくい、曖昧なことに腹立たしい思いをしながら、そこからわたしなりに、地理という学問を捉えるために苦心しているということである。わたしは、もちろん地理の専門家ではない。わたしは一介の塾の指導者に過ぎない。わたしの仕事は、どんな科目であれ、噛み砕いて、その「要約」を子どもたちに提供することである、と心得ている。わたしは常に要約者としての使命を果たすことを考えてきた。
　「地理」という名称が、地理の勉強の仕方を教えていた。
　地理の過去問を見るとき、「地」の「理(ことわり)」が、どう問われているのか、に注意を配りながら、読むといい。その問い口、問い方が、そのままあなたたちに、地理の勉強の仕方を教えてくれるだろう。
　それから、歴史や公民もそうであるが、細かな知識を「追う」勉強にはリスクがつき纏う、ということを忘れてはならない。知識を追えば、思考は停止するのだ。第一、問題を解くとき、覚えているかどうか、を思考の中身とすることは、曖昧な記憶を辿るだけの対応になってしまう。私たちは、現場で「考える」、考えて判断する、それこそが、試験を受ける、ということではないか。
　記憶は、大まかな方向、論理、輪郭を押さえるだけで、細かい知識は、本当に必要なものを、後で、覚える。リストアップしておく、後で「覚える」でいい。だから普段の勉強は、大まかな方向性を掴むことで足りる。この大まかな方向性こそが、現場で思考する際の方向づけをしてくれる、従って、正しい結論に導いてくれるのだから。
知識は大まかに、その方向性、輪郭、全体像を、つかむこと、それが未知の問題に対したとき、答えの方向性を与えてくれることになる。問題は、まず「読み」、次に注意深く「観察する」。読解とは、畢竟この「観察」こそが生命と思う。わたしはいつか「読解観察論」を展開したいと思う。
　問題を解くとは、問題文の観察に9の力を、閃いたアイデアを1の力で、按分する、ことで丁度いい、
　ところが、多くの受験生は、問題文に1つまり、流し読み、飛ばし読み、で、いきなり問題を解こうとする。
　しかし、これは、大きな考え違いである。
　答えの糸口は、問題文の中に巧妙に、あたりまえ過ぎて気づかない体で埋もれている。だから「観察」が必要なのである。
　問題文は、ああでもない、こうでもない、と仮定と却下を重ねながら、読み解いていくものである。わたしの経験では、あまりにも当たり前過ぎて読み飛ばしていたことが、実は、解の鍵であったことが幾度となくあった。
　答えは問いの中にある。問いを軽く読み流して、問いの意味を考えようとしないのは、つまり、答えは他のどこかにあると探す態度は間違いなのである。
　答えは出題者が教えてくれている。この問題は難しいと出題者が思ったときは、それとなくヒントを忍ばせているのがほとんどである。小問形式にして、順次解答の手順を教えていたり、と出題者は親切なのである。
　地理の問題は、問題文を読み、推理を働かせるとき、大まかな地理の知識が、ほとんど助けになる。細かい知識を知らなくても解けるのである。ただし、重要な固有名詞は当然覚えていないとそのまま訊かれる。しかし、それは市販の要点集に載っている程度のものである。わたしが大まかな知識でいいと言うのは、問題読み取り段階での方向性、解決のヒントとして、ほとんど決定的に選択肢判断の根拠になるだろうという意味である。
　大まかにとらえるという勉強姿勢は歴史、公民においても変わるところがない。
　ただ歴史は要となる年号の暗記は必須である。年号のような無意味なものの暗記は語呂合わせがお薦めである。語呂合わせは、グループ分けされた個々の名詞を覚えるなどのときも有用な方法でえる。わたしは、英単語約1万語を語呂合わせで覚えた経験がある。大学受験のときであるが、3か月で覚えきった。
　公民は、制度の仕組み、制度の趣旨について、まず理解することである。ここでも細かいことは読み飛ばして構わない。
　勉強のコツは、とにかく大まかにとらえること、「要するに」と簡潔に理解を進めることである。
　細かいことは、本当に必要なのか、考えてみなければならない。細かい知識を気にすることのリスクは、たちまち知識量の完全性の虜になることである。そうなると網羅的な参考書(必然分厚い)をやるしかなくなる。資格試験では特にこの沼にハマる受験生が多い。中学生だと、勉強したくない、楽をしたいという意識が強いせいか、やたら厚い参考書は嫌われることが多い。
　細かい知識を追うというのは、決定的な欠陥を伴う。知識を追う人間は、思考の「間」というものがないのだ。問題を読んでも、まず、思い出そうとする。細かい知識を追いかければ、知識があるかないか、にこだわり、記憶に頼ろうとする。問題文を見ても読み飛ばしが多く、考えようとしないのだ。記憶に頼る勉強は、普段の勉強でも、考えるより、覚えることにより力を入れることになる。
　細かい知識は、つまり記憶に頼る勉強は、思考には天敵である。思考というのは、「間」というのが、大切なのではないか、と思う。「間」を置きながら、考える、というのが、わたしのスタイルからなのかもしれないが、とにかくわたしは記憶するということが、好きではない。だからできるだけ覚えなくて済ます知恵を働かせる。細かい知識は、大まかな方向性、より大きな、総論的な枠で、分類するだけでいいのではないか。
　すべての細かい知識は、分類という抽象化過程を経て、大きな枠組みに分類するというのが、思考、知恵ということではないか。
　記憶が嫌いな、わたしは、どうしても記憶しなければならないときは、苦心の語呂合わせで乗り切って来た。
　歴史の年表(年号)、英単語は、語呂合わせで完璧に覚えきった。各科目の諸々の暗記事項も語呂合わせで乗り切った。
　暗記は苦手です。
　覚えるよりも、考えるほうが合っているし、好きです。