2017.10.10
本日は、わたしの新作についてご紹介申し上げます。
まず、「思考の核心」
予定100題
今冬の冬期指導に使用予定
公立中高一貫校適性問題を解いて十年超、適性問題とは何か、を問い、今年、初めて竹の会流の創作問題に取り組むことにしました。わたしならこういう問題を出すだろうな、という直感ですね、長年培ってきた勘と申しますか、都立出題担当者の意図を逆推理しました。この製作のために集めた文献はシンプルに20冊程度ですが、しぼりに絞りました。いろいろなヒントから計算機を横に置いて数値を操り問題に仕立てていきます。問題を創作するというのは中々大変なことだとはよく知っております。かつてLECという資格試験の予備校で講座や模試に使う問題を創作するアルバイトをしていたことがありましたが、あれは大変でした。1つの事例問題を作るのにかなりの専門書を読まなければならなかった。根拠には必ず判例とか、先例を探し出し、つけなければならなかったので、それは大変な作業でした。しかし、あのときの経験がわたしの問題創りの基本姿勢になったのだと思っています。問題というのは、創るよりも、その解説に何倍ものエネルギーを使うのだということを徹底的にたたき込まれました。もう二十年以上前の話ですが、ある過去問の出版社の編集部に勤めている方とたまたま知己を得て、そのときに竹の会の過去問の解説がすべてオリジナルだということを知った、その方から、「阿部先生に過去問集の解説の執筆を依頼したいと思いましたけど、原稿料が安くて言い出せなかった」というようなことを言われたことがありました。あのときは確か単年度3科目分の解説執筆で稿料10万円とかでした。わたしがLECでアルバイトしていたときは、書式問題1題で数万円でしたから、まあこちらのほうがよかったのかもしれません。高校受験の過去問解説は結構面倒くさいのです。まず国語なら原文に必ず国会図書館であたらなければならない。これは英語も同じで、とにかく厄介です。数学は大学院の学生のチームなんかに頼んでいるようですが、そのためかやたら難解な解法になりがちで、確率なんかすべて書き出して終わりなんてのもあった。わたしは市販の解答によくダメ出しして、市販の解答の何分の一ほどのシンプルでわかりやすい解法を提示したものです。基本は教科書で解く、だった。これが当時の秀才たちには受けたようです。
まったく何もないところから問題を創るというのは、わたしには久しぶりの仕事で、今度は頼まれての仕事ではなく、竹の会塾長としての仕事です。とにかく凝り性でひとつのアイデアからまたいろいろ考えが浮かんで問題を複雑にしてしまい、自分でも考えこむ、それでまた手を入れる、そういう悪戦苦闘をやりながらなんとか創作に取り組んでおります。
目標は100題です。これから忙しくなりますが、なんとかがんばりたいですね。
次は、「基本思考の中核」
こちらは、創作問題ではありません。例のみくに出版の銀本の算数、同じみくに出版が出している難関私立算数シリーズ、そういった文献から、十年超にわたって培ってきた公立中高一貫校分析の鳥瞰図というものからわたしの琴線に触れる問題を拾遺して100題にまとめるというものです。もちろん解説はわたしのオリジナルです。こちらも併行執筆で冬期前には仕上げるつもりです。
こちらの基本精神は、竹の会では定番の「単位あたり量を鍛える」シリーズを引き継ぐもので、基本的なものに徹底してこだわりました。
今は、暇さえあれば、さまざまな過去問集をめくっています。
以上、本日は、新作レジュメシリーズについてご紹介申し上げました。