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小学期に子を阻害する母親 

2024.12.24

 小学低学年こそ重要な時期

 経験から小2から基礎訓練を開始するのがもっとも成功するということをまず強調しておきたい。

 小学入学前から小1までは、ひたすら漢字の書き方の訓練をしてもらいたいものです。それから数に親しむことです。

 小2から計算の訓練をする。早い子だと6か月もあれば、難関中の計算問題を解けるまでになる。もちろん遅い子は1年かかってようやくということもある。それでも小3になる前には完成している。早ければ小3から割合という概念に触れることができる。

 小学期に中学受験あるいは都立受検のために大手に入れることはあまりにもリスクの高い選択となろう。子どもの能力というのは千差万別、段階差はバラバラである。そういうこともお構いなしに大手のカリキュラムに合わせて子どもを押し込むなどということをよく親は平気でやるものだ。天才的な子どもなら放って置いても頭角を現す。大手で能力を開花することも普通のことである。しかし、8、9割のその他大勢の子どもたちは大切なものを失うことになる。

 小学期は基本がなによりも大切である。この基本習得過程を軽視し、あるいはスキップし、いきなり大手のレールに乗せる愚をやるのが、世の多くの親である。もっとも中学受験はある程度裕福な家庭がやるのだろうし、また徹底してカネをかけられない家庭が中学受験をやると、よほど天才でもない限りまず第1志望は取れない。昔から受験というのは、どこまでカネをかけられるか、ということが成否を分けてきたのである。

 天才を除いて中学受験は子の脳を破壊する方向に向かうであろう。特に、その他大勢の子どもたちが基本を疎かにしたまま中学期へと進むのは破綻したままに高校受験を迎えることにる。また第2、第3志望の中学に入っても上位25%に入れない子たちの未来はすでに見えている。上位25%以内というのは第1志望に合格しても言えることであり、言い換えれば、どんなにがんばって入学しても、報われるのは上位25の子たちだけである。親が普通の頭なのに子に何を期待するというのか。いや親が学歴があったとしても子が必ずしも優秀とは限らないのである。

 基本を完全にした者が結果的に成功しているという事実

 小学期は執拗に基本にこだわらなければならない。基本の習得に時間がかかるのに、あえて中学受験・受検をさせる親の気持ちが理解できない。基本はどんなに時間がかかってもマスターするまでやらなければならない。それで受検に間に合わないのなら、基本を優先し、受検は高校受験に切り替えるしかない。ここで受検を優先すれば、基本なしのままに不合格・公立へ進むことになるが、基本のない子が中学で成功することはない。

 小学期に基本で終始するならばそれはそれまでの能力だったということである。

 すべての小学3年生が指導できるわけではない。たとう入会審査に合格しても、生来のまじめさの欠落した子というのがいて、そういう子の指導は不可能である。小学生の大半はそういう子の可能性が高い。特に、母親などが子のわがまま放題を放置してきた、つまり「躾け」をしてこなかった場合、能力云々以前に社会的な意味において、指導は不可能である。

 小学期は中学期のためにある。小学期に思考訓練をすることは、実は自立過程を進むことでもある。勉強というのが我慢であり、思考を優先させることから主体的独立を可能にするのである。

 基本習得・思考訓練のできる塾は東京にはどれほどあるのか、私は否定的である。

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