2019.01.21
本番まで 13日 初日不算入本番の日まで
おはようございます。1月21日となりました。本日も低温青天です。受検前夜の緊張した雰囲気が竹の会の中にも次第に浸透していくようです。昨日は小6のみなさんにお汁粉を振る舞いましたが、緊張した精神を少しでも癒やすことができましたら幸いです。
さて、受検番号についてのお願いです。受検番号がわかりましたら、速やかに、わたしのほうにご報告くださるようにお願いいたします。お預かりしました番号は、大切に保管し、発表の日にわたしが確認するためだけに使用するものです。
🔵試験場での精神の置き所
俳優・山西惇さんの京都大学受験のときの話が朝日新聞に出ていました。
以下引用
入試本番は苦戦しました。2次試験の数学が、まるっきりできなかったんです。何を問われているのかさえ分からなくなっちゃって、絶対に落ちたなとへこみまくりでした。でも、開き直れたのがよかったんでしょうね。続く化学と英語の試験はリラックスできて、無事石油化学科に合格しました。
以上引用
開き直るという心
上の体験談には、重要なことが、2点ほど含まれています。一つは、「何を問われているのかさえ分からなくなっちゃって」の部分、もう一つは「絶対に落ちたなとへこみまくりでした。でも、開き直れたのがよかったんでしょうね」の部分です。
ただ開き直るのではなくて「何を問われているのかさえ分からなくなっちゃって、絶対に落ちたなとへこみまくりでした」、つまり、難しくてがっくりきている、そこで思い直して、開き直っている。これは実は私にも同じような経験がありまして、私が、昭和55年に、司法試験を受けたときの話しです。当時の司法試験は、もっとも難関な国家試験とされていました。三万人ほど受けて三千人受かる第二次試験短答式試験をまず受からなければ論文式試験に進めなかった。ところが、私は受験直前に39度の高熱が続き、何日寝込んでいたのだろうか、とにかく明日短答式試験という日の朝ようやく熱が引いた。お粥も喉を通らないほどに衰弱していたのですが、わたしは、翌日博多まで列車に乗り、試験を受けにいった。咳が止まらずに苦しかった。咳でまともな思考もできなかった。あの時は、わたしの咳がうるさくて集中できないと、試験官にクレームを言ったおっさんがいた。あの時、わたしは、直前に全く勉強できなかったこと、つまり見直しができてきなかったことから、どうせ落ちると諦めていた。その年の試験は、特に、難度が高くて、合格最低点がかなり低かったのも幸いした。わたしはこの時、開き直った、どうせ落ちるのなら、とにかく考えて解こうと。試験終了の合図が鳴ったとき、90問中10問は、解き残したと思う。それでわたしはもう落ちたと思いすっかりあきらめて来年に向けて勉強の計画を立てていた。試験から一月ほどして、二階にいた私を母が大声で呼んだ。「たけちゃん、法務省からはがきが来たよ」。合格していた。
開き直りというのは、かつて司法書士試験に合格した、早稲田セミナー講師の山本氏の体験談にもあった。氏は、書式問題を見て、全く知らない、わからないという事態に遭遇した。この時、氏は「わからないのは俺だけではない。みんなそう思っているはずだ。だったら落ち着いた方が勝ちだと開き直ったら、閃いた」と述懐している。
さて、小6のみなさん、私はあなたたちに、もうここまでやるだけのことはやってきた。それでも難しい問題が出たとしても、難しいのは、わたしだけではない。受けているみんなも難しいと思っているはずだ、そう開き直ってほしいのです。ここで難しいと舞い上がったら負けです。逆に、どんな難問が出ても、開き直って、どうせできないのなら、わかることを書くだけ、と肚を括ることです。
本番は、早く落ち着いた方が勝ちです。いやどうせできない、ならじっくり読んでわかることだけ書いてやる、これです。
後は、あなたたちの開き直り度です。それは、わからない、もう落ちた、と観念したときに生まれる、精神です。ただそういう、土壇場に追い詰められてもいないのに、開き直った、というのではありません。もう落ちた、と思ったその時その瞬間に生まれる、心なのです。本番で、生まれる、生まれたての心です。予め開き直って用意した心ではありません。
「何を問われているのかさえ分からなくなっちゃって」の部分について。
試験というのは、「問いに答える」ことです。出題意図に即して答えることです。山西惇さんは、「何を問われているか」を考えて、問われていることに答えようとしていたのです。ところが、受検生の多くは、何を問われているかをろくに考えもせずに書く人ばかりです。だから問いに答える答案を心がけるだけで「受かる」試験なのです。落ちたのは、問いに答えていないからです。問題を読んだらまず何について問われているのか、出題者は何を答えてほしいのかを、よくよく読み取ることです。それから字数制限違反は得点0点です。これは、過去竹の会で小石川の作文で指定字数に足りなかった子が0点でしたから間違いありません。その子は適性Ⅱ、Ⅲとも合格点を超えていました。問題には、必ず指示があります。この指示を守らなければ0点を覚悟してください。
小6のみなさん、これまで竹の会におつきあいいただいて本当にありがとうございました。
わたしは心からみなさんが、桜並木の下で晴れて合格の幸せを喜びを分かち合うことを願っています。今のわたしには竹の会の神様にただ手を合わせることしかできませんが、受験とは、心の拠り所、そんなものはないのに、そういう拠り所を、求めることで心安らぐものです。竹の会の神さまとともにみなさんの健闘を心より祈っております。
🔵合格への思いが、駆け巡る
合格と不合格の差
現実には、都立中高一貫校への道か、区立中から高校受験という道に分かれる。合格はその後の道を必ずしも保証しないけど、合格のもたらす意味は大きい。
九段のように区内を別枠にするところは別として、都立中では、バカはいない。いや頭のいい子ばかりで、人間関係は、公立中のようなバカにまみれて我慢するというようなこともない。授業妨害とか、いじめとか、喧嘩とか、くだらん摩擦が少ない。都立中は、難関私立中高一貫校並みの授業レベルとされているから、かなり充実している。
公立中の場合、一割にも満たない少数の勉強熱心な生徒が、日比谷、西、戸山、青山、国立などの上位の都立をめざす構造である。都立中高一貫校不合格の道は、決して道が断たれるわけではない。いやむしろ考え方によっては、 都立中高一貫校に合格した道を超える道の可能性もある。ただこの道は、毎日が、勉強という、試練の道である。公立中高一貫校だってトップにあるためには、同じかそれ以上の勉強を余儀なくされる。してみると公立中に進み、部活に興じて勉強を疎かにすることほど馬鹿げたことはない。そんな時間はとてもない。都立中高一貫校に合格して、部活を楽しむ生徒もいるけれど、もともと頭のいい子の部活である、ただもしかしたら、大学入試は、それほど甘くはないかもしれない。公立中の生徒が、部活で潰れて、低偏差値の高校から、高卒で、社会に出るのとは自ずと異なるものがある。
都立中高一貫校で、学園生活を謳歌するのは、やはり、大学で失敗する可能性が強い。公立中から、トップ都立へ進み、東大などの旧帝大へ進むという選択肢、チャンスは残されている。最終的に誰が勝つか、生き残るかは、わからない。
もう一つ言えば、最終的に、大学入試で勝った者が勝ちということである。都立戸山から法政、立教という人もいれば、佼成学園高校から、早稲田大、慶應大学という人もいた。私立開成高校から早稲田の人間科学部という人だっている。開成はエリート校であるが、この学校は、落ちこぼれの多い学校でもあるのだ。都立中高一貫校へ行っても、落ちこぼれ組もいる。公立中へ行ってもトップ都立から、有名大に行くヤツもいる。都立中高一貫校受検は、一つの分岐点であるが、不合格でも、最終目的地への道は、狭いながらも保証されている。ただ部活で未来を潰すバカに未来はない。
さて、都立中高一貫校の道が、環境的に、つまり勉強に適した環境にあるということである。公立中には、物理的にも、人的にも、この環境は、貧弱である。いや劣悪である。公立中では、塾は、必須である。塾に行かない選択は、リスクの大きい選択となる。公立中に多い親の節約根性は、確実に裏目となる。
高校受験の道
都立なら、日比谷、西、国立、戸山、青山、新宿、小山台、駒場には行きたい。こういう高校に行くには、まず内申、9科目は、すべて4以上、5が、最低でも4個以上必要。内申は、女子に甘く、男子に辛い。中野区の160人いた中3、女子の内申は43がごろごろ、男子は、最高でも39。実はこれは27年に竹の会から戸山に合格した男子に聞いた話。彼の内申は、なんと38だった。
公立中は、内申で苦労する。男子は特にそう、90点取っても、3をつけるアホ教師が少なからずいる。75点でも数学5をつけた不可解な教師もいた。自分が顧問をする部活の子にだけ5をつけるバカ教師もいた。公立中の教師は、レベルが低い。内申の評価は主観的に偏ったものと覚悟するしかない。
内申点は、素内申と選科4科を2倍して主要5科に加えた換算内申に分かれる。換算内申は、1000点満点の300点を満点として、計算される。
トップ都立に行くために、だから内申次第になる。その上で、当日点を競うことになる。
女子で素内申44の子が、日比谷の推薦を落ちて、都立目黒以下を一般受験したという話しなど珍しい話しではない。内申が高くて実力のない女子の話しは尽きない。
都立上位校に合格するための戦略については、このブログの別のところで詳しく述べているので、そちらを読んでいただけたらと思います。
再び都立中高一貫校への道
都内の公立中高一貫校は、千代田区立九段以外は、すべて「都立」中高一貫校である。その中で躍進しているのは、小石川、武蔵である。桜修館、両国、白鷗など23区にある中高一貫校は、都立青山、新宿あたりと鬩ぎ合いの状態である。多摩地区には、武蔵のほか、大泉、南多摩、三鷹、立川国際などがあるが、武蔵は別格として、大泉が伸びている。
竹の会では、過去、小石川、両国、白鷗、桜修館、富士、九段すべてを、制覇している。
都立中高一貫校に受かるためには、竹の会に、小3の夏以降から小4の5月あたりまでに来るのが、ベストだと思う。入会試験に合格すること、これがその後の指導の成否を占うことになる。指導が順調に運ぶかどうか、竹の会はあくまで都立中高一貫校の合格を目指して指導するわけだから、その見通しがないなら、指導の意味はない。竹の会に入会して指導を受けてみて、「わかるようになった」と言っても、合格の見通しが立たなければ、指導には意味がない、というスタンスである。竹の会は学校の補習を目的とした塾ではないからである。