2026.11.03
「算数真髄」の執筆を開始しました。
算数は分数と図が必須なので,wordは使えません。予め数式ソフトに下書きをして,その原稿をwordにはり付けるという手間のかかる仕事です。
執筆の構想は幸いなことに平成9年に内部テキストとして書いた「算数真髄」があり,それを叩き台にして書いていくことにしました。
平成9年のわたしの算数の理解がかなり深いものであったことに正直驚いています。わたしが本格的に算数の研究を始めたのが平成17年あたり
だと思いますが,それまでにも実は竹の会からは多くの私立中学合格者を出しています。当時は主として,過去問を使って指導していました。
竹の会には伝統的に「過去問合格法」というやり方がありまして,高校受験はこれで実績を出して来ました。中学受験の依頼が来たとき,
必然「過去問合格法」に従ったことは当然の流れでありました。
獨協中学が初めての合格でした。その後,東洋英和や日大二中,国学院久我山,吉祥女子,頌栄女子,立教,慶應藤沢,東京農大,攻玉社,巣鴨など数多く中学へ合格者を出してきました。しかし,わたしは,本格的に算数の研究をしたことはなかったのです。平成17年に公立中高一貫校がスタートして,公立小の子どもたちが竹の会にもやってくるようになって,そのとき初めて区立の子たちの低学力,境界知能周辺の子たちの実態を知ったのです。割合を理解することの困難な子たちが大勢いるということを知りました。その時から,わたしの算数研究が始まりました。平成17年から23年の間,わたしは研究に没頭して来ました。首都圏の中学の過去問はたいてい解き尽くしていましたが,子どもたちにどう理解させるかそこが問題でした。
それにしても平成9年にはわたしなりに算数を一通り整理していたのですね。驚いたのは「1あたり量」の考え方で算数にアプローチしていたことでした。難問になって来るとなかなかわかりづらい解説になっていました。この当時はまだミクロマクロ法というのは私の中にはありませんでしたからね。
「1あたり量」の考え方は算数の本質を理解するのに大切であることは当時のわたしにも認識されていたようです。当時の解説を読んで「すごいな」と思っている自分がいたりします、。昔の自分に教えられているのです。
骨格があるので,原稿は比較的に早く仕上がると期待しています。今年中に間に合えばいいのですが,どうなるかわかりません。
タイトルも「算数真髄」ではなく「算数神髄」にしようかなどと迷っています。実は同じ時期に「数学神髄」というテキストを書いています。「算数真髄」はこれを受けてのことです。
「割合の魔法の算数」(ギャラクシー出版)は使った子たちには好評で,地味に売れています。そこでテーマのミクロマクロ思考は,新著でももちろんその進化形を紹介したいと思っています。また算数の定番解法である面積図の素晴らしさも紹介したいですね。算数というのは,工夫と知恵の科目です。これほど思考にいい科目をわたしは知りません。算数の問題を解く過程は,知恵と工夫の坩堝です。子どもたちが算数に触れることで知恵の働かせ方を学び自らも工夫して解く喜びを知ってほしいと願っています。巷の塾では,教え方のうまい先生,説明がわかりやすい先生が子を喜ばせ,母親を有頂天にして,子どもたちや親を引きつけているという話をよく耳にします。わかりやすい説明を聞くことが算数の勉強だというのはほんとうにもったいない話です。子どもたちを聞き上手にしてもしかたありません。わたしは子どもたちが自ら額に汗して,つまり知恵を働かせて,工夫をあれこれ悩んで,正解への糸口を見つけるということをしてほしいのです。それこそが算数に触れる唯一の道だと考えるからです。問題を一度雑に読んだだけでもう「わからない」からと説明を聞く,解答集の解説を読む,そういう勉強をしてほしくないのです。安易に簡単に終わらせたものは現場では何の力にもならないということを知ってほしいのです。
「算数神髄」は小学生の皆さんに,考える小学生に,算数とは何か,その本質を知ってもらうための,わたしのメッセージです。
いつか皆さんの手に渡るようにこれから少しずつ構想しながら,思考しながら,執筆していきたいと思います。






